2021年07月27日

日本アグフア・ゲバルト㈱(本社・東京都品川区、岡本勝弘社長)は7月21日から、商業印刷向けの2種類の新しい現像レスCTPプレート「アダマス(Adamas)」と「エクリプス(Eclipse)」の販売を開始する。

「アダマス」は、これまで販売してきて市場から高い評価を受けている「アズーラ」と同じガム洗浄方式のプレートで、高い耐刷力とUV印刷適性が付与されたプレートとなる。

一方の「エクリプス」はこれまで同社では提供していなかった機上現像方式のプレートで、はっきりと絵柄が見える視認性を実現しつつ、印刷機上で現像することによって印刷機にかかる負荷についても配慮された設計となる。

同社では現像レスCTPプレートのラインナップを、既存製品の「アズーラ」を含めた3種類へと拡充することにより、あらゆる仕事の内容、使用する印刷機の方式、印刷工場の環境などに応じ、それぞれの事情に適した提案ができるようになった。

同日、オンライン記者会見を開催して、この2製品の特徴や開発背景などの詳細について明らかにした。

 

岡本社長

岡本社長

会見の冒頭、あいさつに立った同社の岡本社長は「当社では2004年に、業界に先駆けて環境対応の現像レスCTPプレート“アズーラ”を販売開始し、CTPプレートの国内シェアを順調に拡大させてきた。その間も、現像レスCTPプレートに関するユーザーからの声に耳を傾け、今回の新しいプレートの開発に反映させた。そして、市場からのニーズが高かった点を踏まえた新製品が、この“アダマス”と“エクリプス”になる。これらは海外ではすでに提供されているが、約1年間にわたる国内印刷会社でのフィールドテストを重ね、日本の印刷会社のみなさまにも満足して頂ける製品だと確認できたので、ぜひとも採用してもらいたい」と新製品の開発経緯を説明した。

 

この「アダマス」と「エクリプス」を開発するにあたり、同社が市場からのニーズに応えるためにフォーカスしたのが、①プリプレスの作業者の負担を減らすべく、自動現像機を不要とする「機上現像方式」のプレート、②市場での稼働台数・割合が増えている「UV印刷に対応」するプレート、③プレートの絵柄がはっきりと見える「視認性の高さや検版性にすぐれる」プレート、④近年、UV印刷にまつわる資機材の価格高騰もあることから、ふたたびニーズが高まっている「油性印刷での速乾印刷に対応」するプレート--という4点。

ガム洗浄方式の「アダマス」は、UV印刷に対応し、視認性や検版性にすぐれ、油性印刷での速乾印刷にも対応するという特徴を持つ。

一方の「エクリプス」は、機上現像方式で、UV印刷に対応し、視認性や検版性にもすぐれるという特徴を有している。

 

同社では「アダマス」と「エクリプス」の販売を開始したことで、現像レスのガム処理タイプ「アズーラ」「アダマス」・機上処理タイプ「エクリプス」・現像ありタイプ「エナジーエリート」と、あらゆる処理方法のプレートを取り揃えることとなり、幅広い層からのさまざまな要望に応えられる体制が整った。

 

同社では昨年の夏から約1年間かけてフィールドテストを複数の国内印刷会社で行い、実際の仕事の中で「アダマス」と「エクリプス」の両方を使用した上での評価を集めた。

「アダマス」については油性印刷機、UV印刷機、両面UV印刷機、モルトン機などの各種枚葉オフセット印刷機で、特色や金・銀インキなども使用しても問題は起こらず、両面UV印刷機では機械最高速の毎時1万8000回転でも追従し、汚れも発生しないことが確認された。また、版キズが入ったことによる焼き直しをした事例も起こらなかった。耐刷力については、標準耐刷枚数(UV印刷で7万5000枚)に達する量の仕事がなかったものの、5万通しの仕事では刷了してもまだ継続して刷れる状態であることが確認されている。

「エクリプス」についてはパウダーレスインキを使用した油性印刷や省電力UV印刷などでフィールドテストを行い、省電力UV印刷機では標準耐刷枚数を大きく超える7万通しという仕事もこなすことができた。また、耐傷性も強いためハンドリングをしやすいという評価があった。さらに、機上現像処理をした塗布層が印刷機へ与える負荷や影響についても長期観察を行い、以前にほかのプレートを使用した際にそれが原因で汚れが発生したという報告を受けていた印刷機で「エクリプス」を長期使用したところ、不具合の発生が起こらなかったという評価も受けているという。

 

ガム洗浄方式でUV印刷適性と耐刷性能が向上

【アダマス】

adamas-1200x800これまでも国内外で広く採用されている現像レスCTPプレート「アズーラ」で実績のあるガム処理方式を受け継ぎつつ、新技術の投入によってUV印刷対応、高耐刷力、高生産性を実現させた。

CTPで露光後、専用のクリーニングユニット「アダマスCOU」でガム液を用いて非画線部を洗浄除去することで、画像コントラストにすぐれて肉眼でもはっきりと絵柄がわかり、かつ高品質な刷版を得ることができる。

 

「アダマス」は「アズーラ」とは根本的な設計から異なっており、アルミ支持体の上にのる感光層の部分に、新開発の高感度サーマルフォトポリマー技術を採用。

これにより同じガム処理方式の「アズーラ」と比較して、標準耐刷力が油性印刷で35万枚(アズーラTUは15万枚)、UV印刷では7万5000枚(アズーラTUは1万枚)を実現。

さらに、「アズーラ」より高感度化されていることからCTP出力のスピードも向上しており、同社製の四六全判CTP「アバロンN8-90XT」を使用した場合、最高出力スピードをまったく損なわない毎時70版(アズーラTUは毎時55版)を実現している。

 

CTPで露光した後のプレートの処理に使用するガム液は中性で、「アズーラ」と同様に強アルカリ性の現像液は使用しない。

「アダマス」専用クリーニングユニット「アダマスCOU」では洗浄用と仕上げ用の2種類のガム液で処理を行い、プレートの版面保護、耐傷性の強化を図っており、印刷までの取り扱いについても従来のPS版/CTP版と同等となる。

 

新発売の機上現像タイプは引き剥がした塗布層が印刷機に与える負担・影響にも配慮

【エクリプス】

Plate_Visual_Eclipse_1920x1080機上現像方式のCTPプレートとしては後発になることから、ほかにはないメリットを追求し、安定した視認性、印刷機への負担を配慮、すぐれた耐傷性といった点を実現させた。

CTPで露光後、アルカリ現像液もガム液も使用することなく、そのまま印刷機に掛けて使用できるという機上現像方式のメリットはそのままに、機上現像方式の弱点の1つである視認性・検版性を高めている。

具体的には、露光された画線部を青く発色させることでこの課題に対応。

1度発色した画線部は24時間以上経っても高い視認性は保たれ、退色することはほぼない。

 

また、機上現像方式のもう1つの懸念点となるのが、印刷機上で除去された非画線部の塗布膜が印刷機内に残留することで、印刷機に負荷がかかったりメンテナンス頻度を高める必要性が出ること。

そこで、塗布膜が湿し水を含んで膨潤する仕組みと、膨潤した塗布膜がインキの粘度によってアルミ支持体から引き剥がされる仕組みの最適化を図り、印刷機への負荷を最小限に抑えるように開発。

塗布膜を印刷機外に排出している挙動は刷り出し時に顕著に現れ、非画線部の地汚れ(=インキの粘度によって塗布膜が引き剥がされたもの)という形で印刷機外(=用紙)に転移される。

 

標準耐刷力は、油性印刷で20万枚、UV印刷では5万枚を実現。

CTP出力スピードは、同社製の四六全判CTP「アバロンN8-90XT」を使用した場合、毎時61版を実現している。

 

 

 

 

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