
『絵双六―その起源と庶民文化―』
第18回自費出版文化賞(主催=日本グラフィックサービス工業会、主管=日本自費出版ネットワーク)の最終選考会が9月3日、東京・吉祥寺東急インで開催された。
応募総数612点から、大賞『絵双六―その起源と庶民文化―』(枡田静代さん、研究評論部門)ほか、部門賞7点、特別賞7点が決定した。
大賞受賞作品について、研究評論部門を担当した佐藤和夫氏(哲学思想研究者)が「同書は絵双六が極楽浄土など、仏教の宗教的理念や価値観を庶民に伝えていたことを明らかにして分析したもの。双六に関する多くの文書はゲームとしての歴史を述べているなか、絵双六の伝える価値観形成に焦点をあてたのは非常に興味深い」と述べている。
各賞入選作品は次の通り。
大賞
『絵双六―その起源と庶民文化―(枡田静代さん、研究評論部門)』
部門賞 (各部門一点)
地域文化部門=『富山県における学童集団疎開-戦争、子どもと地域の観点から-(須山盛彰さん)』
個人誌部門=『平成おくのほそ道 道中記(澤田康さん)』
小説部門=『失郷民-趙南冨とその時代-(中田哲三さん)』
エッセー部門=『アンコール・極上葡萄酒談義(近藤聰さん)』
詩歌部門=『遊絲(嵯峨美津江さん)』
研究評論部門=『献身 遺伝病FAP(家族性アミロイドポリニューロパシー)患者と志多田正子たちのたたかい(大久保真紀さん)』
グラフィック部門=『UPPER MUSTANG-Way To Lo-Mauthang(井上一夫さん)』
特別賞
『稲作のマツリと祈り-淡路島の年中行事-(永田誠吾さん)』、『『おいしい』に想いをこめて(長岡末治さん)』、『dwipa14 ―島旅のあいまい魅―(花澤周志さん)』 、『国蝶の生れ立つ樹(神山奉子さん)』、『小川郷太郎作品集(小川郷太郎さん)』、『詩集ひかりのうつわ(半田信和さん)』、『瀬戸口靖代句集―精霊舟―(瀬戸口靖代さん)』