2015年10月22日

大日本印刷(DNP)は、カーナビゲーションやスピードメーターなどの車載用液晶ディスプレーの視野角を制御して、フロントガラスへの映り込みを防止し、ドライバーから見た時の輝度を向上させた新型の車載ディスプレー用視野角制御フィルムを開発した。10月にサンプルの出荷を始める。

 

DNPは、事業の成長領域のひとつに「住まいとモビリティ」を掲げ、自宅や職場、学校や商業施設のほか、自動車や電車などの移動空間も含めた快適性の確保や、いつでもどこでも安全に利用できる情報サービスの創出などに努めている。自動車関連では、従来から提供してきた内装用の加飾フィルムや車載ディスプレー向け視野角制御フィルムなどに加え、今年8月には自動車のドア窓の上に取り付けるサイドバイザーにおいて国内で高いシェアを持つDNP田村プラスチックをグループ会社に迎えるなど、事業を強化している。

 

 

車載用の液晶ディスプレーについては、運転席のフロントガラス近くのカーナビやスピードメーターなどに使われるため、特に夜間はフロントガラスにディスプレーの光が映り込んで前方が見えにくくなり、安全性が損なわれるという課題があった。この対策として、ディスプレー上部に遮光フードを設置することが一般的だが、欧州の高級車などは、デザイン面からこの対策が敬遠される傾向にあり、視野角を制御するフィルムをディスプレーのバックライトに内蔵させて映り込みを防ぐ方法が増えている。しかしこの視野角制御フィルムでは、ディスプレーの高解像度化につれて強まるギラツキ(シンチレーション)が抑えきれなかったり、輝度が低下してしまうなどの課題があった。

 

 

これらの課題に対してDNPは、各種ディスプレー用光学フィルムなどで培った光制御技術を活かし、映り込み防止の機能を高めるとともに、ディスプレーの輝度を向上させ、かつギラツキを抑えた新型の車載ディスプレー用視野角制御フィルムを開発した。

 

 

新型フィルムは、光の進む方向を制御するルーバーの形状を、従来の半分以下まで細線化することで、透過率1.4倍、輝度1.5倍に高めている(ドライバーからの視点における自社従来比)。これにより、フロントガラスへの映り込みを抑えるとともに、ディスプレー画面の明るさと見えやすさが向上する。
ルーバー層に新しく開発した材料を使うことで、従来400μm(マイクロメートル:10-6メートル)の厚さを280μmまで薄くでき、車載用液晶ディスプレーの薄型化を可能とした。
フィルムの表面に、微細なディンプル形状を持つ凹凸を付与したことで、ギラツキとコントラスト低下を防ぎ、ドライバーの目の疲れを軽減する。

 

 

自社従来品は、BMWをはじめ、高い品質が求められる自動車メーカーで、高級車を中心に採用されている。今回開発した新製品も、従来以上の要求に応えられるよう、DNPのクリーンな製造環境の厳しい品質管理体制のもとで製造している。

 

 

 

 

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