2021年09月13日

マンローランド ジャパン㈱(本社・埼玉県戸田市、サーシャ・バンセマー社長)は9月9日、マンローランド・シートフェッド社で大型印刷機部門の責任者を務めるベルンハルト・シャーフ営業担当取締役を招いてオンライン記者懇談会を開催した。

この懇談会では、マンローランド・シートフェッド社の大型印刷機(VLF)についての開発姿勢や将来に向けた方向性、先ごろ発売を開始したA倍判枚葉オフセット印刷機の新製品「ROLAND900Evolution F145」の特徴などについて説明した。

 

会の冒頭、あいさつに立ったマンローランド ジャパンのバンセマー社長は「今年、マンローランド社は創業150周年という節目を迎えることができた。日本市場では約70年前に最初の印刷機を納入させて頂いたのがスタートとなり、今日までのご愛顧に感謝を申し上げる。昨年からのコロナ禍によって世界は大きく変わったが、当社の営業については大きく変わった点はなく、みなさまのおかげで昨年も良い業績を収められた。これからの営業戦略として、大型印刷機の販売によりいっそう力を注いでいきたいと考えている。現在、国内で稼働しているマンローランド製の大型印刷機は商業印刷用途で活用されているケースが多い。ただ、世界での大型印刷機の用途の8割はパッケージ印刷分野が占めているので、これからはこの分野にも強力に勧めていきたい。また印刷機を販売するだけにとどまらず、印刷会社のみなさまとしっかりと話し合い、印刷工場や物流なども含めたトータルなソリューションを提供し、ビジネスをサポートしていくことを重要戦略として位置付けていく」と述べた。

 

続いてマンローランド・シートフェッド社のシャーフ取締役が、同社の業績と大型印刷機市場の動向について見解を述べた。

その大要は次のとおり。

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シャーフ取締役

シャーフ取締役

印刷物の出荷量および印刷機の稼働台数は減少傾向をたどっている。とくに商業印刷や出版印刷などの薄紙印刷では、▽インターネットに代表されるデジタルメディアの台頭、▽デジタル印刷機の普及、▽Web to Printなどによる生産の集中・効率化--といった要因がその背景にある。それとは対照的に、パッケージ印刷などの厚紙印刷は安定成長を遂げており、世界の印刷量は年平均で2~5%の増加となっている。この背景には新興国の経済発展があるほか、近年ではとくに欧米を中心に、環境的観点から脱プラスチック化が進んでおり、その結果として紙パッケージの需要が高まっている。脱プラスチック化という流れにより、紙パッケージは食品・飲料分野で成長している。使い捨てプラスチック容器の代替として紙パッケージに脚光が当てられ、大きなチャンスが訪れていると言える。

 

パッケージ印刷会社が導入する印刷機のトレンドとして、印刷機1台あたりのユニット数が増加していることが挙げられる。約15年前は、5~6色+ニスコーターという構成が主だったが、今は7~9色+複数のニスコーターという長い構成の機械が増えている。これは、商品棚で競合商品よりも目立つデザインのパッケージを印刷するためという点はもちろんだが、もう1つの要因として印刷機がテクノロジーの進歩・自動化によって扱いやすくなっていることも要因となる。印刷機のテクノロジー向上によりジョブ替えなどによる機械停止時間が減り、さらには継続的な自動運転による稼働率向上、生産コスト削減を図ることができる。大型印刷機にもインライン色調管理・欠陥検査装置などが搭載され、自動運転によって生産効率が上がり、結果として利益が高められる。

 

イタリアの印刷会社で稼働する「ROLAND 900 Evolution」

イタリアの印刷会社で稼働する「ROLAND 900 Evolution」

大型印刷機の需要は年々増加しており、世界では年間70~100台が導入されている。大型印刷機でもっとも多く導入されているのが1450×1060㍉のサイズで、これが大型印刷機全体の65%を占める。大型印刷機での印刷用途としては、8割が紙器パッケージ、POP、ディスプレイなどの厚紙印刷で、残りの2割が出版印刷やWeb to Printとなる。当社ではこの1450×1060㍉サイズの新型機として、毎時1万6500枚の印刷速度を誇る「ROLAND900Evolution F145」の発売を開始し、すでに世界各国に向けて10台が出荷された。

 

「ROLAND900Evolution F145」は、5年前に発表した菊全判の「ROLAND700Evolution」のすぐれた機能はそのままに、印刷サイズを1450㍉幅に拡大したものとなる。これまでの大型印刷機とは一線を画す操作パネルや操作コンセプトを新たに開発し、またインラインの印刷品質検査装置や濃度計測システムも備えており、その結果としてハイレベルな印刷品質、短い準備時間、各種機能の搭載による自動化といった特徴を有している。

 

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