はたらく人の創造性コンソーシアムが9月29日に報告会を実施し、「『創造性』で切り拓く はたらく人の未来」と題したプログレスレポートを公表した。
同コンソーシアムは、AKKODiSコンサルティング㈱、㈱イトーキ、NTT都市開発㈱、oVice㈱、㈱ザイマックス不動産総合研究所、㈱JTB、㈱竹中工務店、㈱パソナ、VISITS Technologies㈱、㈱リコーの異業種10社が参加している。
このコンソーシアムは、はたらく人の創造性を高めるための研究、研究成果の普及および創造性を高めるためのビジネス創出を目指して2023年1月に発足し、これまで10回の会合を重ねて検討を進めてきた。
このたび、コンソーシアムの提言を広く社会に伝え、今後の活動へのフィードバックを得ることを目的に、プログレスレポート報告会をハイブリッド形式で実施し、コンソーシアムのホームページでレポートを一般公開した。
このレポートでは、「創造性」について、あるドメインにおける新規かつ有用なアイデアの創出であり、製品・サービスを市場に投入して利益をあげるイノベーションの源泉となるアイデアと定義。
創造性が求められる理由を解説し、はたらく人の誰しもが創造性を発揮するための重要課題を考察している。
また、実際の働く人々の意識と取り組みの現状を把握するため、日米の働く人を対象に独自調査を実施。
「あなた自身の仕事で、創造性が高いことは重要だと思いますか」という問いに対して、「とても重要・重要・やや重要」と回答した割合が日本では61.3%にとどまったのに対し、米国では91.5%となった。
また、「アイデアを得られる物理的な環境がある」といった環境面の支援の有無や、「仕事や活動に自分の価値観が反映されている」といった仕事に対する当事者意識や動機付けの点でも日米で大きな隔たりがみられた。
それらの分析結果から、創造性に対する重要性の認識や創造性向上のための取り組みなどに関して、日米で大きな意識の差が存在することがわかった。
さらに、生成AIの革新が、短時間で大量アウトプットを生み出し、それには先入観を排除したランダムな組み合わせも含まれることで新たな発見につながるとして、人の創造性を向上させるチャンスと考察。
これらの検討を通じて、創造性支援フレームワークを考案し、以下の提言を公表した。
①私達は、もっと創造性に注目すべきである
②私達は、創造性のハードルを引き下げるべきである
③私達は、創造性を向上させる取り組みを拡大すべきである
④私達は、AIを創造性の向上に向けたチャンスと捉えるべきである
このコンソーシアムでは、提言を具体化して実現可能なものとすべく、さらに議論を深めていく。
「はたらく人の創造性を直接高めること」に焦点を当て、共同研究や研究成果を広く社会に公表し、社会からのフィードバックを反映しながら、創造性を高めるためのビジネス創出の検討などの活動を引き続き行っていく。