2015年10月10日

1.女性管理職がいない企業は50.9%と半数にのぼり、女性管理職の割合は平均6.4%にとどまる。
一方、従業員全体の女性割合は平均24.2%、役員は平均8.4%。女性管理職の割合は、小規模企業や『不動産』のほか割合の低い業界で、上昇傾向にある。
2.今後、自社の女性管理職割合が増えると見込んでいる企業は22.3%。
3.女性の活用や登用を「進めている」企業は4割を超える。その効果は「男女にかかわらず有能な人材を活かすことができた」7割超で突出。女性活用から受ける効果は企業規模によって異なり、「大企業」では女性の労働観や採用活動、「小規模企業」では業務の円滑な進行やコミュニケーションの活発化、人材不足への対応に表れる。
4.女性の活躍促進には、「社会の制度拡充」「家庭の負担軽減」「職場の働き方見直し」がカギ。「仕事と子育ての両立支援」「妊娠・出産・子育て支援の充実」を重視する企業が過半数となった。
 
――帝国データバンクが公表した「女性登用に対する企業の意識調査」で明らかになった。調査は13年、14年に続き3回目。
 
 
同社は調査結果から「女性の活躍が促進されるためには、『社会の制度拡充』『家庭の負担軽減』『職場の働き方見直し』が今後のキーポイントになることが、本調査の分析から確認できた。さらに、女性が働きやすい環境を社会・家庭・職場において構築することで企業の業績が改善する確率を高めることも示されている。日本が女性の活躍できる社会となるには、女性の働き方だけでなく、社会制度や男性の働き方、職場の各種制度を整えていくことが重要となろう」と分析している。

 
調査によると、自社の従業員に占める女性の割合は、「30%以上」と回答した企業は28.3%だった。また、「10%未満」(23.8%)と「0%(全員男性)」(5.7%)を合わせると、女性従業員割合が10%に満たない企業は29.5%となり、2014年の30.7%から2割台に低下した。平均女性従業員割合は24.2%となり、2014年より0.3ポイント上昇した。
他方、自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合では、「30%以上」とする企業は5.9%にとどまった。逆に、「0%(全員男性)」が 50.9%で半数にのぼり、さらに「10%未満」(29.9%)と合わせると、女性管理職が1割に満たない企業は80.8%にのぼった。その結果、平均女性管理職割合は6.4%となり、2014年より0.2ポイント上昇した。

 
自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合では、「0%(全員男性)」が61.5%で6割を超えている。さらに、「10%未満」(15.1%)と合わせると、女性役員が1割に満たない企業は76.6%と前年と同水準だった。また、「30%以上」とする企業も11.0%で、平均女性役員割合は8.4%と2014年と変わらなかった。

 
女性管理職の平均割合を規模別にみると、規模が小さくなるほど女性管理職の割合は高くなり、2014年と比べるとすべての規模で上昇した。業界別では、『小売』『不動産』『金融』『サービス』で高く、『運輸・倉庫』『建設』『製造』などで低かった。特に『不動産』では「実力があれば女性でもどんどん登用したい」(東京都)など、積極的に登用を進める企業も多く、前年から2.1ポイント上昇した。ただし、下位業界においても「意欲的に業務を行う女性従業員について、積極的に支援していきたい」(一般貨物自動車運送、愛知県)といった意見がみられるなど、女性管理職割合は少しずつ上昇する傾向にある。

 
女性管理職の平均割合は前年から0.2ポイントの上昇にとどまったが、内訳をみると「小規模企業」や『不動産』に加えて、低割合業界で上昇傾向が進むなど、女性の管理職登用に対して企業間で変化が表れている。

 
自社において女性の活用や登用を進めているかについては、企業の41.1%が「進めている」と回答した。他方、女性の活用や登用を「進めていない」企業は約3割であった。
女性の活用や登用を進めている企業にその効果を尋ねたところ、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が7割を超え、突出して高かった。以下、「女性の労働観が変化してきた」「女性を登用したことで業務が円滑に進んだ」「従業員のモチベーションが上がった」「多様な働き方が促進され、労働環境が改善された」が続き、いずれも2割を超えた。

 
女性の活用・登用を進めることによる効果は企業規模間の差が大きく、「女性の労働観が変化してきた」では「大企業」(40.6%)が「小規模企業」(25.5%)を15.1ポイント上回ったほか、「採用活動等で有利に働いた」と感じている割合も大企業が高い。他方、「女性を登用したことで業務が円滑に進んだ」「従業員同士のコミュニケーションが活発になった」では「小規模企業」が「大企業」より10ポイント以上高くなっている。また、「将来の人材不足に対応できた」とする企業も小規模企業で高く、企業規模により女性活用・登用から得られる効果の違いが明らかとなった。

 

調査は2015年7月17~31日に全国2万3,176社を対象に実施し、1万1,008社から有効回答を得た(回答率47.5%)。
 

 

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