2022年03月03日

㈱ウエマツ(本社・東京都豊島区南長崎3の34の13、福田浩志社長)では2017年5月、同社にとって初となるハイデルベルグ社製のピークパフォーマンスクラスの菊全寸のび判印刷機「スピードマスターXL106」を導入した。

それから5年弱の期間で、同社グループで計6台の「スピードマスターXL106」を導入している。

オフセット印刷の自動運転機能「Push to Stop」を搭載した同機を駆使し、これまでと比較すると異次元となるほどの高い生産効率を達成している。

その導入効果と、2021年12月に6台目として導入した菊全寸のび判両面兼用4色印刷機「スピードマスターXL106-4-P」の稼働状況を披露する記者発表会を、2月28日、埼玉・戸田の同社戸田工場で開催した。

 

福田社長(左)とバウアー社長

福田社長(左)とバウアー社長

会の中であいさつに立った、ハイデルベルグ・ジャパン㈱(本社・東京都品川区)のヨルグ・バウアー社長は、「昨年末に納入させて頂いた“スピードマスターXL106-4-P”が、日々の仕事において最高速度で稼働していることを確認でき、とても嬉しく思う。ウエマツ様にはグループ会社も含めて、ここ5年弱で6台・37ユニットの“スピードマスターXL106”を導入して頂いている。ウエマツ様では生産性向上やパラダイムシフトの実行という観点から、積極的にデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいて、その一環として我々が提供するソリューションの価値を理解して頂いて、“スピードマスターXL”を主力機としてサステナブルな経営に活用して頂いている。このことは我々にとって大きな誇りであり、今後も引き続いて、ウエマツ様が成功を遂げてもらえるように強力なサポートをしていく」と述べた。

 

ウエマツは、グループ全体で28台の印刷機が稼働し、同社戸田工場では18台・133胴が稼働する、国内有数の枚葉オフセット印刷の専門印刷会社。

受注のすべてが同業者からの下請けという特化したビジネスモデルを採っている。

仕事の内容として多くを占めるのが、同業者が嫌がるような手間がかかるもの、難易度が高いもの、納期が短いものとなることから、保有する印刷機のほとんどが特色にも対応できる5~6色機や短納期に対応する8~10色の両面機となる。

同社が立て続けに「スピードマスターXL」を導入した背景もこのような特殊な仕事内容にあり、通常ならば手間がかかったり難しい仕事であっても効率良く生産できる体制を整えるためだ。

 

グループ会社のスマートグラフィックスで稼働する両面兼用8色機「スピードマスターXL106-8-P」

グループ会社のスマートグラフィックスで稼働する両面兼用8色機「スピードマスターXL106-8-P」

その経緯について福田社長は「当社では生産性向上に関して本格的に取り組むために2014年、ハイデルベルグ・ジャパンに“世界一稼働率が高い機械を参考にするために見に行きたい”と相談した。そこで紹介された英国のESP社という印刷会社では、印刷機が2台しかないのだが、当時18台あった当社と同じくらいの生産量を実現していた。もちろん、ESP社では標準印刷のみで、当社は持ち込まれる原稿に合わせて色合わせをするといった運用条件などの違いもあるが、それでも生産性は当社の4倍以上だった。そこで、その刷り出しの早さ、準備時間の短さなどの見習い、生産性の飛躍的向上を目指した“異次元プロジェクト”を立ち上げた」と語る。

その異次元プロジェクトの軸となるソリューションが、「スピードマスターXL」と自動運転機能「Push to Stop」となる。

 

同社では近年、受注件数自体は右肩上がりで増加をしているが、1ジョブあたりの通し枚数は少なくなっており、その減少分は受注件数の伸び率を大きく上回るペースになっているという。

だからこそ、このような状況にマッチした印刷機として、準備時間短縮と自動化が図れるものを選択した。

日本の印刷会社のOEE(総合設備効率:平均稼働速度と損紙率と純稼働時間の3項目のパーセンテージを掛け合わせた数値)は、すぐれたケースであっても30%に届いていることはほぼない。

特色印刷が多い同社の場合は、印刷機の非稼働時間が長くなるインキ替え作業が多いため、「スピードマスターXL」導入前のOEEは20%程度だった。

それが今では、30%台後半~40%程という異次元な生産効率向上を果たしている。

 

同社では稼働する18台の印刷機の生産量や稼働率などを常時把握・分析しており、それを通して「スピードマスターXL」の生産性が著しく高いという結果が得られている。

それを踏まえ、短期間で立て続けに「スピードマスターXL」を導入してきた。

 

2021年12月に導入した両面兼用4色機「スピードマスターXL106-4-P 2020ジェネレーション」

2021年12月に導入した両面兼用4色機「スピードマスターXL106-4-P 2020ジェネレーション」

直近となる2021年12月に導入した両面兼用4色機の「スピードマスターXL106-4-P」については、「導入の決め手となった機能は、自動で色と見当を合わせてくれる“プリネクトインプレスコントロール3”だ。また、インキユニットの洗浄やプレート交換、ブランケット洗浄を同時処理する“ハイカラーマルチドライブ”は、特色印刷のジョブ替えでも準備時間短縮に大きな効果を果たしてくれる。さらに、本刷り中でも使っていないユニットのインキ交換ができる機能も搭載されている点も大きな価値がある」と福田社長は語る。

同社では近時、特色での表1色/裏1色もしくは表2色/裏2色のページ物・台数物の仕事が急増していることから、同機をこの新ジャンルの仕事でフル活用する方針。

特色の色替え時間の極小化が図れることに加え、たとえば表1色/裏1色の台数物の仕事では、最初のジョブを1・3胴目で行い、次ジョブを2・4胴目で行う設定にして、かつ自動運転機能「Push to Stop」も活用すると、ほぼ連続して本刷りができるようになる。

 

 

 

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