2015年07月13日

吉岡新氏

ジャグラ会長 吉岡 新氏

日本グラフィックサービス工業会(ジャグラ)は常に時代の変化を見据え、会員企業の事業に資するさまざまな活動を展開してきた。60周年の節目を迎える今、ジャグラはどのように舵を取っていくのか。ジャグラの吉岡新会長に、60周年を迎えた今の気持ちと、これからのジャグラの在り方について話をきいた。

昭和57年、「電子組版」の開発に尽力

――――まずは吉岡会長とジャグラとの出会いからお聞きしたい。
吉岡 弊社(共立速記印刷㈱)が速記事業だけでなく、印刷事業にも取り組み始めたのが昭和30年代。当時はガリ版から入ったのを覚えている。
それから和文タイプライター、ゲステットナーなどを導入し、当時のジャグラ=日本謄写印刷連合会文京支部の仲間になったのは、軽オフを導入したころだった。
私自身がジャグラに大きく関わり始めたのは昭和57年、技術委員として電子組版(トータル組版システム)の開発に携わったのがきっかけだった。お声かけをいただいたのは、その数年前から弊社でワープロを導入していたこと。ワープロの導入前から、オフィスコンピューターを使った原価管理に挑戦してきたなど、業界内でも率先して取り組んできた点を評価いただいたのだと思う。
昭和59年にはその役目もひと段落したが、今度は日本印刷産業連合会に委員として派遣されることとなった。その後は自社の経営に専念していたのもあり、私自身がジャグラに顔を出すことは少なくなっていったが、落ち着いたところで、ようやくジャグラに顔を出すことが出来るようになり、今に至っている。
私も65歳。ジャグラが出来たころには5歳だったが、この60年で印刷業界や会社も大きく変わってきたと強く実感してきた。

教育を重点に新事業を展開

――吉岡会長はこれからの組合運営をどのように捉えているか。
吉岡 世の中の変化に対応していかなければならないが、そのためには「日本がどのように変わっていくか」を注視しなければならない。
私が一番心配しているのは人口の減少。母数が減るということは、今まで100必要だったものが今度は90、そのうち50で済むようになってしまうことも考えられる。
動向を注視するとともに、中小印刷会社がどのように乗り越えていくか、対応する術を考えなければならない。

――具体的に、ジャグラではどのような事業を展開しているのか。
吉岡 何事を成すにしても、まずは社員のレベルを上げなければ対応は出来ないと考えている。
そのためにも、ジャグラでは「DTPスクール」や「ジャグラBB」など、教育をひとつの重点事業として、今まで取り組んできた。
今年度から新たにはじまった「第1回ジャグラコンテストInDesign」もそのうちのひとつである。

――第1回ジャグラコンテストInDesignにはどのような狙いがあったのか。
吉岡 プリプレスにおいては、Adobe社のInDesignやPhotoshopなどを使用して作業をするが、オペレーター自身だけでなく、その上司からしても、オペレーターがどのくらいの技量を持っているのかが分からないという問題があった。
社員教育というのは常にやっていく必要がある一方で、技量が分からなければ、社員一人ひとりに対して、どんな時にどういうレベルの教育をするべきかの判断をくだすのは非常に難しい。
そこで、教育・技術委員の谷川聡氏(㈱北斗プリント社)の提案をきっかけに、宮崎真氏(㈱ニシキプリント)をプロジェクトリーダーとして、ジャグラコンテストプロジェクトチームが発足した。

――200人以上の応募があり募集を締め切ったが、会員からも注目が集まっている。
吉岡 コンテストと銘打っているが、競い合うのが目的ではなく、一番の目的は「オペレーター自身の技量を評価し、成長してもらう」ことにある。
第一次審査では、事前に数十㌻の冊子を完成見本として送付し、その後素材をサイトからダウンロードしてもらい、冊子をIndesignで組んでいただく。
そのために、採点項目を点数制にして、「どこが優れているか、何が出来ていないのか」などの点が明確にかわるような評価シートをフィードバックする予定である。
2次審査では課題に従い、東京のジャグラDTP&WebスクールでInDesignを用いた組版に、制限時間を設けたなかで制作していただく。そのなかで、優秀者は表彰し、トップオペレーター(マイスター)の称号を授与する。
企業内で活躍し、それに見合う待遇を与えてもらうだけでなく、ジャグラにおいても、次回コンテストでは問題の作成や採点もお願いしたいと考えている。

人との付き合いが財産となる

――最後にメッセージを。
吉岡 ジャグラは時代の流れに合わせ、常に変化と進化を続けてきた。ジャグラは今後も存続していくと思うが、今までは印刷技術に焦点が置かれてきたものを、これからは他分野や他業界にも視野を広げていく時代になるだろう。
ただ、今も昔も求心力となっていくのは人間同士の関係にある。会員の方には、出来るだけジャグラの事業に参加し、出来るだけ多くのメリットを感じてもらいたい。
さまざまなコンテストもそうだが、支部会や全国大会でも良い。人と付き合い、横のつながりを深めることで財産となる。そしてそれが必ず、最終的には自分自身と会社にとって良い結果として返ってくるだろう。
(日本印刷新聞5583号より一部抜粋)

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