2020年10月09日

日本アグフア・ゲバルト㈱(本社・東京都品川区、岡本勝弘社長)が提供するクラウドワークフロー「アポジー・クラウド」を、㈱朝日プリンテック(本社・東京都中央区築地5の3の2、尾形俊三社長)が新聞印刷業界で初めて導入した。

「アポジー・クラウド」は、従来までは必要だった専用サーバーが不要となるため初期投資が抑えられるとともに、月額制の中でつねに最新バージョンが利用できるようになるシステム。

セキュリティレベルの高い複数拠点のクラウドセンターにシステムを一元管理することで管理の手間が削減でき、かつBCP対策にもつながる上、柔軟性が上がることによって働き方改革の実績も出る。

日本アグフア・ゲバルトでは10月6日にWeb記者会見を開き、朝日プリンテックがこの「アポジー・クラウド」を導入した経緯を詳細に紹介した。

 

岡本社長

岡本社長

会の冒頭、あいさつに立った日本アグフア・ゲバルトの岡本社長は「平成28年に印刷業界で最初にクラウドワークフローを提唱し、これまでは主に商業印刷分野で導入実績を積んできた。複数サイトの工場を持つ会社がそれぞれの工場でRIPサーバーを所有・管理していたものを、クラウドワークフローによってRIPを一元管理できるというメリット、さらにはセキュリティの高さという点もあいまって、商業印刷分野で導入が多く進んできた。商業印刷分野で積み上げてきたクラウドワークフロー“アポジー・クラウド”の実績が新聞印刷業界でも認められ、新聞印刷業界での初めての採用事例をこうして紹介できることを嬉しく思う」と述べた。

 

朝日プリテックは朝日新聞社の100%子会社で、朝日新聞の朝夕刊の印刷のほかに他紙や業界紙などの印刷も行っており、データ関係はすべて大阪の海老江センターで一括して処理している。

これまで海老江センターでは、Web校正用サーバー、プリプレスクライアントサーバー、FTPサーバー、RIPサーバー、ファイルサーバーの5台のサーバーを社内に備えており、これら異なるシステム構成のものを手動オペレーション中心で処理をしていた。

今回、その朝日プリンテックが採用した「アポジー・クラウド」は、▽データチェック、自動面付け、RIP処理などの機能を含むプリプレスワークフローソリューション「アポジー・プリプレス」、▽ファイルストレージサービス「アポジー・ドライブ」、▽Web入稿/校正/承認ソリューション「アポジー・ポータル」--をクラウド化させたものとなる。

これによりプリプレスで使っていたPCサーバー5台のうち4台を削減するとともに、すべてのデータ処理をクラウド環境で運用することができるようになり、台割・面付け・RIP処理・Web承認までの工程の自動化も図れている。

 

会見の中で、朝日プリンテックが「アポジー・クラウド」を導入した経緯と効果について、営業兼技術システム担当役員待遇の村瀬岳彦氏と海老江センター長を務める長友保宏氏によるパネルディスカッションが行われた。

その大要は次のとおり。

 

――社外に置かれたクラウドワークフローを利用する点に心配はありませんでしたか。

村瀬氏

村瀬氏

村瀬 導入前に懸念した点は3点あり、それを確認した上で採用を決めました。

1つ目は、現在の生産性が維持できるのか、という点です。今までできていたことができなくなるのはストレスになりますので、クラウドに移行しても同じことができるということを最低限のスタートラインに定めました。これについてまったく問題なく、今後いろいろとビジネス範囲を広げていく上で拡張性があることも確認できました。

2つ目はセキュリティ面です。顧客からお預かりしたデータが流出したり消滅することがあってはなりません。アポジー・クラウドは365日24時間、しっかり管理してもらえますので、現状のオンプレミスサーバーでデータを管理するよりもむしろ安全になるでしょう。現金を自宅のタンスや金庫に入れておくか、銀行に預けるか、どちらが安全なのかを考えることと同じだと思います。

3つ目は、当社のネットワーク環境でサクサク動くかという点です。これに関しても、現状のままでしっかりと動くことが確認できました。結局、クラウドに移行することによってメリットこそあれ、問題やデメリットは1つもないので採用を決めました。

もちろんコストに関しても試算をしました。この先10年間のコストについて、現状とアポジー・クラウドのどちらが低く抑えられるのかを計算して、この点においてもメリットが出ると確認できました。

 

――アポジー・クラウドを実際に導入してみて、その効果や良かった点をお聞かせ下さい。

長友氏

長友氏

長友 社内からサーバーがなくなり、システム管理から解放されたのは大きなメリットです。顧客から入稿された紙面データを生産設備に渡すための処理を行うシステム機器の維持管理は、いわば受託印刷業務の根幹を担うものなので、業務中断が許されないというプレッシャーがつねにありました。しかし、クラウドワークフローを採用したことでサーバー管理から解放され、精神的な負担軽減になるとともに、維持管理の作業負担軽減にもなり、要員配置の最適化もできました。

クラウドセンターは社内サーバーよりもはるかに強固なセキュリティで顧客データを保護してくれます。BCPの観点からも、顧客への信頼を提供できる安心安全な体制を確立できます。

アポジー・クラウドによるシステム的なメリットとして、最新バージョンへのアップデートが確実に行えるということがとても大きな点です。つねに最新の機能をいち早く活用でき、万一バージョンアップによる不具合があってもクラウドセンター側で元のバージョンに戻してくれるなど、バージョン管理についてすべておまかせできます。更新やバージョンアップが保守契約の範囲内で行われ、コストメリットも大きいと感じています。

また、同一システム環境内で入稿、プリフライトチェック、面付け、RIP処理の各処理が一気通貫で可能になり、業務効率がとても向上しています。

導入前のフロー

導入前のフロー

導入後のフロー

導入後のフロー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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