2022年05月17日

大日本印刷(北島義斉社長)は5月13日午後3時から、2021年度(2022年3月期)の決算発表記者会見を開き、黒柳雅文常務が全体概況を、曽根博幸経理本部本部長が部門別の状況をそれぞれ説明した。それによると当期、DNPグループは、高い市場成長性と収益性を見込む「注力事業」として、「IoT・次世代通信」「データ流通」「モビリティ」「環境」関連のビジネスを設定し、経営資源を重点的かつ最適に配分して事業の拡大に取り組んだ。その結果、同期売上高は前期比0・7%増1兆3441億円、営業利益同34・8%増667億円、経常利益同35・6%増812億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、退職給付制度の改定をはじめ、補修対策引当金の見直しおよび投資有価証券の売却に伴う特別利益の計上もあり、同287・4%増の971億円となった。自己資本利益率(ROE)は9・1%となった。23年3月期は売上高2・7%増の1兆3800億円、営業利益670億円、経常利益815億円、親会社株主に帰属する当期純利益670億円を予定する。
部門別状況は次のとおり。

 

 

 【印刷事業】

「情報コミュニケーション部門」の情報イノベーション事業は、BPOの大型案件が減少したほか、ICカードはマイナンバーカードの需要拡大が一段落し、同事業全体で減収となった。
イメージングコミュニケーション事業は、主力の米国市場や国内において、写真の撮影・プリント用の部材とサービスの需要が大幅に回復したほか、その他の地域での事業も順調に推移し、同事業全体で増収となった。
出版関連事業は、電子書籍の販売が引き続き堅調に推移し、紙と電子の両方に対応したハイブリッド型書店「honto」の売上が増加したほか、電子図書館サービスや図書館運営業務が順調に推移した。一方、雑誌の印刷が伸び悩むなどの影響は大きく、同事業全体で減収となった。
政策関連大型BPOが昨年実績から減少したことなどにより、「情報コミュニケーション部門」部門全体の売上高は前期比3・2%減6989億円となったが、営業利益はコスト構造改革の効果もあり同43・9%増276億円となった。
「生活産業部門」のうち包装関連事業は、「DNP環境配慮パッケージング GREEN PACKAGING」の開発・販売に努めたほか、製造プロセスや業務の効率化などの構造改革が一定の成果を上げた。紙器、軟包装がわずかに減少したものの、無菌充填システムの販売増加もあり、同事業全体で増収となった。
生活空間関連事業は、住宅や自動車市場の需要回復により、住宅用内外装材や自動車内装用の加飾用フイルムなどが増加した。また、感染防止対策に有効な抗菌・抗ウイルス製品の需要も拡大し、同事業全体で増収となった。
産業用高機能材関連事業は、世界的な半導体不足による、サプライチェーンにおける一時的な減産の影響を受けたものの、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、電気自動車の世界的な需要拡大により車載向けh増加、テレワークの広がりなどによりタブレット端末やスマートフォン向け需要は堅調に推移し、同事業全体で増収となった。
「生活産業部門」部門全体の売上高は同5・2%増3870億円となった。営業利益は、産業用高機能材関連事業の拡大や、製造体制の最適化などによるコストダウンを進めたが、原材料高の影響により同2・4%減136億円となった。
「エレクトロニクス部門」のうちディスプレイ関連製品事業は、光学フイルム関連が巣ごもり消費需要の一巡による影響を受けたものの、全体では増加した。また、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクは、スマートフォン用ディスプレイ需要が堅調に推移し、同事業全体で増収となった。
電子デバイス事業は、Βや自治体などのDXの加速などによって半導体需要が拡大し、通信や車載、データセンター向けの半導体製品の製造用フォトマスクが増加した。また、半導体パッケージ用部材であるリードフレームなど各種関連製品も好調に推移し、増収となった。
「エレクトロニクス部門」全体の売上高は前期比7・1%増2110億円となり、営業利益は、同26・7%増464億円となった。

 

【飲料事業】

「飲料部門」は、コロナ禍での生活様式の変化や環境負荷低減のニーズの拡大に対応して、商品名などのラベルを付けないPETボトル飲料のオンラインおよび店頭での販売に注力した。
部門全体の売上高は、家庭内消費が主力のスーパーやウエブサイトでの販売は増加したものの、外出自粛や行動制限の影響を受けて飲食店での販売が伸び悩んだことにより、前期比3・4%減497億円となった。営業利益は、シェア拡大に向けた販売促進費の増加や原材料・資材費の高騰の影響などにより同17・8%減6億円となった。

 

 

 

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