2021年03月03日

Koenig&Bauer社は、昨年6月に発表した枚葉オフセット印刷機の新モデル「Rapida106X」を、ドイツ・ベルリン近郊に拠点を置くARNOLDグループに納入した。

昨年末からARNOLDグループで稼働を開始したこの「Rapida106X」はニスコーター付の菊全判両面兼用8色機で、ARNOLDグループでは稼働開始の初日から生産量が50%向上し、かつ準備時間を半分に短縮させている。

 

Andreas Arnold氏(右)とFelix Berndt生産マネージャー

Andreas Arnold氏(右)とFelix Berndt生産マネージャー

高い技術力を有して商業印刷を行うARNOLDグループでマネージングディレクターを務めているMax Arnold氏は「印刷室に入るといつも、印刷稼働速度を表す“Rapida106X”のメーターに示された1万8000という真っ赤な数字が目に飛び込んでくる。これほどの速度で両面4/4色印刷とニス加工までをもワンパスでこなすことができる、これまでにない高生産機だ」と語り、喜びを表している。

また、この印刷機は印刷速度が速いだけではなく、技術的特徴に関しても最新の効率化を図るなど、未来志向の印刷物生産におけるすべての要求を満たしている。

 

ARNOLDグループは、印刷施設に加えてプリプレススタジオと広告代理店も運営しており、3社すべてがエコロジーと持続可能性の観点からすべてのプロセスを徹底的に精査している。

「Thinkgreen」は単なるスローガンではなく、会社の基本理念でもあり、刷版とインクにはプロセスフリープレートとミネラルオイルフリーバイオインクを使い、そしてすべてのジョブはノンアルコール印刷で行っている。

さらに、自社の太陽光発電設備から得られるグリーン電力も環境配慮に貢献している。

 

そして「Rapida106X」の両面兼用印刷機構は、ARNOLDグループの環境活動をサポートしている。

なぜなら、これまでならば2台の印刷機を必要としていた仕事を1台で処理するからだ。

この印刷機は、表4色/裏4色にニスコーティングも施すジョブがワンパスで完了し、また4胴目と5胴目の間にある用紙反転ユニットを転換することによって多色印刷をすることが多いパッケージ印刷などにおいて片面に4色以上印刷することもできる。

もちろん、この印刷機1台で消費される電力は2台分の印刷機よりも少なく、さらに数々の機能によって印刷工程がエコロジカルなものとなり、ARNOLDグループではその恩恵として廃棄物を最小限に抑えることができるようになった。

 

それらの機能の中でもっとも特筆するものが「QualiTronic PDF Check」となる。

これは、印刷機内に搭載したカメラで印刷物全紙について、インラインで欠陥検査および色調管理を同時に行うもので、印刷物とプリプレスからのPDF原稿データを比較することにより、印刷中の色調制御を補完する。

この機能によってすべての印刷物をチェックすることで廃棄物量が大幅に削減されるとともに、この機能を搭載していることで印刷品質に対して敏感な印刷発注者からも安心感という魅力を提供できるようになった。

さらに、短くて反応の速いインキングユニットは、即座に適切な濃度調整が行われるので、無駄を最小限に抑えることに貢献する。

このように、エコロジカルな印刷と高品質さを求めることは、決して相反することではなく、それどころかARNOLDグループではすべての印刷ジョブで厳格な色基準を守りながら、高い印刷品質も実現している。

 

菊全判両面兼用8色コーター付印刷機の「Rapida106X」

菊全判両面兼用8色コーター付印刷機の「Rapida106X」

この新しい印刷機は、ARNOLDグループが1989年に会社を設立して以来、Koenig&Bauerから導入した初めてのものになる。

ARNOLDグループのFelix Berndt生産マネージャーは、フィーダー、引き針のないインフィード、そして排紙部にとくに感銘を受けている。「さまざまな原反を使ったジョブをしたが、パレットを排紙部にセットすると、印刷機は簡単に、そしてまたたく間にそのパレットに成果物を満載にしてくれる」と、最初の稼働時の感想を表している。また、「デリバリーに積み上げられた印刷物の山は、フィーダーにセットした用紙よりもきれいに揃っている場合すらある」と付け加えた。

そのほかにもこの印刷機では、フォイルフリーのインクダクトによってインクをすばやく交換できるように特別なコーティングが施されており、取り扱いが簡単になっている。

また、「CleanTronic Synchro」による最適化された洗浄プロセス、その洗浄作業と同時に版交換作業が素早く行われるおかげで、ジョブ替え時間が圧倒的に短縮されている。

 

「すべての投資は、工程の変革と最適化のきっかけとなります」と語るMax Arnold氏は、彼の父親であり会社の創業者であるAndreas Arnold氏とともに、今回の「Rapida106X」の導入を、印刷工場内全体の仕事の流れを合理化する機会と捉えた。

「Rapida106X」の導入によって印刷工程での生産性が大幅に向上したこのことによって前後工程の仕事の流れに影響を及ぼすので、それぞれの工程での生産性や稼働効率の最適化を施していくことを予定している。

また、1日2.5シフトにわたって「Rapida106X」をフル稼働できるようなジョブ量を確保するために、新規顧客の獲得にも積極的に取り組んでいる。

 

 

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