(社)日本WPA(奥継雄会長)は、6月23日午後3時半から東京・天空橋の羽田イノベーションセンターで第13期定期総会を開き、第13期活動報告・収支決算報告・監査報告、第14期事業活動計画・予算案、理事の一部改選の件を審議し、いずれも原案どおり承認した。新年度、一般消費者(クライアント)への「水なし印刷」「日本WPA」の浸透を活動の基本方針とし、脱炭素社会の実現に貢献するため、カーボンオフセットを活用したカーボンニュートラル印刷の拡大を目指す。総会に先立ち文星閣の工場見学(東京都大田区昭和島1の5の32)を実施した。同社は、2019(平成31)年4月に昭和島に新工場を建設し、68胴の印刷機で24時間操業している。総会後は、日本WPAの新キャッチコピーを制作したコピーライターの長井謙氏を講師に迎え、講演「コピーライターの頭の中身~『このポスター、工程まで美しい。』はどのようにして生まれたか~」を聴いた。
新キャッチコピー「このポスター、工程まで美しい。」
日本WPAは第13期、第60回宣伝会議賞に協賛し、新キャッチコピーとして「このポスター、工程まで美しい。」を協賛企業賞に選定した。新キャッチコピーのもと、水なし印刷を梃に、次なる発展を期す。水なし印刷のキャッチコピーには1万0796点の応募があった。
都道府県は独自のグリーン調達方針に、水なし印刷を採用しており、広報誌を水なし印刷で発行する自治体が増加している。熊本県菊池市の広報誌は、全国初の「水なし印刷でのカーボンオフセット」を実施してカーボンニュートラル印刷を実現した。
個別事業では次のような活動に取り組む。
1.新キャッチコピー 『このポスター、工程まで美しい。』 の普及・浸透
①キャッチコピーを生かしたビジュアルを、会員から幅広く募集し、日本WPA全体、かつ会員各社が独自の取組みを行うことを主眼とする。
②会員からのビジュアル作品に対する「応募要領」を作成し、 会員に周知する。
③応募作品は、日本WPAのホームページ内に特設ページを設けて、会員各社の作品 (動画を含む))を掲載する。
特設ページのURLは、 https://www.waterless.jp/senden/
④各社の作品の中から「最優秀賞 (仮称)」や他の数種の賞も創設し、賞金制度を設ける。 審査員長には、新キャッチコピーの制作者の長井謙氏を予定。
⑤会員各社にビジュアル作品の応募の作例
▽㈱ファビオ制作の6点のポスター
▽㈱ホクトコーポレーション制作の動画
▽工場見学会でポスターの実演印刷
⑥ビジュアル作品の応募及びコンテストは、年1回とする。キャッチコピー応募総数(1万0796点) の活用も含めて、今年度以降も継続的な普及活動を行う。
2.カーボンオフセット事業 (カーボンニュートラル印刷))の拡大を図る。
①カーボンオフセットへの参加会員数の拡大と各会員でのカーボンオフセット採用印刷の拡大を図る。現状のオフセット量は、年間1000トンであり、早期に年間2000トンを達成する。
②カーボンニュートラルは、重要な社会課題であり、水なし印刷だけではなく、水あり印刷、デジタル印刷にも採用されており、さらなる拡大を図る。
③日本の全世帯に配布される地方自治体の広報誌でのカーボンオフセットの採用(カーボンニュートラル印刷の実現)に重点的に取り組む。
3.脱炭素チャレンジカップ2024(2月開催予定)への協賛
1000以上の団体から応募から最終的に28団体のファイナリストを選び、その中から環境大臣賞などの各賞が選ばれる。日本WPAは、審査委員の一員として各賞の選定や、「日本WPA最優秀未来へのはばたき賞」を、該当団体に贈呈する。
4.会員サービスの充実
対面活動が可能になったことに合わせて、会員相互の経営、技術の向上や交流を目指した工場見学会やセミナーを開催する。
「コピーライターのアタマの中身」を聴く
総会終了後、日本WPAの新キャッチコピーを制作した「ことばやさん」を運営するコピーライターの長井謙氏を講師に迎え、「コピーライターの頭の中身~『このポスター、工程まで美しい。』はどのようにして生まれたか~」を開いた。キャッチコピーの制作の背景にある考え方や、キャッチコピーそのものへの取り組みなどを聴いた。自社のキャッチコピー制作や画像制作に携わっている聴講者にとって意義深い講演となった。
講演会の終了後、参加者の交流の場として懇親会を実施した。