2022年05月31日

セイコーエプソン㈱(本社・長野県諏訪市、小川恭範社長)の「インクジェット双方向印刷における印刷ムラ低減法の発明(特許第4635762号)」が、令和4年度全国発明表彰(主催・公益社団法人発明協会)で文部科学大臣賞を受賞した。

全国発明表彰における同社の受賞は、昨年の内閣総理大臣賞に続いて2年連続となる。

 

全国発明表彰は、日本におけるすぐれた発明・意匠を完成した者ならびに発明の実施および奨励に関して功績のあった人々を顕彰することにより、発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的に開催されるもの。

今回同社が受賞した文部科学大臣賞は、科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ顕著な実施効果を挙げている発明などを対象とする第1表彰区分において、恩賜発明賞、内閣総理大臣賞に次ぐ賞となる。

 

角谷氏

角谷氏

今回表彰の対象となった発明は、プリントヘッドを往復走査する双方向印刷を行うインクジェットプリンターにおいて、往走査と復走査の各走査でのインク吐出により形成されるドットパターンをおのおののドット分布に偏りがないように分散配置することによって、双方向印刷時の画像ざらつき発生を防止した技術が評価された。

この技術により、ホーム・ビジネス、写真、商業産業のさまざまな分野への高速・高画質印刷のインクジェットプリンターの提供を実現している。

 

受賞をした同社IJS事業部IJS開発戦略部角谷繁明氏は「栄誉ある賞を頂き光栄に思う。入社以来、インクジェットプリンターの画質向上に全身全霊で取り組んできた結果が、2003年の経済産業大臣発明賞に続く受賞という形で報われ、また画像処理技術の持つ力を多くの人にアピールできたことはこの上ない喜びとなる。このたびの受賞は、当社が多くの仲間とともに、画質では妥協しないという姿勢を貫いてきた長年の苦労が認められた結果であり、インクジェットの応用範囲が広がりをみせる中、今後もあらゆる分野で高速で高画質なプリント手段を提供できるように努めていく」と述べている。

 

本発明と従来技術におけるドット配置と印刷結果の比較例

本発明と従来技術におけるドット配置と印刷結果の比較例

本発明は、プリントヘッドを紙面上に往復走査してドットを形成するインクジェットプリンターの双方向印刷に関するもの。

双方向印刷は、高速印刷のためには必須だが、プリントヘッドの往復両走査にて形成されるドット間の位置ずれにより、印刷ムラなどの重大な画質劣化をともなう。

この位置ずれ自体は各種要因から発生するため解消は困難だった。

この発明では、往走査時に形成するドットと復走査時に形成するドットのおのおのについて、偏りがないようにドットを分散配置し、ドット分布を人が認識できないブルーノイズ特性とすることにより、位置ずれがあってもドットの偏りの発生を抑えて高速・高画質印刷を可能にしている。

 

 

 

 

 

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