凸版印刷のグループ会社であるONE COMPATHが運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」は、全国の男女5272人を対象として、2023年8月21日から8月23日に「チラシの利用に関する意識調査」を実施した。新聞折込チラシが少なくなっている今、シニア層を含めた各世代で店のアプリでチラシを確認する機会が増えている。また、若年層では「カゴの中」や「Google検索」でもチラシを意識的に見ている。世代別にレシピを考えるタイミングと買い物のタイミングが異なることもわかった。

ONE COMPATH『Shufoo!』調べ
調べによると、「直近1年間の買い物の際に情報収集に利用したもの(Shufoo!等の電子チラシに特化したサービス以外)」のトップは「新聞折込チラシ」(29・3%)であった。「新聞折込チラシ」について世代別に見ると、シニア層では37・2%であったが、若年層では17・9%と2倍以上の差がある。自宅で新聞を購読する人が減少している中、若い世代では新聞の折込チラシを情報収集に使う機会は少ないようだ。
2位は「お店のアプリ」(26・2%)であった。店舗の情報やチラシ情報のほか、クーポンやポイントカード機能など、小売流通各社が提供しており、各世代とも4人に1人が使っている。
全体平均より若年層が比率の高い項目を見ると、「お店からのLINE情報」(全体10・3%、若年層11・1%)、「お店の公式SNS」(全体4・0%、若年層8・6%)、「動画サイト」(全体2・4%、若年層3・9%)、「SNSでの口コミ」(全体1・7%、若年層4・2%)と、SNSを通じたお店からの情報発信や口コミを活用している。
折込以外に手段広がる 店舗入り口・かごの中 若年層ではGoogle検索結果も

ONE COMPATH『Shufoo!』調べ
かつては新聞折込やポストに投函される「チラシ」が主流であったが、今ではホームページやアプリ、店舗のデジタルサイネージでも確認できる。
「shufoo!等の電子チラシに特化したサービス以外で『意識的に見る・手に取る』チラシ」の全体トップは「新聞の折込チラシ」(28・1%)という結果であった。
2位の「お店のアプリ」(23・5%)では、シニア層でも4人に1人以上(25・5%)となり、前問の「買い物の際に情報収集に利用したもの」の結果と似ている。
3位は「店舗の入り口付近」(17 ・1%)であった。また、「かご・買い物カートの中」(全体8・7%)に入っているチラシを意識的に見る人もいる。新聞やポスティングなどでチラシを配れない客に対しては、店舗入口やかごの中にチラシがあることで、販促効果を発揮するようだ。
若年層では「Googleの検索結果」(14・7%)を上げている人もいる。例えば「近くのスーパー チラシ」などで検索するとヒットするチラシ情報を見る人も一定数いることがわかる。また、Googleで店舗を検索した際、画面右側に出てくる情報(Googleビジネスプロフィール)にチラシを掲載している店舗も増えてきている。新聞折込チラシが見られる機会が少なくなった今、店舗の入り口やかごの中、Google検索結果など、配布場所や形を変えて利用していることがわかる。
見る理由は「安い商品を買いたい」 若年層は「暇つぶし」の割合が高い
「チラシ(紙・電子)を見る理由」のトップは「安い商品を買いたいため」(78・8%)であった。「どのようなチラシが自分にとって合っているか?」の問いでもトップは「お買い得な商品が載っている」(75・7%)であった。「チラシの存在意義」がますます重要になっていると考えられる。
見る理由2位は「お店のフェア・キャンペーン情報を知りたいため」(29・6%)であった。自分に合っているチラシ5位にも「お店のキャンペーンやイベント情報が載っている」(21・2%)としてランクインしている。また、見る理由5位「クーポンがほしいため」(17・2%)、自分に合っているチラシでは3位「クーポンが載っている」(24・4%)がそれぞれランクインしている。生活者は商品以外にもフェアやキャンペーン、クーポンをなどお得な情報をチラシから受け取っているようだ。
見る理由8位には「暇つぶし」(11.6%)が入っている。若年層(10~30代)だけに絞ると14・3%の人が「暇つぶし」のためと答えている。買い物のための情報収集以外にも見ているだけでも楽しいチラシには、知らない商品や行ったことがないお店など新たな発見が詰まっている。
若年層はレシピを見て買い物に 中年・シニア層は店舗で見てレシピを考える
「日常における『食品』を購入する買い物スタイル」では、まず買い回りについては、「買い物を1か所のお店で済ませる」人が全体45・7%であった。一方で「複数店舗を買いまわる」人が全体36・0%であった。コロナ禍では衛生の観点から1か所のお店で済ませる人が増えたが、その買い物スタイルの傾向は続いているようだ。
買い物の頻度については、「足りなくなったら都度、買い物をする」が23・3%であった。一方、「週末などで『まとめ買い』をする」は僅差ながら20・8%であった。しかし、年代別に見ると、シニア層に比べ若年層や中年層で「週末などでのまとめ買い」が多い傾向にある。
レシピを考えるタイミングについては、「店舗に行き実際の商品を見ながらレシピを考える」と回答した割合が若年層(9・9%)より中年層(11・2%)とシニア層(14・0%)が高かった。
一方、「レシピを見てから必要な食材を買いに行く」は若年層が14・5%と多く、中年層とシニア層はいずれも10%を下回った。若年層はレシピを見て食材を買いに行き、中年層・シニア層は店頭で商品を見てレシピを考えていることがわかった。
Shufoo!を含む各チラシサービスでは、日常の買い物と料理は親和性が高いことから、レシピ情報機能を搭載している。
直近1年間で買い物した店はスーパー、ドラッグストア、100円ショップ
「直近1年間で買い物をした店」では「食品スーパー」(85・7%)がトップであった。食品を主に取り扱うため、日常の買い物の中心と言える。
2位は「ドラッグストア」(74・4%)。昨今では薬や日用品の他に、生鮮食品や冷凍食品を扱う店舗も増え、「スーパーマーケット化」が進んでいる。 3位は「100円ショップ」(68・4%)であった。昨今の様々なものの値上げが続く中、低価格でアイテムが揃うことから4位の「コンビニエンスストア」(67・4%)を抑えてランクインした。
年代別ではトップ5までは順位の変動はなかったが、若年層(10~30代)とシニア層(60代以上)を比較すると、「ドラッグストア」(若年層65・1%、シニア層76・1%)、「100円ショップ」(若年層59・2%、シニア層70・4%)、「大型スーパー」(若年層50・9%、シニア層61・4%)など10ポイント以上の開きがある。年代が上がるにつれ様々な種類の店舗で買い物をしていることがわかる。