2020年05月20日

(右から)木谷、梶田、江森、臼田、真茅、高橋、辻の各氏

(右から)木谷、梶田、江森、臼田、真茅、高橋、辻の各氏

全日本印刷工業組合連合会(臼田真人会長)は、5月13日午後3時から全印工連5階会議室で記者会見を開き、令和2年度からスタートする「全印工連DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクト」の概要を明らかにした。印刷市場が縮小する中、供給過剰の解消と印刷産業全体の生産性向上を両立する、“令和版構造改善事業”として、今年度、国の補助金を活用して『印刷版DX』の開発に着手する。

 
記者会見には、臼田会長と、今年度、三役会直轄委員会として新設する「デジタルトランスフォーメーション推進プロジェクトチーム(以下、DX推進PT)」メンバーの江森克治常務理事、プロジェクト参加協力会社から真茅久則富士ゼロックス㈱取締役専務執行役員、辻重紀富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ㈱代表取締役社長、高橋卓也リコージャパン㈱執行役員産業ソリューション事業本部長、木谷活㈱SCREEN GPジャパン代表取締役社長、梶田英治㈱小森コーポレーション取締役兼常務執行役員が出席。冒頭、臼田会長が次のようにプロジェクトの目的を述べた。

 

収穫逓減構造からの脱却をめざす

 

「全印工連で準備を重ねてきたわが国の印刷産業における収穫逓減構造からの脱却を目的とした、令和版印刷構造改善事業を具現化させるため『印刷産業デジタルトランスフォーメーション(DX)』の開発着手と、併せて国の助成金事業への申請を行う。令和版印刷構造改善事業は、日本の社会構造が大きく変革する中、とくに中小企業近代化促進法に変わり中小企業経営革新支援法へと国の中小企業に対する舵取りが大きく変化した以降、中小・小規模の製造業において収穫逓減構造が加速し現在も多くの企業が生産性の向上を実現できず、逆に市場縮小、同質化による価格競争などがあいまって低収益の悪循環となっている。これからの脱却を目指し、中小・小規模事業者向けの印刷産業DXの開発に着手する。このDXは各社に生産・財務管理システムをご利用いただくことにより収益性の見える化を可能にし、共通のシステムを多くの組合員にご利用いただくことで企業と企業のみならず、企業と工場、工場と工場の連携が可能となり、生産性の向上につながっていく。
今回、日本を代表し、グローバル企業の皆さんからの当事業に対するご理解とご賛同を得て、CTP、オフセット印刷機、デジタル印刷機、製本加工機等々の各社メーカーとの連携によるオープンプラットフォームによるMISを構築する。開発段階ではメーカー各社のご理解ご協力がなくてはシステムのさらなる精度を高めることはできないので、後日、個社へ改めて説明にあがるので事業への参加協力をお願いしたい。
塚田益男先輩が発せられた『収穫逓減から収穫逓増へ』を令和の時代に適した事業、そして、新型コロナウイルスによってさらに大きく変わる日本社会に対応すべく全印工連は日本の印刷産業の未来のために新たな挑戦を行っていく」

 
このあと、江森常務理事が同プロジェクトの概要を説明した。それによると、同プロジェクトは全印工連産業デザイン室が令和元年度事業で、国の事業として実施した「印刷産業における取引環境実態調査」やステークホルダーダイアログなどをもとに取りまとめた『印刷産業成長戦略提言 令和版構造改善提言』で、縮小する印刷市場における需給ギャップを解消し、印刷産業全体の生産性向上と付加価値創出を実現する有効な方法としてDXの導入を提言、今期、国の補助金を活用して印刷版DXの開発に着手することになった。
印刷版DXは生産管理システムと受発注マッチングシステムを中心としたプラットフォームとなるMISで、JDFフォーマットの採用により文字通りのコネクテッドインダストリー「つながる工場」を実現する。組合員企業が、サービス提供に特化する企業(サービスプロバイダー)と印刷製造に特化する企業(ファクトリー)に役割分担することで、印刷版DX基幹システムによってファクトリーは設備投資余力ができ、スマートファクトリー化やAI化が進み、さらなる生産性向上によって競争力が強化される。サービスプロバイダーはファクトリーを活用することで、付加価値創出に邁進できる。
構造改善の目標として、同プロジェクト第1期の2020年度は試行に必要なシステムの完成、生産性向上の目標設定に取り組み、第2期の2021年度からは全国10地区(グループ)程度のモデル地区での試行により本稼働に必要な要件の整理、生産性向上のモニタリングを行う。並行して全国展開に向けて生産性目標に対する仮説検証、本稼働に必要なファシリティの整備とシステム改修に取り組む。予定どおりにいけば、2022年度に全国での説明会、参加募集を行い、年度内の本稼働をめざす。
同プロジェクトの補助金申請までのスケジュールとして、5月11日に第1期参加メンバーによるキックオフミーティングを実施。18日と21日のミーティングでベースとなるシステムの決定など申請用仕様や予算などを協議・確定し25日までに申請する。早ければ6月中旬にも採択される見込み。事業総予算約1億円のうち2分の1を補助する。

 

 

 

 

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