2020年07月31日

日本印刷産業機械工業会はこのほど、2019年度に実施した「IoTを活用した印刷産業機械の次世代技術に関する調査研究報告書(Ⅲ)」を作成した。同報告書は、3年間にわたる同事業活動の集大成として、今後の印刷産業機械業界におけるIoT技術の活用の方向などについて調査した結果をまとめたもの。今後の印刷産業機械業界においてIoTの活用を促進するために把握しておくべき基本的な情報に関する調査として、印刷産業機械メーカー(プリプレス機器、印刷機械、製本機械、周辺機器など)に対し、IoT活用のための機器・デバイスの接続環境に関して調査した。その結果、接続仕様「標準化への対応」という課題が明確になった。
 

デバイスの75%はプラットフォームへの接続が可能

 
アンケート結果によると、IoTプラットフォームへの接続が可能なデバイスは75%、IoTプラットフォームへの接続は不可であっても何らかの手段で状態を認識できる機能を有するデバイスを含めると90%のデバイスは装置の外部に状態を通知可能であることがわかり、今後のIoT利活用に期待が持てる結果だった。
 

しかしながら、75%のデバイスの大半が接続仕様は独自仕様となっており、「標準化への対応」という課題が明確となった。
 

一方、接続不可のデバイスの大半についても、デバイス自体の挙動から状態認識が可能であることから、それらの「情報を伝える手段を講じる」ことでIoT利活用が可能であるとわかった。
 

既に印刷産業向けIoTプラットフォームの実用化が始まっており、活用事例が増加している。しかしながらプラットフォームメーカー指定機種だけの接続を可能としているケースが大多数である。
 

今回の調査結果を基に、既に存在するIoTプラットフォーム接続に対する標準的な仕様を策定するなどを実施し、各企業のデバイスが少ない投資で簡便に接続可能な環境の検討段階に移行していくことが今後の課題である。
 

近年のIoT、ビックデータ、AIなどの技術の進展により、製造業においても新たな付加価値や製品・サービスの創出が可能になるなど、企業を取り巻く環境は大きく変化している。第4次産業革命が進展している中、日本の製造業がさらに成長を続けるためには、経済産業省が推進している「Connected Industries」などの考え方を産業界や企業が連携し活用していくことが、国際競争力の強化につながるとともに、需要業界が要望する様々な問題解決にもつながり得る重要な取り組み課題となっている。
 

印刷産業界においても、これらIoTなどの技術を活用するための技術基盤の構築が求められているところであり、印刷産業機械の製造者としても、印刷物の高効率生産システムの構築や、印刷工場のスマートファクトリーなどを実現し、人手不足への対応の観点も含めた具体的な取り組みを早急に推進することが必要である。
 
同調査研究は、これらの背景を踏まえ、印刷産業機械業界としてのIoTなどの取り組みに関する現状および課題を調査した上で、今後、業界および各企業がIoTの技術を活用するために必要な具体的な取り組みの方向などに関するガイドラインの提言を目的に事業を推進した。
 
 

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