2021年11月29日

社員の知人や友人を紹介・推薦してもらい、選考する採用「リファラル採用」が拡がっている。リファラル採用は人材確保などの採用面だけでなく、会社全体のパフォーマンスにも良い影響を及ぼすことが明らかになっている。

 

紹介行動がもたらす効果には、①「紹介したいと思うこと」と「実際に紹介したこと」が組織市民行動につながり、組織パフォーマンスが向上し得る②会社への帰属意識が「紹介意思」を促進し「紹介した友人の入社」が愛着を向上させることがある。その紹介行動をとる要因には、①「求職者を助けたい気持ち」と「会社への帰属意識」が紹介意思を促進し、紹介行動につながる②「リファラル採用で入社した人を見た」ことが紹介行動につながることがある。
 

「リファラル採用研究所」(㈱MyRefer)が、㈱ビジネスリサーチラボ・伊達洋駆社長と行った「日本の人材市場におけるリファラル採用に関する共同研究」により明らかになった。

 

▼伊達社長は研究の2つの特色を示す。
①リファラル採用に関する学術研究の知見に基づいて実施された調査である点。海外で発見された知見が日本において当てはまるのかを検討した。②日本企業の従業員を対象とした本格的な調査である点。
 

また、「会社への愛着が紹介行動を呼び、被紹介者が入社すると愛着が向上するというポジティブスパイラルは、リファラル採用の推進によって組織開発も促される余地があることを表している。紹介行動と組織市民行動の関連は、リファラル採用の取り組みが会社全体に影響を与えることを示唆している」という。

 

▼鈴木貴史リファラル採用研究所所長(MyRefer社長)は、紹介理由は「求職者を助けたい気持ち」が最も大きく、そして「リファラル採用で入社した人を見た」ことが紹介行動につながっていると分かった、とこう述べている。
 

「従業員が知人・友人を助けたいと思っていることをふまえると、リファラル採用で入社する人の体験価値を高めることが重要である。新入社員が入社した際に働きやすい環境を作ることに加え、紹介した従業員と被紹介者が喜びを分かち合いながら職場に溶け込めるような取り組みが効果的だろう」「採用面だけでなく、リファラル採用の組織への波及効果が明らかになった。紹介行動を取る従業員を増やすと、組織市民行動が生まれて組織パフォーマンスが高まる。短期的な採用に限らず、中長期的な組織開発の観点で、リファラル採用を通じて強い組織づくりを行っていきたい」

 

▼組織市民行動とは、会社のためになる自発的な役割外行動を指す。組織市民行動を行うほど離職しにくく、組織市民行動を行う人が多ければ会社が円滑にまわり、パフォーマンスが高まる。紹介意思や紹介実施が組織市民行動に影響を与える。そのため、会社として紹介行動をとる従業員を増やせば、組織市民行動をとる従業員を増やすことにもなり、会社のパフォーマンスを高めることにもつながり得る。
 

(「月刊印刷界」2021年12月号から)

 
 

話題 調査-関連の記事

PAGE TOP