2020年07月30日

大日本印刷(DNP)は、新型コロナウイルスへの感染予防対策として、AIを活用した独自の画像解析技術によって、厚生労働省が提唱する“正しい手洗い”ができているかどうかを判定し、“正しい手洗い”を啓発する「手洗いAIサービス」を開発し、9月に提供を開始する。

 

衛生管理の基本である手洗いにAI活かす

衛生管理の基本である手洗いにAI活かす

 

DNPは、カメラや映像を活用した「DNPセキュア監視サービス」の一環として、映像データをAIで解析するサービスを展開しており、食品工場などに向けた総合衛生管理サービスなどの開発を進めてきた。この仕組みを活かして今回、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることを受け、衛生の基本となる“正しい手洗い”の普及につながる「手洗いAIサービス」を開発した。
 

同サービスを企業などに導入することで、厚生労働省が提唱する“正しい手洗い”を社員らが一律に習得できるほか、正しい順番で手を洗うことにより、比較的短い手洗いの時間でも一定の衛生効果を得ることができる。企業などは社員らの衛生管理意識の醸成や手洗い方法の平準化、管理の徹底や記録の実施などが可能となる。DNPは、HACCP(危害要因分析に基づく衛生管理手法)や各種業界基準を満たす必要のある食品工場などのほか、医療・福祉、学校や公共施設、小売や外食など、衛生の重要性に関する周知や教育の徹底が必要な企業・団体などに同サービスを提供していく。

 

【DNPの「手洗いAIサービス」のポイント】

▽「手洗いAIサービス」は、「DNPセキュア監視サービス」をベースとし、衛生管理の基本となる“正しい手洗い”を一人ひとりが実施できているかどうかを、手洗いの映像からリアルタイムに解析・判断し、“正しい手洗い”が完了するまでAIが誘導するもの。

▽洗面台に設置したカメラで利用者が手を洗っているシーンを撮影し、手洗い工程のマニュアルのうち実施されたもの/されなかったもの、手洗いに要した時間などをAIでチェックする。

▽マニュアル通りだったかどうかをリアルタイムに解析し、その結果を洗面台に設置したモニターに表示して、利用者に視覚的にわかりやすく伝え、正しい手洗い手順をガイドする。

▽判定結果のログが蓄積されるため、手洗い実施率などの統計データとして活用できる。利用者の衛生意識の向上や健康保持に向けた取り組みなどに活かすことが可能である。

 

【“正しい手洗い”に関する効果について】
ライオンハイジーンの協力のもと、衛生管理の重要性と“正しい手洗い”に関するDNP社員向けの講習会を実施し、「手洗いAIサービス」を利用した場合と利用しない場合の衛生状態を「ATPふき取り検査」で比較した。調査の結果、衛生状態が保たれているとされるATP基準値の達成率が、通常の手洗いでは30%程度のところ、同サービスを利用した場合は90%程度となり、また一人ひとりの手洗い水準のばらつきが抑えられるというデータが得られた。
ライオンハイジーンのコメント:昨今の情勢から、衛生管理の基本である手洗いは、企業活動のみならず生活においても、ますます重要性が高まっている。当社は、ハンドソープや各種洗浄剤の販売のほか、数多くの企業様に、衛生管理に関するコンサルティングや講習会を実施している。講習会に併せ「手洗いAIサービス」を活用すると、手洗いの効果が最大限に引き出されることがわかった。手洗いが重要視されるなかで、「手洗いAIサービス」は教育の場や職場で活用できる非常に有用なシステムと考えている。

〇ライオンハイジーン:ライオンの100%子会社で、主に業務用洗浄剤の販売と衛生管理のサービスなどを提供している。
〇ATP(アデノシン三リン酸):地球上のすべての生物のエネルギー源として存在する化学物質であり、生物(または生物の生産物)が存在する証拠。検査対象に、細菌や食材残さ(いずれも生物系)の汚れがあれば、そこに必ずATPが存在していることになる(参考:ATP・迅速検査研究会第23回講演会「ATPふき取り検査 Q&A集」)

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