2023年09月16日

 電通が9月13日に発表した「AIに関する生活者意識調査」によると、AIには「無駄・非効率な業務が減ること」が最も期待されていることがわかった。調査は、国内電通グループ横断でAIに関するプロジェクトを推進する「AI MIRAI」のもと、2023年6月14日から6月21日までの期間に全国15~69歳の生活者3000人を対象に行われた。調査は、AIに関する認知・期待・不安などの傾向を把握し、AIの普及と関連ビジネスの発展に貢献することを目的に実施された。
 

 主な調査結果は次のとおり。
 
 ①生活者は、AIに「無駄・非効率な業務が減ること」を最も期待している。特に男性15~19歳は、他の世代と比べてAIに対する期待が高い
 ②AIに任せてもよい業務は、「翻訳」「ルーティンワーク・単純作業」「組み立て作業」。一方、人間が行った方がよい業務は、「医療処置」「医療診断」「経営などの意思決定」である
 ③AIが生成したものには、「信頼できる発信元の表記」や「AIによる生成物であることの表記」を義務付けるべきと考える人が半数以上いる
 ④一般企業従事者の約7割がAIの導入を検討しており、人手不足対策を目的とした半年以内の導入意向は約3割である⑤従業員数300人以上の企業では、300人未満の企業に比べて、AIは「業務効率化につながる」「積極的に活用すべき」と考える人が多い。
 

 調査結果を詳しくみてみよう。
 
 ①生活者のAIへの期待は、「無駄・非効率な業務が減ること」(26・4%)が最も高い。以降は、「AIにより産業・技術革新が進むこと」(20・5%)、「社会課題(環境問題、医療問題、災害対策、交通渋滞、人口問題など)の解決につながること」(17・8%)、「必要な情報を収集してくれること」(17・2%)、「言語の壁を越えいろいろな情報や人とコミュニケーションがとれること」(17・1%)と続く。性年代別では、男性10代(15~19歳)が、各項目で全体平均(15~69歳の男女)を上回った。
 

 ②AIによる業務の代替が進むと想定したとき、AIに任せてもよいと思う業務は、「翻訳」(42・4%)、「ルーティンワーク・単純作業」(37・7%)、「組み立て作業」(36・3%)などが多い。一方で、AIに任せず、人間がやった方がよいと思う業務は、「医療処置」(40・7%)、「医療診断」(36・7%)、「経営などの意思決定」(30・6%)などが多い。
 

 ③AIの活用に関して、「AIが生成したものには、信頼できる発信元からの情報によって生成されたものであることが分かるような表記を義務付けるべきである」(54・9%)、「AIが生成したものには、そのことが分かるような表記を義務付けるべきである」(54・8%)と考える人が半数を超えた。
 

 ④一般企業従事者がAI導入(「導入した方がよいと思わない」を除く、「今すぐ」から「それより先の時期」の合計)を考える目的は、「人手不足対策」(73・0%)が最も高く、「コスト対策」(70・1%)、「ビジネスチャンス」(66・6%)と続き、いずれの項目においても約7割に。
 AIの導入時期は、最も意向が高かった「人手不足対策としての導入」(73・0%)では、「今すぐ」(8%)から「半年以内」(5・8%)までの合計が約3割(32・7%)となった。
 

 ⑤従業員数300人以上の企業は、300人未満の企業に比べ、「自社におけるAI導入は、コストというよりも業務効率化や人員対策につながる方が大きいと思う」(従業員数300人以上:51・6%、従業員数300人未満:43・4%)、「AIを活用することで業務効率の向上につながるため、自社業務においても積極的に活用すべきである」(従業員数300人以上:49・5%、従業員数300人未満:37・4%)と考える人が多い。
 
 

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