令和2年秋の叙勲において、経済産業省推薦で、印刷産業から浅野健元全日本印刷工業組合連合会会長・㈱金羊社代表取締役会長兼社長が旭日中綬章、矢島堅司元栃木県印刷工業組合理事長・元佐野商工会議所会頭・やじま印刷㈱代表取締役会長が旭日小綬章、西田勇一全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会副会長・福泉工業㈱代表取締役会長と強口邦雄元全国カレンダー出版協同組合連合会代表理事・㈱トーダン代表取締役社長の両氏が旭日双光章を受けた。関連産業から、守田敏治北海道紙器段ボール箱工業組合理事長・モリタ㈱取締役会長が旭日双光章を受けた。なお、令和2年秋の叙勲の伝達式については調整中。拝謁については、新型コロナウイルス感染防止の観点から、受章者の健康と安全にも鑑みて中止する。
【旭日中綬章】
浅野 健氏
元全日本印刷工業組合連合会会長(現顧問・理事)、元東京都印刷工業組合理事長(現参与・理事)、(一社)日本印刷産業連合会副会長、㈱金羊社代表取締役会長兼社長。
平成14年5月に全日本印刷工業組合連合会の常務理事に就任以来、平成16年5月から平成20年5月まで会長を務める。
この間、国の政策が、中小企業近代化促進法の下、構造改善事業という護送船団方式による設備投資・設備更新から中小企業経営革新支援法という個別企業への支援に大きく転換したことに伴い、浅野氏は、全印工連および47都道府県工組の存在意義を維持し、組合離れを防止し、さらに年々続いている出荷額減少に歯止めをかけ、組合員企業の経営の安定および発展のためには、業界の独自計画を策定して、組合員に対して今後の進むべき道(業界ビジョン)を示す必要があると考え、平成16年度に新たな業界計画として、「業態変革推進プラン-全印工連2008計画」を策定した。同計画は、計画策定を第一ステージ、第二ステージでは、業態変革を行うための自社の現状分析を行って「現在の原点」が容易に分かる「原点回帰7Keys」を策定、さらに第三ステージとして、業態変革の進捗度合いを測ることが可能な内容を解説した「新創業へのアクションプラン-ワンストップサービスは5Doors」を策定、組合員への啓発・浸透を図った。また、業態変革を進める上では、これまでの外注先、あるいは下請けという概念を払拭し、強みのある社外パートナーとしてコラボレーションすることが重要との考えから、共創ネットワーク・グループ化支援事業を推し進め、氏自らも「印刷OEM研究会」を発足・実践することで組合員に手本を示して取組みを促した。この結果、共創ネットワークの事例は全国で254に及んだ。これらは浅野氏の卓越した指導力と先見性の賜物であり、高く評価されるものである。
平成27年全印工連60周年経済産業大臣表彰、令和元年東京都知事表彰(産業振興功労)を受ける。
昭和23年9月30日生まれ、72歳。
【旭日小綬章】
矢島堅司氏
栃木県印刷工業組合元理事長、佐野商工会議所前会頭、やじま印刷㈱代表取締役会長。
平成3年5月、栃木県印刷工業組合の理事就任を皮切りに、専務理事、副理事長の要職を歴任。平成16年5月には理事長に就任し、同22年5月まで重責を担った。この間、中小印刷業界の振興発展に寄与。同22年5月からは常任顧問として現在に至っている。
このほか、栃木県印刷関連団体連絡協議会会長、全日本印刷工業組合連合会理事、関東甲信越静地区印刷協議会幹事などを務めた。また、平成28年11月から令和元年10月まで、佐野商工会議所会頭として、地域の商工業の発展に尽力。現在は同会議所最高顧問。
表彰関係では、全日本印刷工業組合連合会組合功労者顕彰、知事表彰、中小企業庁長官賞、日本印刷産業連合会印刷振興賞などの受賞歴がある。
昭和16年7月23日生まれ、79歳。
【旭日双光章】
西田 勇一氏
全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会副会長、西日本スクリーン・デジタル印刷協同組合理事長、福泉工業㈱代表取締役会長。
昭和57年5月に全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会の理事に就任以来、平成5年9月から国際委員長、平成15年5月から副会長を務めている。また、西日本スクリーン・デジタル印刷協同組合の理事長を平成14年5月から務めている。
この間、連合会副会長として、会長を補佐するとともに他の副会長を統括して、平成21年に会員資格にデジタル印刷を含む定款変更を行い、連合会の名称を「全日本スクリーン印刷協同組合連合会」から「全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会」に変更した。これにより会員増強が図られ組織強化ならびに事業推進に貢献した。
またアジア・欧州・米国の同業団体との交流による国際ネットワーク構築を実現するため、連合会国際委員長として、アジア(ASGA)・欧州(FESPA)・米国(SGIA)の同業団体に加盟し、海外の最新技術動向の把握や人脈づくりに大きく寄与した。
アジアの同業団体ASGAについては、平成20年~21年にASGA会長に就任し、中国でのASGA展示会やタイ・フィリピンでのASGA会議を運営し、会員増強に貢献した。またASGA印刷作品コンテストの審査員をスタート時から務め、アジア地域のスクリーン印刷ならびにデジタル印刷における技術革新と新しい技術の利用と普及に大きく寄与した。
欧州の同業団体FESPAについては、FESPA総会やセミナーで得た最新印刷技術の情報を逐次、連合会の会報であるスクリーン・デジタル印刷界に掲載し広報に努めた。連合会とFESPAとの交流を積極的に推進したことが評価され、平成25年のFESPA創立50周年記念式典において、日本人で初めて永久会員として殿堂入りの栄誉を授かった。
米国の同業団体SGIAについては、平成15年から国際委員会が主催するツアーを毎年実施し、SGIA主催の展示会を視察するとともに現地の印刷工場見学を行い、連合会会員企業の新人社員や中堅社員の研修の場として高く評価された。
平成25年大阪府産業功労者表彰を受ける。
昭和16年2月6日生まれ、79歳。
【旭日双光章】
強口 邦雄氏
元全国カレンダー出版協同組合連合会代表理事・現特別理事、㈱トーダン代表取締役社長。慶應義塾大学工学部管理工学科卒業。
平成2年全国カレンダー出版協同組合連合会の理事に就任、平成16年から平成26年まで代表理事を務める。現在は特別理事。また、平成23年に一般社団法人日本カレンダー暦文化振興協会を設立、理事に就任し現在に至る。
この間、強口氏は代表理事として、カレンダーの正確性を追求、国民の生活に支障がでないよう祝日法の改正時に率先して働きかけをし、また暦とカレンダーの産学一体団体の設立に寄与するなど、カレンダー業界全体の発展に尽くした。
昭和25年8月8日生まれ、70歳。
強口氏のコメント 「このたび令和2年秋の叙勲において、旭日双光章拝受の栄に浴し、身が引き締まる思いがいたします。これもひとえに、業界関係者の皆さまはじめ国民の皆様方の長年にわたる温かなご支援、ご指導の賜物と感謝申し上げます。生活文化創造企業としての役割を果たすべくいっそう精励してまいる所存です。何卒変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」