2015年11月02日

10月21日の東京小森会・関東甲信越静小森会のKOMORI基調報告で小森善治小森コーポレーション会長は印刷業界の市場動向、印刷会社の課題と小森が提供するソリューション、同社の事業活動を報告した。その中で内外の市場動向について、米国では印刷出版物に復活の兆しがあるなど、各種資料に基づき次のように見通しを示した。

 

 
国内の印刷市場は、IT化の進展、リーマンショックの影響などで年々縮小してきたが、ここ数年は縮小スピードが緩んできている。
2007年から11年にかけては20%減、年平均5%減だった。11年から14年にかけては3・4%減、年平均1・1%減だった。14年の事業所数は2万5675カ所、出荷高は5兆5181億円(同社推計)。
(資料:経済産業省)

 

世界全体の印刷市場規模は17年には669ビリオン(約80兆円)と推定される。中でもアジア諸国の成長率が非常に高いと予想されている。
(資料:NPES)

 
日本の先行指標となるアメリカの印刷市場規模は08年ごろから縮小し続けてきたが、ここに来て13年を底として回復傾向にある。
(資料:アメリカ合衆国国勢調査局)

 
アメリカではe-bookの伸びが止まる一方で、印刷出版物が復活の兆しを見せている。数年前、誰もが印刷出版物に変わり、e-bookが主流になると予測していた。08年から10年のe-bookの伸び率は、1260%だった。しかし、現在は印刷本への回帰、機器と紙とを使いわけるユーザーが増加している。今年のe-bookの売上は10%下落。e-bookの高価格化も影響している。e-bookの市場占有率はここ2~3年間20%で横ばいである。書店の登録数は5年前に比べて2~3割増加した。e-readerの主利用率は2012年の50%から15年の第1四半期32%へと減少した。アメリカの大手出版社はこのチャンスに印刷インフラと流通強化に資金を投入した。流通施設拡張、売上データ活用などによる効率的な在庫管理・補充システムの構築などである。売上の拡大と効率的流通による返本率低下などの効率化で15年に最高益を出す出版会社も出現するなど、出版業界に環境良化の兆しがある。
(資料:15年9月23日付「ニューヨーク・タイムズ」)

 
17年までの予想成長率はOECD国で0・8%、非OECD国で7・2%で、新興国だけでなく、先進国にも成長の余地があると予測されている。とくにパッケージの伸びは大きいと予測される。
出版 ▽OECD国0・50%減▽非OECD国7・80%増
一般商業印刷 ▽OECD国0・40%増▽非OECD国7・10%増
ビジネスフォーム関連 ▽OECD国0・20%増▽非OECD国4・10%増
ディスプレイ・POP関連 ▽OECD国0・60%増▽非OECD国3・20%増
パッケージ ▽OECD国2・10%増▽非OECD国8・10%増
その他 ▽OECD国0・10%減▽非OECD国5・10%増
(資料:NPES)

 

オフセットとデジタルの今後については、数量ベースではオフセットでは枚葉、ヒートセット輪転は今後も底堅い。コールドセット輪転は大幅に減少、デジタルは全体の約3%にとどまる。
18年で枚葉14・9%、ヒートセット輪転21・3%、コールドセット輪転37・3%、EP(電子写真)1・8%、IJ(インクジェット)1・2%、その他のプロセス23・5%。
出荷額ベースではオフセットでは枚葉の減少幅は少なく、輪転の減少幅が大きい。デジタルはEP、IJともに大きく成長と予測される。
18年で枚葉21・4%、ヒートセット輪転11・5%、コールドセット輪転8・8%、EP11・9%、IJ8・7%、その他のプロセス37・7%。
(資料:Smithers PIRA)

 

 

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