2020年05月20日

東京都印刷工業組合は5月11日、日本印刷会館2階会議室で書面議決により令和2年度通常総代会ならびに第3回理事会を開催し、令和元年度事業報告および決算関係書類承認の件、定款変更の件、令和2・3年度理事・監事選任の件、令和2年度事業計画(案)および収支予算(案)ならびに経費の賦課徴収方法(案)承認の件などの上程議案を審議し、すべて原案どおり承認した。任期満了に伴う役員改選では、臼田真人理事長に代わって副理事長の滝澤光正氏(滝澤新聞印刷㈱)が新理事長に就任した。今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため最少人数で総代会を開催したことから、総代会終了後にプレス発表会を開き、滝澤新理事長が令和2年度事業計画の基本方針を説明した。

 

プレス発表会には、臼田前理事長、滝澤新理事長、瀬田章弘・福田浩志・土屋勝則・白橋明夫の各副理事長、池尻淳一専務理事、惟村唯博・小島武也・田畠義之・富澤隆久の各常務理事ら11人が出席。はじめに池尻専務理事が総代会と理事会の開催報告を行ったのち、滝澤新理事長が次のように就任あいさつを述べた。
 

「昨年70周年を迎え、今年度71年目を迎える歴史と伝統のある東印工組の新しい理事長に選任され、その重責に身が引き締まる思いである。組合員の皆さんの期待に応えられるよう誠心誠意尽す所存である。
目下、新型コロナウイルスの蔓延により人類は見えない敵との戦いを続けており、まずは感染防止を図るための努力が求められている。一方、経済的には戦後最悪といわれる未曽有の危機に陥っている。印刷産業もすでに急激な消費の減退による需要減、売上の減少に見舞われていることは組合が行ったアンケート調査からも明らかになっている。こうした厳しい状況の中で組合に課せられた使命を考える時、その存在意義としてかつて水上光啓元理事長が示された『連帯・共済・対外窓口』という機能に尽きると考えている。1社では解決できない共通の経営課題に対し、同じ立場の中小印刷会社が正しく集い、力を合わせることにより解決を図っていくことが組合の役割である。
喫緊のこの状況においては、まず経営に有用な情報の収集といち早い組合員への情報発信に努めていく。その上でさらに組合員からの声を集め、組合として行政や議会に対してしっかり要望し、そのことがそれぞれの経営改善に資する施策の実現に努力していく。そして、かねてからの課題として人口減少に伴う市場縮小という背景に加え、急速なデジタル化に伴う電子メディアの台頭により印刷会社には顧客の課題を解決するソリューションプロバイダーの役割が求められており、旧来の請負型製造業から脱却した新しい印刷産業への模索が現在も続いている。コロナ後の社会を考える時、その重要性はさらに加速度的に増していくものと思われる。
東印工組では、一昨年度から全印工連のブランドスローガン『Happy Industry 人々の暮らしを彩り幸せを創る印刷産業』を基本として、この先を見据えた事業の取り組みを進めてきた。今年度も引き続き、印刷産業本来の魅力を広く社会に発信し、印刷に関わるすべての人々を幸せにする産業の確立をめざし、すべての組合員に加入メリットを感じていただける事業運営に努めていく。組合員企業の1社1社がHappiness Companyとして優秀な人材を確保し、育成し、定着させることによる印刷産業の永続的な繁栄のために、また、この後に迎える新しい社会経済においても引き続き、印刷産業が社会のお役に立てるために環境対応、教育、企業価値向上、労働環境整備、事業承継など経営課題の解決にお役に立てていただくような事業を展開していく」
 

滝澤新理事長(左)と臼田前理事長

滝澤新理事長(左)と臼田前理事長


 

続いて、滝澤新理事長から臼田前理事長に感謝状が贈られたのち、臼田前理事長が退任のあいさつを述べた。
 

「4年前に東印工組理事長を拝命した際の就任あいさつの中で、三世代が集える東印工組という言葉を発した。幼少期に体験した家族ぐるみ、三世代が集えるような印刷組合にしたいという想いが原動力だった。まさに組合のメリットそのものだと思っている。数値では測れない世代を超えたお付き合いができる場所がまさにこの印刷組合ではないか。どこまで実現できたか正直わからないが、なんとか4年間やり遂げられたのも、諸先輩、仲間、家族、関連の皆さんのお陰であり、心から感謝申し上げたい。新たな時代が東印工組にも来た。滝澤新理事長の強いリーダーシップのもと東印工組のますますの発展と、そして、何よりもまずはコロナを乗り越え、新春の集いをはじめ様々な事業で皆さんとお会いできることを今から期待している」

 

このあと、滝澤新理事長が令和2年度事業計画の基本方針を説明。キーワードに「印刷産業の構造改革」を掲げ、こう説明した。
 

「先般発表された国の工業統計速報では、平成30年印刷・同関連産業の出荷額は4・8兆円となり、初めて5兆円を割り込んだ。あわせて昨年度行われた経済産業省『印刷産業における取引環境実態調査』では、需要減少に対する供給過剰の状態で、印刷設備の稼働状況は年々悪化していること、経営者の高齢化進展に伴う事業承継の課題などが明らかになった。これらのことから、印刷産業は産業全体としてこれからの社会経済にあった構造改革の必要性が求められている。
本年度、東印工組では印刷産業が社会に対し引き続きその役割を担っていくために、印刷産業の構造改革、そして組合員企業の力強い経営と持続的な成長・発展をめざして諸事業に取り組んでいく。そのためにIoT技術を活用した各社の収益の見える化の促進と、各組合員企業の生産システムの連携と高効率化を目指したDX(デジタルトランスフォーメーション)の調査研究と推進を図る。同時に、各社がソリューションプロバイダーとしてさらに特色を磨くことによる収益性の向上と、『幸せな働き方改革』の推進による人材確保と育成、これらによる印刷産業全体の構造改革に着手する」

 

各種事業については、経営革新マーケティング委員会では、DXの事例研究、ソリューションプロバイダーを目指す経営革新支援と事業継承支援、マーケティング支援事業に取り組む。
 
環境労務委員会では、「幸せな働き方改革」推進、グリーンプリンティング(GP)認定・環境推進工場登録普及推進、環境・労働法令への対応に取り組む。組織共済委員会では、組合価値訴求による組合機能の組織強化、各種共済制度の推進と新たな共済制度の研究・設計、組合員相互の交流事業、BCPツールの提供に取り組む。
 

教育研修委員会は制度教育事業・各種技能検定の推進、遠隔教育コンテンツの利用充実、人材確保・育成・定着の促進、情報セキュリティ対策の推進、官公需改善活動への取り組みに努める。
 

このほか、全印工連CSR認定事業の普及啓発、特別ライセンスプログラム事業の推進、ダイバーシティ経営の普及啓発、資機材問題への対応、10月に開催される2020全日本印刷文化典長野大会への参加、東京青年印刷人協議会(東青協)活動への支援、東京都印刷産業政治連盟(東政連)との連携など、積極的な事業展開を図る。
 

なお今年度から通常委員会構成を①経営革新マーケティング委員会②環境労務委員会③組織共済委員会④教育研修委員会――の4委員会とすることから、「CSR認定事業の普及と啓発」は経営革新マーケティング委員会、「BCPおよび関連ツールの周知啓発」は組織共済委員会、「日本印刷個人情報保護体制認定制度(JPPS)」は教育研修委員会が担当する。ダイバーシティ推進事業は担当役員を置き、適宜情報を提供していく。
 

(前列左から)土屋副理事長、瀬田副理事長、滝澤理事長、福田副理事長、白橋副理事長。(後列左から)池尻専務理事、田畠常務理事、小島常務理事、富澤常務理事、惟村常務理事

(前列左から)土屋副理事長、瀬田副理事長、滝澤理事長、福田副理事長、白橋副理事長。(後列左から)池尻専務理事、田畠常務理事、小島常務理事、富澤常務理事、惟村常務理事

 

【令和2・3年度常任理事・常任監事】
理事長=滝澤光正(滝澤新聞印刷㈱・新宿支部)
副理事長=瀬田章弘(弘和印刷㈱・足立支部)、福田浩志(㈱ウエマツ・豊島支部)、土屋勝則(音羽印刷㈱・文京支部)、白橋明夫(㈱白橋・京橋支部)
専務理事=池尻淳一(東京都印刷工業組合・本部)
常務理事=惟村唯博(光写真印刷㈱・城南支部)、小島武也(㈱武揚堂・城南支部)、田畠義之(㈱久栄社・京橋支部)、富澤隆久(富沢印刷㈱・上野支部)
常任監事=名取顕一(㈲新星舎印刷所・三多摩支部)、五十嵐直也(㈱英雲堂印刷所・浅草支部)
【令和2・3年度委員会等の所管副理事長と委員長】
経営革新マーケティング委員会 ▽所管副理事長=福田浩志▽委員長=田畠義之
環境労務委員会 ▽所管副理事長=白橋明夫▽委員長=惟村唯博
組織共済委員会 ▽所管副理事長=白橋明夫▽委員長=小島武也
教育研修委員会 ▽所管副理事長=土屋勝則▽委員長=富澤隆久
東京地区印刷協議会 ▽所管副理事長=白橋明夫
東京青年印刷人協議会 ▽所管副理事長=瀬田章弘▽議長=岩村貴成(㈱オフセット岩村・板橋支部)
東京都印刷産業政治連盟 ▽会長=橋本唱一(文唱堂印刷㈱・千代田支部)
 
 

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