2015年09月02日

日本印刷産業連合会(稲木歳明会長)は、9月16日に東京・千代田区紀尾井町のホテルニューオータニで開催する「設立30周年記念式典 2015年印刷文化典」で平成27年度日印産連表彰として、印刷文化賞5氏、印刷功労賞14氏、印刷振興賞22氏、特別賞1氏・3団体を表彰する。さらに第14回印刷産業環境優良工場表彰と、本年度創設したGP環境大賞の表彰も行う。8月21日開催の日印産連マスコミ懇談会で表彰者ならびに表彰工場を発表した。
平成27年度日印産連表彰で、4年に1度の印刷文化典開催年に贈られる印刷文化賞には、足立直樹(日印産連顧問・前会長、凸版印刷(株)代表取締役会長)、石田明(日本印刷産業機械工業会顧問、(株)SCREENホールディングス代表取締役取締役会長)、古森重隆(日本印刷学会評議員、富士フイルムホールディングス(株)代表取締役会長CEO)、猿渡智(日印産連元会長、印刷図書館評議員、大日本印刷(株)元代表取締役副社長)、森澤嘉昭(日本印刷産業機械工業会相談役、(株)モリサワ相談役)の5氏が選ばれた。

印刷文化賞

足立直樹氏

足立直樹氏

足立氏は、印刷業界のリーダー企業として先進的な経営を実践するとともに、業界が抱える諸課題に対して積極的な対応を行った。印刷工業会では、他に類を見ない「業界団体としての女性活躍推進」の基盤づくりを行うとともに、部会活動の活性化を推進し、会員各社への情報提供や業界慣習の改善を図った。日本印刷産業連合会の会長としても業界基盤の強化に向け、諸施策を実行した。特に緊急課題であった大阪府内の印刷事業場の「胆管がん発症」を受け、「労働安全衛生協議会」を立ち上げ、迅速に印刷産業の労働衛生環境改善に指導力を発揮した。

また、電子出版において新たに発生した出版権の課題に対し、日本印刷産業連合会・会長及び日本経済団体連合会・知的財産委員会共同委員長として尽力し、平成26年度通常国会において、業界にとって適正な「著作権法の改正」が行われた。さらに、官公庁・団体の理事・委員会活動を通じて業界の発展に貢献した。

 

 

石田明氏

石田明氏

石田氏は、平成2年5月に(社)日本印刷産業機械工業会副会長に就任、平成5年5月から12年5月の間においては同会長を務め、その後現在に至るまで長年にわたり同会での活動を通じて印刷産業全体の発展と振興に多大なる貢献を果たし続けている。特に同会会長在任中は、わが国がバブル崩壊後の厳しい経済情勢にある中、その卓越した指導力と将来展望により、印刷機械業界にとどまらず、印刷産業全体の将来を見据え、デジタル化の進展へと変革をもたらす新しい事業化への動きを指導し、環境変化への対応の機運を牽引、更なる業界発展の実現に果たした功績は高く評価される。

また「発明協会」における活動を通じて、印刷業界にとどまらず広く産業界に対する知的財産権の普及啓蒙に努め、さらに京都国際文化交流財団に協力し、寺社・仏閣に保存されている歴史的文化財の電子保存に取り組み、最新の技術を駆使した高精細なデジタルアーカイブを実現し貴重な文化遺産の後世への伝承にも取り組むなど、広く社会貢献にも尽力し、印刷産業全体の地位向上につなげた功績は計り知れない。

 

 

古森重隆氏

古森重隆氏

古森氏は、富士フイルム(株)の印刷システム事業に永い間携わり、印刷プリプレス工程のデジタル化に代表される各種技術革新に対応し、先進的な製版機材・刷版機材を開発、製造、普及することで、印刷業界の生産性向上、品質向上に貢献をしてきた。その間、平成7年から平成18年の間にプリプレスベンダーの団体である製版機材協議会(現プリプレス&デジタルプリンティング機材協議会)会長の要職を務め、また、日本印刷学会評議員は平成16年から就任し現在に至る。
富士フイルムホールディングス(株)CEOに就任後は、デジタルによるフイルム喪失という危機的局面をドラスティックな経営変革により乗り越えるなど、時代を代表する経営者として活躍しているが、その著書あるいは各種講演会、寄稿記事などにおいて、「印刷業界は長い事携わった出身母体」であり「印刷業界での貴重な経験はかえがたいものがある」と、印刷産業をひろくアピールする事で、業界のイメージアップ・社会的地位向上に多大な貢献を果たした功績も高く評価される。

 

 

猿渡智氏

猿渡智氏

猿渡氏は、平成23年3月に発生した東日本大震災とそれに伴う原発事故によって、当該地の印刷各社は直接的に大きな被害を受け、また全国の多くの印刷会社も原材料不足や計画停電などにより経営に大きな影響を被った。こうした状況の中、日印産連会長としてのリーダーシップを発揮し、行政や顧客に対して積極的に印刷産業の現況を伝え、復旧・復興に向けての支援・協力を要請し、被害拡大の防止や早期立ち直りに尽力した。また、社会的責任遂行の視点から、被害地域の遺児育英資金として「もも・かき育英会」に1000万円の寄付をした。

一方、経営環境が激変していく中で印刷産業が現在直面する課題を整理し、これからの10年に印刷産業が果たしていくべき役割と進むべき方向性を明示した印刷産業将来ビジョン「SMATRIX2020」を発表。会員各企業の成長に大きく寄与する内容となった。
このほか上海で開かれた中国印刷フォーラムで、環境対応や大震災からの復興への印刷産業の取組みなどについて講演し、日本の印刷産業の誠実な経営と力強さに対して称賛を集めた。

 

 

森澤嘉昭氏

森澤嘉昭氏

森澤氏は、社業はもとより多くの印刷業界団体の要職を歴任し、印刷技術動向の分析、人材の育成、資機材の研究開発など、永年にわたり印刷産業の基盤強化に尽力した。先見性のある積極的な活動は卓抜したアイデアともあいまって、わが国印刷産業の振興発展に多大な功績を残した。

社業においては、印刷文字と組版技術を核として、常にコンピューター時代を先取りする開発事業を推進してきた。昭和55年発表の第三世代CRT写植システムは、かつてない廉価で高性能な電算写植として高く評価され、急速に全国の中小印刷企業に導入された。さらに昭和62年、米国アドビシステムズ社が開発した新技術の将来性を見極め、同社と「日本語ポストスクリプトフォント」の開発契約を締結、これが現在の日本語DTPシステムの幕開けとなった。自社書体を一般社会へも開放し広げた決断は「フォント開放」と呼ばれる画期的なもので、その後も印刷業界の要請に応えて開発努力を続け、今日のDTP環境の発展に極めて大きな貢献をした。昭和57年以来業界団体の要職を歴任、中小印刷業界の指導に尽力し、印刷産業界の振興発展に多大な貢献を果たした。

 

印刷功労賞(14氏)

▽有松敏樹(印刷工業会理事、アート印刷(株)代表取締役社長)
▽永井直裕(印刷工業会副会長、永井印刷工業(株)代表取締役社長)
▽服部克彦(印刷工業会理事、瀬味証券印刷(株)代表取締役社長)
▽工藤久志(全印工連元参与、(株)明祥代表取締役会長)
▽日比野信也(全印工連元参与、日生印刷(株)代表取締役社長)
▽四橋英児(全印工連常務理事、ヨツハシ(株)代表取締役社長)
▽小谷達雄(フォーム工連副会長、(株)イセトー代表取締役会長)
▽安武史朗(ジャグラ前副会長、(株)アクセス相談役)
▽大熊茂樹(全日本製本専務理事、(株)大熊製本代表取締役)
▽小林博美(GCJ常務理事、(株)二葉写真製版会長)
▽三浦順治(全日本シール元副会長、(有)三浦マーク代表取締役)
▽金谷益孝(全国グラビア副会長、彫刻グラビヤ札幌(株)代表取締役社長)
▽河合正(愛知県スクリーン・デジタル印刷協同組合副理事長、大和グランド(株)取締役会長)
▽大島一夫(全日本光沢専務理事、太陽樹脂工業(株)代表取締役)

 

印刷振興賞22氏)

▽小貫敬一(印刷工業会紙器印刷部会副幹事長、ビーエフ&パッケージ(株)常務取締役)
▽小野忠朝(宝印刷(株)執行役員)
▽永井一民(大日本印刷(株)研修部印刷研修センター長)
▽久野政道(印刷工業会資材部会長、共同印刷(株)資材部長)
▽山本誠(草加紙パック(株)製造部長代理)
▽渡部俊行(全印工連元理事、松栄印刷(株)代表取締役)
▽緒方光治(全印工連元理事、(資)緒方印刷所代表社員)
▽田中國睦(全印工連元理事、大日本法令印刷(株)代表取締役会長)
▽片岡孝元(全印工連元理事、(有)片岡印刷所取締役)
▽新井正敏(全印工連理事、(株)アサヒコミュニケーションズ代表取締役会長)
▽佐久間信幸(前東北フォーム印刷工業会会長、(株)日進堂印刷所代表取締役社長)
▽太田真義(中四国フォーム印刷工業会会長、セイコービジネス(株)専務取締役)
▽鈴木茂樹(フォーム工連前個人情報保護法研究会契約書雛形策定分科会座長、トッパン・フォームズ(株)総務本部CSR推進部担当部長)
▽菅野潔(ジャグラ理事、(株)興栄社代表取締役)
▽大内靖(ジャグラ前理事、(株)グラフィカ大内代表取締役)
▽中山正敏(全日本製本理事、共同紙工(株)代表取締役)
▽松本峰包(全日本製本理事、松本製本(株)代表取締役)
▽杉渕好美(GCJ副会長、(株)プロセスレボ代表取締役社長)
▽田中幸晴(全日本シール常務理事、(株)田中美術印刷代表取締役)
▽弓矢泰(富士機械工業(株)顧問委員)
▽内藤正和(スクリーン・デジタル理事、内藤プロセス(株)代表取締役
▽長谷川重則(全日本光沢理事、日本樹脂工業(株)相談役)

 

特別賞(個人1、団体3)

▽全日本印刷工業組合連合会・「CSR事業への取り組み」
▽広島県印刷工業組合(福山支部)・「東日本大震災支援事業 笑顔のうちわ・カレンダーの寄贈」
▽山口県印刷工業組合(青年部)・「MUD点字カレンダーの寄贈」
▽堀洸太(第43回技能五輪国際大会日本代表選手、(株)トッパンコミュニケーションプロダクツ)

 

■   ■   ■

第14回印刷産業環境優良工場表彰では、経済産業大臣賞に(株)笠間製本印刷(石川県白山市、田上裕之社長)が選ばれた。経済産業省商務情報政策局長賞には一般部門で(株)光邦新座工場(埼玉県新座市、前田隆一郎社長)、小規模事業所振興部門で池田印刷(株)京浜島工場(東京都大田区、池田幸寛社長)の2工場が選ばれたほか、日本印刷産業連合会会長賞に5工場(一般3、小規模2)、日印産連特別賞に2工場(小規模のみ)、日印産連奨励賞に11工場(一般8、小規模3)が選ばれた。

 

 

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