一般社団法人日本WPA(=日本水なし印刷協会:奥継雄会長)は、2009年2月から同会が開始している印刷物製作時に排出する二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにするカーボンオフセット事業において、事業開始からの総オフセット量が今年7月で9000㌧に到達したと発表した。
直近でのカーボンオフセット量は年間1000㌧を超えており(前年度比1.8倍)、カーボンオフセットに参加する同会の会員数も急増している。
カーボンオフセットを採用した印刷物を直近のオフセット量1000㌧で分類すると、一般的には印刷物でのカーボンオフセットを採用するのは企業・団体のIR関連の印刷物が多数だと想像されるが、実際には企業・団体の日常活動に関するPR関連印刷物が件数では38%/オフセット量で33%を占め、もっとも多い印刷物分野となっている。
IR関連は件数で27%/オフセット量で30%と2番目に大きな比率となる。
この傾向はオフセット量が7000㌧を超えた段階から続いており、印刷物でのカーボンオフセットの採用が普及してきていることが見て取れる。
そのほか、行政関連、教育関連、定期刊行物、社内報や社用封筒などの事務用品などにも採用されており、また新しくカーボンオフセットが採用されている印刷分野としてパッケージやラベルなどの包装用途が挙げられる。
印刷物製作時に排出するCO2量は、同会が提供するソフト「PGG:Printing Goes Green」で算出される。
「PGG」は、ライフサイクルアセスメント(LCA)の概念に基づき、印刷物製作時の原料(紙、インキなど)調達から廃棄・リサイクルの全工程で排出するCO2を計算できるソフトで、同会会員に無償で提供されている。