2015年08月21日

川田社長(右)と沖津会長

川田社長(左)と沖津会長

 図書印刷㈱は8月20日午前11時から東京・東十条の同社で記者懇談会を開き、川田和照社長が平成28年3月期第1四半期の業績、今年度の経営方針などを説明した。
 同期の同社グループの業績は、売上高121億9千6百万円(前年同期比0・1%減)、営業損失5億3千7百万円(前年同期は営業損失5億1千9百万円)、経常損失は6千4百万円(前年同期は経常損失2億3千2百万円)、同期純損失は1億2千8百万円(前年同期は純損失2億4千3百万円)となった。同期間において受取配当金4億5千3百万円を営業外収益として計上している。
 沖津仁彦会長、高坂範之専務、矢野誠之・宮川典久常務、藤野俊二・稲川好昭取締役らが同席し、質疑に応えた。

 

 川田社長は業績・経営方針について次のように述べた。

 

 依然厳しい発注量

 
 政府の発表によると、2015年4月から6月の第1四半期は上場企業の約7割が経常増益ということで、インバウンドを含む消費回復、円安、原油安などの効果があって前年よりよかった企業がかなりあった。
 そうしたなかで印刷業界は、発注量については引き続き厳しい環境が続いている。用紙をはじめとする印刷資材の値上げなどもあり、弊社においてもさらなるコスト低減が必要になる。
 出版印刷、商業印刷、出版事業ともに計画に対して苦戦している部門が多い。
 

カタログ、パンフ、DMはプラスに チラシは苦戦

 
 商印部門については、カタログ、パンフレット、DMなどがプラスしたが、チラシは若干減少した。前年から6%強の売上増で終了した。
出版印刷部門は昨年度から組版への取り組みと、電子書籍対応の効果があって、単行本、学参関係が微増した。しかし、主力の雑誌、コミックス、絵本などが総体的にマイナスして出版の印刷部門では微減で終了した。
 学校図書をはじめとする出版事業では、教科書の販売部数が減少し、減収で終わった。
そうしたことから、第1四半期は、連結売上高121億9千6百万円で前年同期比0・1%マイナスとなった。連結営業利益は5億3千7百万円の赤字となった。対前年から1千8百万円のマイナスとなった。経常利益は6千4百万円の赤字で前年に比べると1億6千8百万円プラスしたが、保有株式の配当金の増であった。

 

 最重点は売上拡大

 

 後半期ならびに今年度の経営方針は、「売上拡大」「総合品質保証」「収益基盤強化」「人財育成」という4つの方針を変えずに進めていく。それに加えて今年度から将来の収益の柱となる新しいビジネスを考え、模索していきたい。
 4つの基本方針のうちとくに今年、売上の拡大は最重要の課題として取り組む。

 

 現在すすめているBPO業務、各種代理店業務、出版コンテンツホルダーと一般企業への橋渡しをはじめとする印刷周辺領域への横への受注拡大策ならびに組版、デジタルコンテンツ作成支援から各種アッセンブリ、物流代行業務まで請け負う、川上から川下への一括受注営業をさらに展開する。
 不振なペーパーメディアであるが、当社においてはまだシェア拡大の余地がある。

 
 売上拡大のため、当社の特徴である顧客密着型営業を一層推進して顧客のリクエストにスピーディーに対応することを強く推し進めていく。
 そのために神田オフィスの大幅な拡充を図る。そこにプリプレス機能を導入して営業の活動時間の効率化、顧客サービスのさらなる向上をめざす。
 本社ではデジタル印刷機を集約してPOPなどのダミー作成機能をもたせ営業支援センターの設立を検討している。
 これによりバリアブル作業と顧客の提案活動時間の短縮を図る。

 
 小ロット、短納期、高品質という市場ニーズに合わせて9月稼働で川越工場に菊全判4色UV機(ドイツ製)、5色UV機(同)、沼津工場には四六全判の5色のUV機(国産)、四六全判の両面2色機(同)を導入し、作業効率の向上と営業の競争力向上に役立てたい。
 

ISO9001導入に着手

 
 総合品質保証については、各部門においてISO9001の導入準備を今年度からスタートする。これにより品質保証面、営業の受注支援を図る。
 沼津工場は、マルチタスクが可能な総合印刷工場として稼働しているが、顧客へのアピールをかねて今年度からリニューアル工事をすすめる。
 各工場とも5Sの再徹底を図り、工場従業員の品質に対する意識のさらなる向上と日々の効率的な製造体制を整える。

 

多能工化をすすめる

 
 収益基盤の強化については、当社においては売上原価率の高止まりが続いており、さらなるコスト低減が必要になる。工場内のセクションにとらわれない多能工化の推進により、人材の流動化と効率的な活用をすすめる。そのための制度も順次整える。

 
 人財育成面では、将来の会社の柱になる人材を育成するため、全社的に教育システムを再度見直して、各職場に最適な教育プログラムを再構築する。
 今年度はとくに営業部門についてはよりマーケットに即した資格習得、研修プログラム、研修勉強会を新たに導入し、営業力強化につとめる。

 
 新規ビジネスについては、4月から新ビジネス推進室を立ち上げた。既存の事業領域にはとらわれず、収益の柱となる事業の検討を始めている。今年度中に何らかの方向性を出してスタートしたい。

 

 

PAGE TOP