2022年06月27日

ハイデルベルグ・ジャパン㈱(本社・東京都品川区、ヨルグ・バウアー社長)は2021年9月、国内4社目となるサブスクリプション契約を㈱アイワード(本社・北海道札幌市中央区北3条東5丁目5の91、奥山敏康社長)と締結した。

(左から)大沢副社長、バウアー社長、奥山社長

(左から)大沢副社長、バウアー社長、奥山社長

そして今年3月、菊全寸のび判両面兼用4色機「スピードマスターXL106-4-P」をアイワード石狩工場に納入し、「ハイデルベルグ・サブスクリプション契約」がスタートした。

6月22日、㈱アイワード・石狩工場で記者会見を開催し、アイワードが「ハイデルベルグ・サブスクリプション契約」をした経緯や狙い、さらにはその効果についての詳細が明かされた。

 

会見の冒頭、あいさつに立ったハイデルベルグ・ジャパンのバウアー社長は「アイワード様には、我々が提唱している完全自動運転印刷コンセプトの“Push to Stop”をいち早く理解して頂き、スマートファクトリー化への道を力強く歩んでいる。そのような先進性を持った企業に“ハイデルベルグ・サブスクリプション”を採用して頂いたことを嬉しく思う。今後も“ハイデルベルグ・サブスクリプション”を通したより強固なパートナーシップをもって、アイワード様のさらなる成功に貢献していきたい」と語った。

 

「ハイデルベルグ・サブスクリプション」は単なる月額・定額制サービスではなく、顧客ニーズ分析や顧客満足度の改善なども含めた印刷機のライフタイム・バリュー向上を継続的に目指すもの。

アイワード・石狩工場で3月から稼働している「スピードマスターXL106-4-P」

アイワード・石狩工場で3月から稼働している「スピードマスターXL106-4-P」

「ハイデルベルグ・サブスクリプション」には印刷機器だけでなく、工程全般を管理してタッチポイント削減に貢献するソフト「プリネクト」、印刷機が高いパフォーマンスを発揮するための印刷資材「Saphiraシリーズ」、故障する前に異常を感知して機械を安定稼働させる「A Step Ahead」の保守サービス、そしてユーザーの課題や悩みを解決する「コンサルティング&トレーニング」が含まれる。

 

契約期間は5年間。

導入した機械に対して月額の固定費と印刷した用紙枚数の代価を支払うシステムで、5年後に印刷機は最新のものが納入される。

そして大きなポイントとなるのは、単に印刷機を定額・分割払いで使用するだけではなく、使用状況や課題に基づいた月1回のコンサルティング会議を、契約期間を通じて行うこと。

現状分析とターゲット設定、生産現場での継続的な支援も行うことで、良質なワークフローを提供して生産性の最大化をユーザーと一緒に実現していく。

 

アイワードの枚葉印刷部門ではこれまで、両面兼用8色機「スピードマスターXL106-8-P」が2台、7色機「スピードマスターXL106-7」、両面兼用8色機「スピードマスターSM102-8-P」、両面兼用4色機「スピードマスターSM102-4-P」の計5台が稼働していた。

今回のサブスクリプション契約によって納入された両面兼用4色機「スピードマスターXL106-4-P」は、「スピードマスターSM102-8-P」および「スピードマスターSM102-4-P」との入れ替えなので、稼働する印刷機は1台/8ユニットの減少となった。

 

すべての印刷資材はアイワード・石狩工場で在庫管理されている。資材を消費する時は専用アプリでスキャンをする。そのデータがハイデルベルグアシスタントと連動しており、在庫数が一定量より少なくなると、発注作業不要で自動的に在庫が供給される。

すべての印刷資材はアイワード・石狩工場で在庫管理されている。資材を消費する時は専用アプリでスキャンをする(写真・下)。そのデータがハイデルベルグアシスタントと連動しており、在庫数が一定量より少なくなると、発注作業不要で自動的にその資材が供給される。

アイワードの奥山社長は「当社ではデジタルによる、プリプレスからポストプレスまでを通した一貫生産システムを目指すスマートファクトリー化の取り組みをしている。ハイデルベルグ・ジャパンとは48年にわたる付き合いがあり、その時々での経営課題をともに乗り越えたり、当社のシステム構築にも大きな役割を果たしてくれてきた。そして今、用紙や諸資材の価格高騰や世界情勢の不安定化という難局にあるが、引き続きハイデルベルグ・ジャパンの力を借りながらスマートファクトリー化へのステップアップしていきたい」と今回の「ハイデルベルグ・サブスクリプション契約」を締結した背景を述べた。

 

この話からもわかるとおり、アイワードが「ハイデルベルグ・サブスクリプション契約」を結んだ最大の狙いは、月額・定額制の部分ではなく毎月にわたる計60回のコンサルタンティング会議の部分にある。

たとえば、アイワード・石狩工場では「人から仕組みへ」というテーマで独自の改革活動に取り組んでいる。

その中でも枚葉印刷部門で課題となっていたのは色の変動要因で、それをオペレーター個々人のスキルではなく仕組みをもって解決しようとしてきた。

この点についても、今回のハイデルベルグ・サブスクスクリプション契約による毎月のコンサルティング会議でヒントを得て、改善活動のサイクルを加速させている。

 

DSCN7332また、印刷機の台数が5台から4台に減少したものの、年度末の繁忙期を乗り越えられている。

これも、無駄な工程をなくしてOEE(=総合設備効率)を高めたことによる成果。

それ以降も月次改善によってその値はさらに高まっており、3月と6月で比較をすると印刷前準備時間はおおよそ半減し、OEEは約1.6倍へと跳ね上がっている。

 

その効果についてアイワードの大沢眞津子副社長は、「誰がやっても同じ仕事ができるような組織へと意識改革できるか、ということがポイントとなる。生産性向上も大切だが、その枠を超えたビジネスモデルの改革、そして社員ひとりひとりの働き方も変化している。毎月のコンサルティングを通して、生産性を向上させたいという想いをオペレーター全員が持ってくれて、力を合わせて取り組んでいるのが一番大きな収穫だと思う」と語った。

 

 

 

 

 

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