2023年11月02日

堆副会長

堆副会長

表彰状を受取る六三印刷・島村社長

表彰状を受取る六三印刷・島村社長

小山GPPR大使

小山GPPR大使

津田氏

津田氏

(一社)日本印刷産業連合会(北島義斎会長)は10月18日、DNP左内町ビル・ホールにおいて、2023 グリーンプリンティング(GP)環境大賞等表彰式並びに、「印刷と私」トークショーを開催した。
冒頭、堆誠一郎副会長が「GP認定制度の普及は、近年世界の共通目標ともいえるSDGs実現に寄与するものであると確信している。私たち日印産連はこうした取り組みによって、地球環境への負荷低減をさらに推進する」とあいさつした。
表彰式ではGP 環境大賞、GP マーク普及大賞、GP 資機材環境大賞の受賞者が表彰された。
受賞者の代表謝辞が次の3氏からあった。

 

●日本航空㈱商品・サービス開発部・岩本正治部長「皆さんは飛行機内の印刷物というと何を思い浮かべるか。一番目に付くのは機内誌だと思うが、残念ながら機内誌はGPマークの認証基準をクリアしていない。今後の宿題としてGPマークを入れられるように努力していきたい。飛行機に搭乗した際は機内誌を手に取って、GPマークが印刷されていたら、この宿題が有言実行されたと思ってほしい」

 

●六三印刷㈱・島村信彦社長「GP認証制度ができたとき、これで差別化ができるなとまず思った。取得すれば競合したとき、これが武器になるということが主で、当初はGPを業務発展のための道具としてしか考えていなかった。しかしGPを知るにつれ考え方が変わった。例を二つ挙げる。
一つは親しいクライアントの社長からこう言われたことだ。『ウチにメチャクチャ強烈なペーパーレス推進論者のお客さんがいるんだよ。DMが来ればメールで十分だ!カタログを見せると何でこんなものを作るんだ!電子カタログで十分だ!』といつも怒られるそうだ。『こういう人が増えて印刷業界は大変だね』と言ってもらったが、その後に、『ただね、GPマークが付いたパンフレットを見せたら、その人は怒らなかった。最後に、まあいいんじゃねえか、と言われた。ビックリしたよ』と。その話を聞いたときにGPというのは、ペーパーレス信奉者からも共感を得られるものなのだと知った。
二つ目は、GPは社員の一体感を生むということだ。例えば『あの仕事であの紙を使うとGPマークを付けられないから、似たような紙でGPマークを付けられる紙があるが、変えていいか?』『うっかりしていた。悪いけど紙を変更してGPを付けてくれよ。連絡ありがとう』と。こういう会話が弊社では頻繁にある。
売上げ・利益等に関して社員は、自分の待遇・給料に直結するので一体感はでるが、それは内向きのものである。GPは社員が誇りと自信をもって、提供しているものなので、このGPを推進することによって、どれだけ社会に貢献しているかということを知り、誇りに思う。GPは明らかに社員の一体感を生む。すばらしいことだ。
当初私は、GPマークを単なるビジネスの道具として推進しようとしていたが、今は純粋に商売抜きでGPを世の中に広めている」

 

●富士フイルムグラフィックソリューションズ㈱(FFGS)・山田周一郎社長「今回受賞対象となった機材であるが、最近の印刷物の小ロット・多品種化が進んでいる中で、デジタルプリンティングはこれに適しているので、紹介したり製品開発している。今回の受賞を新しい起点として、これまで以上にお客様とのコミュニケーションを大切にすると同時に、品質の安定性・環境性を高いレベルで実現できる製品や、サービスを提供する」
表彰式最後に小山薫堂GPPR大使があいさつした。「私のラジオ番組でGPマークの枠を設けて、ゲストを迎えて話をした。リスナーが印刷の話を興味を持って聴いてくれるか不安だったが、予想以上に大きな反響があった。
大阪万博担当大臣と話をした。二人で意見が一致したのは、万博というのは何かの気付きになるべきであろうということだ。日々の行動変容を変えるきっかけになるべきじゃないか。新しいものをみせるだけではなく、今あるものを変えるきっかけになればいい、という話をした。
GP環境大賞は、使っているクライアントと、それを提供している事業者と、さらにその事業者に資機材を提供している皆さんと、3つの立場を同時に表彰する。環境について考えるこんな賞はなかなかない。印刷を軸にして人々が心を一つにする、そういう意味で価値のある賞である」

 

小山氏がホストを務めるトークショーでは、書籍『デザインのひきだし』の津田淳子編集長をゲストに迎えた。初の試みとして、小山氏がDJをしているFMヨコハマのラジオ番組『FUTURESCAPE』のリスナーと、『デザインのひきだし』の読者を招待した。一般の人を招待したのは初の試み。
小山氏の自由にできるとしたら何がつくりたいか?という質問に、津田氏は「一番つくりたいのは、お札。あれほどの技術の結晶はない。次に発行される日本のお札を早く見たいし、世界中のお札をコレクションしている。お札をルーペで見ながらいつかお札を作ってみたいと思っている」と答えるなど、ユーモアとウィットとあふれる印刷知識で会場は盛り上がった。
トークショー半ば、東京イラストレーターズ・ソサエティの小池アミイゴ理事長も登壇し、トークに参加した。
質疑応答のコーナーがないのが残念であったが、大いに楽しめたトークショーだった。

 

●受賞者(五十音順)
【GP 環境大賞】
2023GP 環境大賞ゴールドプライズ(本年度該当なし)
<一般印刷の部>
2023GP 環境大賞/あいおいニッセイ同和損害保険㈱、東武鉄道㈱、日本航空㈱
2023GP 環境準大賞/社会福祉法人恩賜財団済生会、㈱ジェイアール東日本企画、全国間税会総連合会、㈱ポスティングセンター沖縄、HOYA㈱アイケアカンパニー
<パッケージ印刷の部>
2023GP 環境大賞/㈱あわしま堂
2023GP 環境準大賞/国分グループ本社㈱、竹下製菓㈱
2023GP 環境大賞特別賞/プレミアアンチエイジング㈱
【GP マーク普及大賞】
2023GP マーク普及大賞ゴールドプライズ/NTT 印刷㈱、六三印刷㈱
<オフセット印刷部門>
2023GP マーク普及大賞/㈱笠間製本印刷、㈱文伸、丸正印刷㈱
2023GP マーク普及準大賞/あさひ高速印刷㈱、伊藤印刷㈱、岩岡印刷工業㈱、㈱大川印刷、精英堂印刷㈱、㈱太陽堂印刷所
<グラビア・シール・スクリーン印刷部門>
2023GP マーク普及大賞/㈱北四国グラビア印刷
2023GP マーク普及準大賞/㈱巧芸社
<製本・表面加工部門>
2023GP マーク普及大賞/TAD クロスメディア㈱
2023GP マーク普及大賞特別賞(本年度該当なし)
【GP 資機材環境大賞】
<資材部門>
2023GP 資機材環境大賞/ウエノ㈱
<機材部門>
2023GP 資機材環境大賞/FFGS㈱

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