1982年に設立されたベルギーのメヘレンに拠点を置くブロフォーム社。
40人の従業員を擁する同社を近年、共同オーナーであるジェシー・マリネン氏が高級印刷を中心とする営業スタイルへと変貌させた。
同社はベルギー国内の高級ダイニングメーカーや、自動車やゲーム業界などの国際的な企業を顧客に抱えている。
さらに同社は出版社のアートブックの印刷も手掛けている。
マリネン氏が「私はつねに新しいプロジェクトを先導し、新製品を開発することを目指している」と語るとおり、同社ではギフトカード、バースデーカード、ウェディングカードなどを販売するための独自のウェブプラットフォームdesigncards.beを持っている。
このプラットフォームBAAS(Buroform As A Service)を使用すると、顧客はプライベートオンラインショップで標準の印刷製品を編集して注文することができる。
同社では、これらを司る高度に自動化された生産ワークフローとして、ハイデルベルグ社製のプリネクトプロダクションマネージャーを採用している。
同社では生産性をさらに向上させるため、昨年末に2台の菊全判印刷機から入れ替え、パイロットユーザーの1社としてハイデルベルグ社製の菊全判4色印刷機「スピードマスターCX104」を導入した。
導入したこの印刷機には、自動運転印刷のPush to StopテクノロジーとLE UV乾燥システムも搭載している。
マリネン氏は「幅広い高品質の仕事を柔軟かつ経済的にこなすために不可欠なソリューションを得ることができた。新しい“スピードマスターCX104”のおかげで生産性が大幅に向上した。平均して以前より20%速くジョブをこなし、1時間で最大5回の仕事替えをしている」と語る。
また、1シフト内で184枚のプレートを交換するという社内新記録も打ち立てているという。
同社は「スピードマスターCX104」を導入したことで、以前に使用していた印刷機と比べ、ジョブ替え時間が半分以下に短縮された。
平均印刷速度は毎時1万4500枚で、これは最高速度のほぼ90%にもなる。
「当社の仕事には300枚から10万枚までの幅があるが、前準備と生産速度が速いので小ロットにも大ロットにも適している」とマリネン氏は評価している。
同社のオペレーターがとくに評価しているのは、「プリネクトプレスセンターXL3」での簡単な操作とオペレーターのルーティーン業務を軽減するインテリジェントアシスタントシステムだ。
フィーダーとデリバリーはあらゆる原反に対して素早く調整され、デリバリーのエアクッションシート搬送はとても薄い原反でもきれいに積むことができる。
アシスタントソフトの「インテリスタート3」は、ジョブキューに最大50個のジョブがリストされ、ジョブ変更の際のセットアップの順序をもっとも効率的な順番で案内し、オペレーターに可能な限りのサポートを提供する。
新しい「スピードマスターCX104」に搭載したLE UVテクノロジーにより、同社ではジョブの処理から完成品に至るまでを高速化し、かつ後加工作業での信頼性も向上させている。
LE UVのおかげで、非塗工紙でも印刷後すぐに後加工へと移ることができるようになった。
ハイデルベルグ社で「スピードマスターCX104」のプロダクトマネジメント責任者を務めるフロリアン・フランケン氏は「ブロフォーム社では今年1月から稼働を開始し、連続生産前のパイロット期間中からその能力を示してみせた。我々は“スピードマスターCX104”を導入するすべての印刷会社が、生産性の大幅な向上を達成できると見込んでいる」と語っている。