2021年11月17日

SOPTECとうほく2021の主催者企画セミナーの1つとして、11月10日に「水なし印刷とSDGs、働き方改革についての取り組み」を演題としたパネルディスカッションが行われた。

このパネルディスカッションでは、㈱サンエー印刷の吉川昭二常務執行役員が司会を務め、パネリストにキング印刷㈱の伊東邦彦社長、今野印刷㈱の橋浦隆一社長、精英堂印刷㈱の井上吉昭社長の3氏を迎えて意見交換をした。

 

キング印刷の伊東社長は、「東日本大震災を契機に15台の印刷機を廃棄して、5台の印刷機の新設。その全台でLED-UV印刷化に挑戦し、再出発をした。3年以内の経験しかないオペレーターの“人の力”を結集し、震災からのダメージを乗り越えることができた。新たなことにチャレンジすることのひとつとして、水なしLED-UV印刷に挑戦した 。水なしLED-UV印刷は、当時まだまだ未成熟で問題点も多々あったが、かえってオペレーターが育つための要因にもなった。現在では、水あり印刷だと印刷の準備時間が30~40分も必要となるのに対し、水なし印刷専用機では印刷準備時間がわずか12分ですみ、生産性に大きな差が出ている。全台でLED-UV印刷をしているおかげでパウダーもなく、ゴミがひとつ落ちていても気になるくらい清潔な工場となっている」と紹介した。

 

今野印刷の橋浦社長は「当社は113年の歴史を持つ会社で、この間にわたって変わっていないことは“変わり続ける姿勢”であり、サステナブル経営そのものである。水なし印刷を採用したのは、両面8色印刷機での見当精度向上と、それによる作業効率の向上を目的にしたから。水なし印刷のスキルレスの効果で、2年目の従業員が機長として作業をしている。水なし印刷の採用は工場環境の改善や働き方改革にも通じ、生産性向上も実現でき、湿し水関連の作業がないため注意力も向上してミス・ロス減少にもなり、用紙の削減は環境負荷軽減につながる。水なし印刷はこれらの点で、SDGsのゴール8(働きがいも経済成長も)やゴール9(産業と技術革新の基盤をつくろう)に貢献していると思う」と述べた。

 

精英堂印刷の井上社長は、「当社は現在、創業から107年目を迎えている。北海道から九州までを商圏に、日本酒のパッケージ・ラベル印刷を中心に業容を拡大してきた。新規テーマとして水なし印刷に挑戦し、1999年に水なし専用印刷機を導入して水なし印刷によるパッケージ印刷を開始した。パッケージ印刷は商品が店頭に陳列される場合も多いので、印刷品質の安定がとくに重要となる。日本印刷産業連合会GP環境大賞では、今年度から新設されたパッケージ部門で水なし印刷を採用したクライアント2社が大賞を受賞した。また、シールラベル印刷においても2年連続7度目の最高賞(経済産業大臣賞)を受賞している。印刷はすべて水なし印刷を採用し、洗浄でもVOCが発生しない3Wインキを使用している」と語った。

 

 

 

 

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