2020年07月21日

左から福田浩志、滝澤光正、江森克治

左から福田浩志、滝澤光正、江森克治の各氏

 

全日本印刷工業組合連合会(滝澤光正会長)は、7月13日午前9時30分から日本印刷会館5階会議室で「印刷DX(デジタルトランスフォーメーション)推進プロジェクト」記者会見を開き、申請中だった国の補助金の交付が7月6日付で決定し、事業名称「印刷DX推進プロジェクト」として事業を開始することを明らかにした。
 

記者会見には滝澤会長と今年度、三役直轄委員会として設置した「デジタルトランスフォーメーション推進プロジェクトチーム(DX推進PT)」の福田浩志委員長、江森克治副委員長が出席。はじめに滝澤会長が次のようにあいさつした。

 

「本件については5月13日に前任の臼田真人会長によって記者会見を開かせていただいた。令和版構造改善事業の具体化に向けた中心事業である印刷DX推進プロジェクトに対して、国の助成金事業に申請するということで、それに先立って主要印刷機メーカーにもお声がけをしてご協力に対するご理解をいただいた5社とともに助成金申請すること発表させていただいた。7月6日付けをもって特定非営利活動法人映像産業振興機構から今回の全印工連の本事業の助成の申請に対して交付決定した旨の通知をいただいた。これもひとえに本事業にご理解いただいた皆さんのおかげだと思っている。5月13日の段階では当初ご協力を表明していただいたメーカー5社の代表の方々にも記者会見の場に参加していただいたが、その後もわれわれのほうで国内の印刷機製造メーカー、PODメーカーに順次ご説明とご協力のお願いに回っている。本日現在でまだ明確に協力の表明まで至ってないが、5社以外のメーカーにも漏れなくご説明とご協力のお願いをしている状況である。

印刷DX推進プロジェクトについては、前任の臼田真人会長が手掛けられ、現状のわれわれの印刷産業の課題に対して収益逓減構造から収益逓増へと、産業全体の生産性向上を図るためのプロジェクトということで組合員同士の生産協調、生産連携を実現するための事業である。今期から私が会長を拝命したが、私も今年度の事業計画の基本方針の中で本件については触れさせていただき、臼田会長から引き続き、本事業を今年度の全印工連の中心的な事業として推進していく。今後、本事業に関しては組合員にしっかりご説明し、そのメリットをご理解いただいてご参加いただくことによって、ゆくゆく日本の印刷産業の生産性向上と来る新しい社会における日本経済においても印刷産業がしっかりその役割をはたしていくべきものとなることを期待しているし、われわれも強力に事業推進したい」

 

 

次いで福田委員長が「印刷業界が抱えている問題をデジタルの力を使って、生産性の向上、供給量過剰の解消、生産連携を目途とした印刷DX推進プロジェクトに対して今回、国が助成金の交付を決定いただいたことは、全印工連の事業が国の政策事業として認めていただいたということを意味しており業界としても大きなニュースではないか。このシステムが将来の業界の発展に資するべく開発をこれから続けていく」と述べたのち、印刷産業DXシステム概要、今後のスケジュールを説明した。

 

 2022年度からの全国本稼働めざす

 

それによると、今回、全印工連が申請したのは特定非営利活動法人映像産業振興機構(松谷孝征理事長)がコンテンツのサプライチェーンの生産性向上に資するシステム開発を行う事業の支援を目的とする「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金」で、7月6日付で補助金交付決定通知を受けた。

 
事業の名称は「印刷DX推進プロジェクト」。事業の目的および内容は、コンテンツの表現媒体として需要な役割を占める印刷物の製造工程をデジタルトランスフォーメーションによって合理化することを目的とし、印刷市場の需給ギャップを解消しつつ、産業全体としての高生産性・高収益性を実現し、印刷の受発注から生産管理の業務の流れを自動化する、メーカー横断型のオープンプラットフォームを新規に開発する。2022年度からの全国での本稼働に向けて、今年度より事業開始する。
事業開始日は令和2年7月6日、事業完了日は令和3年2月28日。

 

 

「サービスプロバイダー」と「ファクトリー」を円滑につなぐ


 

開発するシステムは3つ。

まず、経営の見える化のためのMISを開発し、組合員に安価で提供していく。
次に「ファクトリー」側の生産性向上に資する生産管理システムを開発する。同システムはメーカー横断型のJDFを中心としたオープンなプラットフォームになる。様々なメーカーのデバイスをJDFで管理していく。
3つ目は付加価値を生み出す「サービスプロバイダー」と「ファクトリー」間の受発注を円滑に行うためのジョブシェアリングシステムプラットフォーム(JSP)の3つのシステムを来年2月末までに完成させる。時間的制約から一部の既存のパッケージ型システムを採用するがJSPは全印工連が開発依頼し独自に開発する。
組合加入メリットして組合員はこれらのシステムを安価に利用できる。
 

今後のスケジュールについて2020年度印刷DX推進プロジェクト第1期の目標は試行に必要なシステムの完成と生産性向上の目標設定。2021年度は全国モデル地区での試行(10地区程度)によって、本稼働に必要な要件の整理、生産性向上のモニタリングを行う。
同時に印刷DX推進プロジェクト第2期では生産性目標に対する仮設検証、本稼働に必要なファシリティの整備とシステム改修後、全国での説明会開催・募集を行い、2022年度からの本稼働を目指す。
組合員には今年の10月に開催するオンラインによる全印工連フォーラムで印刷DX推進プロジェクトの最新情報を発信する予定。

 

 

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