2021年09月17日

日本アグフア・ゲバルト㈱(本社・東京都品川区、岡本勝弘社長)が、2019年11月に発表したハイエンド・ハイブリッドUVインクジェットプリンター「JETI TAURO H3300 LED」のアジア地区初号機をキングプリンティング㈱(本社・大阪府大阪市西成区玉出西2の7の16、津村武志社長)に納入した。

JETI TAURO H3300 LED」は印刷幅3.3㍍で、最高毎時453平方㍍の出力を可能とするモデル。

その高い生産性とともに、デジタル印刷ならではの瞬発性や柔軟性、小ロット対応力も有することから、小ロットの大判印刷分野では実生産性が大型枚葉オフセット印刷機と遜色ないレベルとなり、大型枚葉オフセット印刷機の代替機としての活用も期待できる。

9月16日に大阪・堺のキングプリンティング本社工場で記者発表会を開催し、納入の経緯や詳細について明らかにした。

 

国内初号機導入の記念盾を贈呈する岡本社長(左)と光弘専務

国内初号機導入の記念盾を贈呈する岡本社長(左)と光弘専務

記者発表会の冒頭、あいさつに立った日本アグフア・ゲバルトの岡本社長は「アグフアではオフセット印刷分野に続く第2の柱として、インクジェット分野のビジネスを成長させてきた。日本市場においてもミドルレンジからハイエンドまでのさまざまな機種を販売しており、ここ近年は3.2㍍幅以上のハイエンド分野でのトップシェアを占めることを目標にし、現在はその目標に近いところまで成長を遂げている。今回はサインディスプレイ業界のリーディングカンパニーであるキングプリンティング様に、 “JETI TAURO”のアジアおよび国内初号機を納入させて頂けたことをとても光栄に思う。ぜひ、この機械の能力をフルに活かしてもらい、ビジネスを伸ばして頂きたい」と述べた。

 

「JETI TAURO H3300 LED」は、高品質・高生産性・低インク消費を念頭において開発され、最高出力速度が毎時453平方㍍、実用的な印刷モードであるプロダクションモードでも毎時226平方㍍の高速出力性を誇るモデル。

ロール給紙/シート給紙のどちらにも対応するハイブリッド機で、キングプリンティングでは最大直径60㌢㍍/重量700㌔㌘までのジャンボロールの原反が搭載可能なマスターロールユニットを装備して頻繁なロール交換作業を不要としているほか、シート印刷にも対応できるようにマニュアルテーブルも導入している。

シート印刷の場合、パレット積みの用紙をセットするだけで自動印刷ができるフルオートメーション機能が用意されているほか、最大4枚までの複数用紙に同時印刷できるマルチシート機構も用意されている。

たとえば2枚の用紙に印刷する場合だと、世界最大の枚葉オフセット印刷機のサイズすらもカバーする1.6×2.1㍍サイズの2枚の用紙に同時印刷することができる。

 

最高解像度は1200dpiで、インクはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトブラック、ライトマゼンタの6色に加え、オプションインクとしてホワイトとプライマーが用意されている。

JETI TAURO専用に開発された高濃度インクを採用しており、薄い膜厚で色再現ができるためインク消費量を抑えることができる。

 

大判の小ロット印刷で枚葉オフセット印刷機並みの実生産性に

インクジェットならではのバリアブル印刷で付加価値を創出

 

この「JETI TAURO H3300 LED」のアジア初号機を導入したキングプリンティングは、1917年に創業した老舗印刷会社。

創業当初は映画館の絵看板を手書き製作していたが、効率良く、質の高い看板を大量生産する手法として枚葉オフセット印刷機を使った大型印刷をするようになった。

現在もその社名が表すとおりキングサイズの大型印刷を中心としたビジュアルコミュニケーションに関わるあらゆるソリューションを提供しており、印刷機はA4倍判(1870㍉幅)枚葉オフセット印刷機2台や大小さまざまなインクジェット印刷機30台が稼働中。

これらの機器を駆使して、駅貼りのポスターや屋外のビルボード、商業施設などの装飾、店舗や店頭の大型タペストリーのほか、展示会の装飾、大型国際イベントの演出なども手掛けている。

 

オフセット印刷機とインクジェット印刷機を豊富に設備し、仕事の内容(ロット数や仕様)に応じて、双方を最適な方法で組み合わせてワンストップ製作できることを強みとしている。

大ロットはオフセット印刷、小ロットはインクジェット印刷という基本的な使い分けをしているが、近年は少量多品種を短納期で求められるケースが増加しており、それに対してインクジェット印刷機の台数を増やすことでカバーしてきた。

そのような状況を受け、またインクジェット印刷の品質がオフセット印刷と遜色ないレベルになっていることから、インクジェット印刷の生産性をさらに高めることで顧客サービスを飛躍的に向上できると考え、今回の導入を検討した。

 

JETI TAURO H3300 LED

JETI TAURO H3300 LED

キングプリンティングの光弘祐紀専務は「JETI TAURO H3300 LED」導入の経緯について「当社ではこれまでもアグフア製のインクジェット印刷機を採用しており、そのパフォーマンスがたしかなものであることはわかっていので、機種選択にあまり迷いはなかった。我々が関わる大型ビジュアルコミュニケーションではデジタルサイネージが普及してきている。その流れに対して、この“JETI TAURO H3300 LED”を活用して印刷メディアの多品種少量生産における短納期対応力を示すことで、印刷メディアが柔軟で利便性が高く、コストパフォーマンスも高いメディアなのだと顧客や市場に再認識してもらいたい」と語った。

 

キングプリンティングでは現在、大型枚葉オフセット印刷機とインクジェット印刷機の使い分けにおける分岐点を100~200枚辺りとしている。

しかし、大型枚葉オフセット印刷機はジョブ替えに関わる作業負荷や作業時間がとてもかかるため、小ロットになればなるほど本刷り時間に充てられる実生産性は低くなる。

「印刷速度だけならばオフセット印刷の方が圧倒的に早いが、小ロットに対応する瞬発性や自動化機能、前後工程の時間なども含めて勘案すると、“JETI TAURO H3300 LED”は大型枚葉オフセット印刷機とそれほど変わらないレベルで運用できるようになると期待している。またこれからは、同じ内容の小ロット印刷物への対応だけにとどまらず、全国規模の顧客に対してエリアや店舗ごとに内容が異なる100種類各1枚といった仕事にも対応し、印刷物の付加価値を創出していきたい」と光弘専務は今後の展望を表した。

 

 

 

 

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