2021年05月25日

 小森コーポレーション(持田訓社長)は5月24日、「第6次経営計画の見直し」を明らかにした。同社は2020年4月、19年11月12日公表の24年3月期を最終年度とする第6次中期経営計画に関して、コロナ禍の状況が落ち着き次第改めて公表するとしていたが、直近の事業環境ならびに22年3月期業績予想を踏まえ、経営目標数値を次のとおり修正することとした。
 
 【当初計画2024年3月期/修正計画2024年3月期】
 ▽売上高1160億円/1100億円   
 ▽営業利益100億円/77億円   
 ▽営業利益率8・6%/7・0%   
 ▽ROE6・5%/5・3%   
 ▽前提となる為替US$105・00/105・00   
 ▽前提となる為替EUR115・00/120・00
 
 
 見直しの理由には次のようなことがある。
 現在、同社最大の課題はアフターコロナをどのように対処していくかである。コロナ禍をきっかけに印刷会社では、主に先進国において印刷工場の再編・集約などの動きが活発になり、その中で、生産性・収益性の向上、人材不足対応、ESG時代を見据えた環境対応、印刷生産プロセスのデジタル化等のニーズが高まっている。
 社会・経済環境が急激に変化する中にあって、生産性をいかに上げ、利益を創出するかという印刷業界の課題がコロナ禍の市場環境下でより鮮明になったといえる。同社では、これらの課題に対して、「Connected Automation(コネクテッド・オートメーション)」コンセプトのもと、世界最高クラスの ROIを提供するオフセット印刷機
「GL/GLX advance」シリーズを20年8月に発表するとともに、ソリューションクラウド「KP-Connect」との組み合わせにより、印刷工場のスマート・ファクトリー化を中心とするソリューション提案への転換による製品・サービスの高付加価値化を進め、収益改善を図る方針である。
 

 このような外部環境の急激な変化をうけ、同社では「収益性の向上+成長事業の基盤づくり」をテーマとした第6次中期経営計画に対して、コロナ禍の影響と直近の事業環境を考慮し、経営目標数値を見直した。
 株主還元方針に関しては、総還元性向80%以上のスタンスを維持するが、予期せぬ特別損益の発生如何では、その発生の理由等を個別に判断して、還元額を考慮する。
 
 なお、実行施策に関して変更はないが、Ⅳ.を追加する。
 
 Ⅰ. 事業役割の明確化と、目的達成に向けた施策の着実な実行
 1)コア事業(オフセット印刷機・証券印刷機)の収益性向上
 (a)パッケージ市場、アジア市場およびコネクテッド・オートメーションへの集中投資
 (b)海外向け証券印刷機での差別化戦略推進と、サービス事業の強化による収益安定化推進
 (c)顧客ROI向上を軸とした製品ポジショニング見直しによる競争力向上
 (d)製品仕様の標準化とモジュール設計およびユニット生産体制の構築によるマスカスタマイゼーションの実現と持続的な競争優位の確立
 2)DPS(デジタル印刷システム)事業の収益化およびリカーリングインカムの確立と拡大
 (a)小森独自のビジネスモデル(オフセット+DPS)を活用したデジタル機販売力強化
 (b)KP-Connect を核とした「コネクテッド・オートメーション」の実現
 (c)40インチ枚葉ナノグラフィックプリンティングシステム「Impremia(インプレミア)NS40」の市場投入と事業化
 (d)デジタル印刷システム累計設置台数増加に伴うリカーリングインカムの拡大と事業収益の安定化
 3)PE(プリンテッドエレクトロニクス)事業の将来に向けた布石
 (a)中国市場での製造・販売体制の強化
 (b)プリント基板/電子部品市場における差別化商品の開発・投入
 (c)高精細実装技術の商品化(Flexible Hybrid Electronics のIoT需要の対応)
 4)PESP事業およびリカーリングインカムの推進
 (a)資材・機材販売、DPSのインキ/保守費等の安定収益事業の拡大
 

 Ⅱ.中期経営計画の実行体制
 1)収益責任を明確にした組織運営とアメーバ経営推進による収益改善
 2)労働生産性向上に資する働き方改革の実行
 

 Ⅲ. 最適資本構成の構築
 1)財務健全性を維持し、資金調達能力とリスク対応資金を確保
 2)資本効率を意識した経営
 3)安定配当を重視しつつ、総還元性向80%以上(ただし、特別損益は別途考慮)
 

 Ⅳ. 情報開示の拡充
 1)ESGやSDG’sを意識した経営・情報発信
 2)統合報告書の作成(2021年~)
 
 

企業-関連の記事

PAGE TOP