2014年12月16日

9月の通常代議員会で解散方針を議決した東京印刷工業厚生年金基金(盛庄吉理事長)は、2016年3月の解散に向けて準備を進めている。解散に当たっては、加入員の3分の2以上の同意を得た上で、厚生労働大臣の認可を受けることになる。11月から事業主らを対象に説明会を開催するとともに、理解を促している。今後は同意手続きを行い、2015年5月将来返上の認可、2016年1月記録整備終了、同年3月解散認可の予定。

 
同基金は1968年4月1日、加入事業所で働く人たちの老後生活の安定と、福祉の向上ならびに各事業所の発展を目的に設立。しかし、近年は不安定な資産運用環境に伴う運用利回りの乱高下などによって、厳しい財政状況での運営が続いている。加入員もピーク時の3万4000人から、直近では1万5000人を割り込んだ。

 
こうした中、同基金は存続に向け努力を重ねてきたが、ことし4月からの厚生年金基金制度を見直す厚生年金保険法の改正に伴い、2月に開催した第119回通常代議員会で、新財政基準を満たす基金としての存続断念を決議するとともに、さらに新たな企業年金への移行策を幅広く検討するため制度検討委員会で審議。9月19日の第120回通常代議員会では制度検討委員会の答申を受けて解散を決議した。

 
厚生年金保険法の改正に伴い、厚生年金基金の存続にはきわめて高い存続条件が設定され、同基金も継続困難と判断せざるを得ない状況に至った。法改正を受けての選択肢は「存続」「代行返上」「解散」の3つ。ことし3月末時点で厚生年金の新存続条件を350億円下回る資産しか保有していない。そのため「存続」または「代行返上」を選択した場合、大幅な掛金引き上げを伴うことから、選択肢は解散しかないと判断。

 
解散により上乗せ給付が消失するため、別途解散分配金を移管できる受け皿制度を発足させ、各事業所が加入可能とすることを検討している。

 
11月には解散に伴う説明会を3日間開催(延べ340事業所・490人が参加)し、これまでの経過や解散へ向けての日程などを話し、検討中の新しい受け皿制度を提案した。

 
今後は同意書を回収し、2015年3月の代議員会で将来返上を決議し、5月に将来返上認可。同意書回収状況の最終確認を経て、2016年1月解散認可申請を行い、同年3月解散認可↓掛金・給付終了というスケジュール。
解散についての理解を促すため、加入員および事業主向けに冊子を配布してきたが、12月半ばには受給者向けに冊子を配布する。

 
高井正章常務理事の話 「代行割れ」していない、いまの時期に解散するのがタイミングとして1番いい。3分の2以上の同意は必須条件であり、協力をお願いする。また各事業主には、残余財産、事業主負担の軽減分を、新企業年金の創設や退職一時金の増額など、加入員の老後の所得保障の一助にしてもらいたい。

 

 

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