2020年07月31日

■新型コロナウイルスの感染拡大を受け、メディアライフが変化している。とくに注視すべきは「時間」ではなく、「情報態度」と「利用行動」の変化である――。
 
在宅率上昇による一時的な変化だけでなく、今後も続いていく大きな潮流「メディアの新常態」を把握することを目的に博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所が「緊急事態宣言解除後のメディア接触調査」を実施した。それによると、①緊急事態宣言解除後の5月末のメディア接触時間は、1月末を100%とした場合、99・2%で横ばい②変化したのは時間ではなく、メディアや情報への態度。「向き合う」「確かめる」「なごむ」③TV見逃し視聴サービス、radiko、雑誌定額制サービス、新聞社アプリ、SNSなどの利用率に変化――の3点がわかった。年代を問わずデジタル系の利用が加速した。
 

▽①緊急事態宣言解除後の5月末のメディア接触時間は、1月末を100%とした場合、99・2%で横ばい
 
1日あたりのメディア総接触時間(15~69歳全体・東京)を、平常時の1月末と、緊急事態宣言解除後の5月末とで比較すると、1月末を100%とした場合、5月末は99・2%で、同程度の水準であった。緊急事態宣言下のステイホーム期間では、在宅率上昇によりメディア接触時間やHUT(ホームズ・ユージング・テレビジョン=視聴率調査対象の世帯で放送時間と同時に番組を視聴していた世帯の割合)などの増加が報道されたが、その変化は一時的なものであったことが判明した。
 

▽②変化したのは時間ではなく、メディアや情報への態度。「向き合う」「確かめる」「なごむ」
 
新型コロナウイルスの危機の中で「新型コロナの情報は積極的に集めた」という率は60・2%。自由回答でも、メディアの情報のみならず、「記者会見を確認」「各種SNSを駆使」「信頼を求めてさまざまな場所にちらばる情報を丹念に追跡」など、メディアや情報に「向き合う」傾向が強まった。
 

「メディアの伝えることの信頼性が気になった」65・1%、「情報の真意や鮮度に気をつけるようになった」47・5%など、メディアや情報の質を「確かめる」傾向が見られた。
 

自由回答では「ラジオ、ニュースのキャスター、SNSのインフルエンサー」など、人間味のあるコンテンツで「なごむ」態度も目立った。外出自粛は解かれたものの、新型コロナウイルスの危機はまだ収束しておらず、こうしたメディアや情報への態度は、今後も継続していくと考えられる。
 

▽③TV見逃し視聴サービス、radiko、雑誌定額制サービス、新聞社アプリ、SNSなどの利用率に変化
 
情報態度の変化に伴い、過去数年間、ゆっくりと伸張していたデジタル系の新しいメディアサービスの導入が、わずか4カ月間で「加速」。各年代で利用率を伸ばしている。新しい見られ方・聴かれ方の定着、世代別コミュニケーションや広告商品化の取り組みが、今後の課題である。
 

(「月刊印刷界」2020年8月号から)

 
 

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