2021年01月25日

電通総研は「クオリティ・オブ・ソサエティ 2021 職業、動く。」で職業をめぐる大きな地殻変動に着目し、21年のキーワードをまとめている。コロナ禍に見舞われているなかで「人と職業と社会のあり方」はどのように変化していくのだろうか。キーワードの視点は7つ――
 

①職業選択の多様化=職業意識の変動始まる▽会社員から個人事業主へ▽さまざまな職業を支える仕組み②変わる、働く人の意識=タイムフリー・プレイスフリー▽「働くこと」のプライオリティリセット▽バーチャル・トライブ③職業をめぐるパラダイムシフト=副業、複業、福業▽学問とビジネスのボーダーレス化▽モチベーション・マイルール④多様な人材が活躍するために=3030▽オルタナティブな入り口設計▽日本版リスキル革命⑤職業の社会的意義=グリーン・ジョブ▽エルダリーワーカー▽キーワーカー⑥地域の「職業、動く。」=地域発「ポスト情報産業」▽先端技術の世界的実装フロンティア▽地域の活性化が自己実現に⑦自ら営む時代へ=自営業の基盤▽新しい自営の力と志▽ライフロング・キャリア設計

 
▼ピンとこないことばをいくつかみると――
 
「バーチャル・トライブ」=仕事や生活を一つのコミュニティのなかで完結させず、複数のコミュニティに関わりながら、異業種、異分野、異年齢の人と交流し、横や斜めのつながりを広げることに積極的なバーチャル・トライブ(部族)が増えていくことが予想される。
 

「3030」=2030年には指導的地位につく女性を30%以上に。これを最低限の目標とし、誰もが性別にとらわれず活躍できる社会の実現が望まれる。女性の正規雇用の割合と管理職の情勢比率を上げるには、経営層が意識を変え、制度をリデザインしていくことが必須。ジェンダー・ギャップ指数の順位が低迷する最大の原因である経済分野でジェンダー平等に取り組むことは急務。
 

「グリーン・ジョブ」=国際労働機関では、環境の保護・再生に貢献する職業を「グリーン・ジョブ」と定義している。このなかには、再生可能エネルギー関連などの新しい職業分野だけでなく、モノづくりや建築などの伝統的分野における環境負荷低減に貢献する職業も含まれる。脱炭素社会に向けた国際的な動きは加速している。日本政府が掲げる「2050年地球温暖化ガス実質ゼロ」の実現に向け、「グリーン・ジョブ」に従事する人材の育成が急がれる。

 
▼「キーワーカー」は、わかりやすい。
 
コロナ危機によって、医療、介護、保育、食料、流通、輸送、エネルギー、土木建築、行政機関など、人びとの生活基盤を支える職業の重要性が再認識された。これらの多くはリモートワークに置き換えるのが難しい仕事である。今後、新たなクライシスに対応する防災・減災、サイバーセキュリティ分野の社会的意義も高まるだろう。キーワーカーには、働きがいを感じられる待遇と社会からの経緯が望まれる。
 
「地域発『ポスト情報産業』」も、身近に感じられる。DXが加速する一方で、人の生命や生活に関わる産業は、コンパクトで地域に親和性の高い領域として、芽を吹き始めている。
 

(「月刊印刷界」2021年2月号から

 
 

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