2021年12月02日

ここでは読者からお寄せ頂いた、印刷業界を取り巻く状況についての声・意見を掲載します。

 

現在の商慣習では特色の印刷は採算が合わない!

 

特色印刷の採算性が合わなくなりがちな理由

現在、日本国内で稼働する印刷機は、オフ輪は4×4色機、枚葉機は4色機または4×4色機がその多くを占めるため、1色・2色・3色の印刷物を製作する場合、多くの空き胴ができてしまいます。

印刷機を導入するにはとても高額な投資を要すため、その投資額を回収するためには1件1件の仕事できちんと投資額分を回収するだけの対価を受け取らなければならず、そのためには設備稼働効率を高めなければ会社の存亡にも関わります。

 

特色インキは高額

一般的なカラーインキの価格に対し、特色インキは安価なものでも2倍、高いものになるとその価格は5倍にものぼります。

インキ会社の営業マンが印刷会社へ色見本を取りに行き、その特色インキができあがるとその印刷会社に届けなければなりません。

そして、そこで色が合わなかったら2度3度と往復しなければならなりません。

このように手間とコストがかかるため、特色インキの価格は高くなってしまいます。

 

製造するインキの量を判断することが難しい

また、印刷するものの絵柄を見て、それと印刷数量とを勘案しながら、その特色インキを作る量の判断をしなければなりません。

その発注に際し、刷了まであと少しのところで特色インキを使い切ってしまうような事態になると大変なことになってしまうので、そのような事態が起こらないようにするために多めに発注することになります。

すると、特色インキは必ず余ることになります。その余った特色インキを廃棄するために、廃棄料を支払わなければなりません。

 

何度も印刷機の胴を洗浄する必要がある

特色インキを使った仕事をする際には、その前の仕事で使ったインキ胴を洗浄し、新たに特色インキを入れ、その仕事が終わるとまた洗浄しなくてはなりません。

その時間は1胴あたり1時間は要し、それが2色・3色と特色を使用することになると、その仕事前後で3時間は要することになります。

その間に印刷機から生み出される印刷物は「0」であり、高額な投資をして設備した印刷機をただ遊ばせるだけとなってしまいます。

 

ネット印刷が安価なのは4色カラーだから

安価な価格設定をしているネット印刷会社などでは、4色カラーの仕事のみを受注し、かつ使用する用紙も2~3種に絞っていることから無駄が「0」に近いからこそ、あのような価格体系が実現できているのだと思います。

 

適正な特色印刷の価格とは?

それでは、特色印刷の価格がいくらならば採算が合うのでしょう?

私見では、4色カラー印刷の3~5倍の料金設定にしなければ採算が合わないと判断します。

インキ・刷版・副資材など、あらゆるものの価格が上昇しています。

印刷業界全体で受注価格・とくに特色印刷の価格設定を見直す時期がきていると思います。

 

 

 

 

 

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