2020年04月29日

令和2年春の勲章・褒章において、経済産業省推薦で印刷産業からは、川上彰久氏(元神奈川県印刷工業組合理事長・㈱さんこうどう代表取締役社長)、瀧本正明氏(元京都府印刷工業組合理事長・㈱やまとカーボン社代表取締役会長)、岡本城夫氏(全日本製本工業組合連合会副会長・大阪府製本工業組合理事長・㈱一貫堂代表取締役会長)、大槻裕樹氏(元京都シール印刷工業協同組合理事長・㈱大槻シール印刷代表取締役会長)の4氏が旭日双光章を、鈴木英明氏(サヌキ印刷㈱代表取締役会長)が旭日単光章を、細井俊男氏(全日本印刷工業組合連合会副会長・愛知県印刷工業組合理事長・新日本印刷㈱代表取締役)が藍綬褒章を受けた。

なお令和2年春の勲章・褒章の伝達式および拝謁は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、受章者の健康と安全にも鑑みて中止となる。

 

 

旭日双光章

川上彰久氏

川上彰久氏

川上 彰久氏

元神奈川県印刷工業組合理事長・現顧問、㈱さんこうどう代表取締役社長。

平成2年神奈川県印刷工業組合理事に就任以来、常務理事、副理事長を経て平成16年5月理事長に就任し、平成24年5月まで4期8年間にわたって要職を務める。

この間、時代に即応した新鮮な知見や素養、斬新な感覚やエネルギーの導入するため、若い幹部を登用する難しい刷新人事を実現。

40歳代前半の若手経営者3人を一挙に副理事長に抜擢する異例の人事を断行、業と組合の将来を決する印刷業喫緊の課題を分担担当させ、旧来の陋習に捉われない方針方向の策定を指示するなど、組合組織運営・事業遂行体制の刷新強化に務めた。

また、CSRを企業活動の最重要課題とする必要性を先進的に啓発、事業計画の根幹に掲げ継続的な取り組みの素地を固めた。

さらに、東日本大震災発生時には、危機管理対策チームを立ち上げ自ら座長に就任、いかなる重大な危機にあっても事業継続できるためのBCP(事業継続計画)の策定・普及を推進。

同時に依頼者から預かる印刷業最重要の情報保全に係るセキュリティ確立研究を進め、後に実現した新システムPISMの礎を築くなど、顧客の信頼に応えるために必要なBCPおよび印刷業ならではの情報セキュリティ確立のための準備を推進した。

平成21年神奈川県知事表彰、同24年日本印刷産業連合会表彰(印刷振興賞)を受ける。

昭和25年4月1日生まれ、70歳。

 

旭日双光章

瀧本正明氏

瀧本正明氏

瀧本 正明氏

元京都府印刷工業組合理事長、㈱やまとカーボン社代表取締役会長。

平成6年京都府印刷工業組合の理事に就任以来、専務理事、副理事長を経て、平成22年5月に理事長に就任し、組合の代表として内外においてその重責を果たした。

28年6月顧問に就任後も、組合の主要事業に積極的に参加し、業界の振興発展に寄与するとともに、後進の指導にも力を注ぎ、円滑な組合運営に尽力している。

とくに副理事長に就任した平成20年度から、3カ年の新事業として、雇用能力・開発機構の指定を受けて、「人材確保推進事業」に事業委員として取り組み、①安定的雇用の確保②職場定着の推進③モデル事業の普及・啓発をテーマとする諸事業を展開し、優秀な人材の確保と業界内の人材の能力向上に貢献。

理事長に就任した最終事業年度(平成22年度)には、事業委員長として中心的立場で現場を指揮し、3年間に及んだ事業を総括するとともに、歴史から見た印刷技術の変遷を振り返り、時代毎のニーズで変化する「求められる人材」の移り変わりを検証し、これからの京都の印刷業界に必要とされる人材像を考察して取りまとめた広報誌『京都の印刷~人とものづくりのきのう・きょう・あす~』を製作し、500冊発刊のうえ傘下企業、関連企業・団体などに配布した。

その成果は、組合が毎年実施している「印刷作業員賃金実態調査」で、事業に取り組む前の平成19年度の平均時給1504円が、最終年度の22年度には3.2%増の1552円に上昇するなど、中小企業の厳しい労働条件の中でも印刷業界の雇用条件の上昇に貢献した。

さらに理事長就任3期目の平成26年度、京都市、京都府中小企業団体中央会の指定を受けて、「地域を支える中小企業の体質強化事業(業界診断事業)」に事業委員長として中心的立場で取り組むなど組合員企業の経営基盤強化に努めた。

昭和24年12月5日生まれ、70歳。

 

旭日双光章

岡本城夫氏

岡本城夫氏

岡本 城夫氏

大阪府製本工業組合理事長、全日本製本工業組合連合会副会長、㈱一貫堂代表取締役会長。

昭和55年5月に大阪府製本工業組合の理事に就任以来、副理事長を経て、平成27年7月理事長に就任し、現在に至る。

この間、理事長に就任すると製本業界および組合が抱える諸課題への取り組みや業界の地位向上、組合事業の活性化を進めるとともに大阪府の組合支援事業の積極的な活用など多岐にわたる施策を展開した。

とくに組織数が最盛期平成2年の約190社から退会、廃業などに伴い年々減少するとともに、製本事業者も減少、製本のあり方も変化していく中で、組合の魅力と組合価値観を組合員にどの様に伝えるかが課題となっている事から、原点への振り返り施策として大阪府「平成29年度組合等事業向上支援事業」における「組合ビジョン・中期計画作成支援」事業に取り組むことを自らの意志として表明した。

これら計画の作成にあたり1年間にわたり、組合員、組合事務局、専門家、大阪府中小企業団体中央会の指導員を交えた検討会議を開催し、組合の諸課題をアンケート調査や事業の強み、弱みなどの現状を分析する時の手法であるSWOT分析により組合の方向性や改善点をみつけ総合的に分析し、組合活動の更なる活性化を図る議論をおこない中期の「組合ビジョン」を完成させた。

組合ビジョンの柱は「組合員の絆を強化し、次の世代につながる組合活動を推進する」とし、2018年から5カ年の中期計画とし2022年に完了を目指し、多岐にわたる施策を展開するなど組織の活性化に努めている。

昭和18年4月19日生まれ、77歳。

 

旭日双光章

大槻裕樹氏

大槻裕樹氏

大槻 裕樹氏

元京都シール印刷工業協同組合理事長、㈱大槻シール印刷代表取締役会長。

昭和43年3月京都市立洛陽工業高校工業化学科を卒業後、市内の印刷関連機材メーカーに入社。56年に伏見で「大槻シール印刷」を独立創業。64年に有限会社を設立し代表取締役に就任。平成10年に株式会社に組織変更。28年に代表取締役会長に就任し現在に至る。

昭和63年に京都シール印刷工業協同組合の理事に就任以来、副理事長を経て、平成27年理事長に就任。令和元年から顧問。

この間、理事就任当初は、同組合青年部設立に関与。

また本年実行される全国大会の滋賀開催を企画するなど全国に先駆けて地方開催を提案(50回大会までは各協組持ちまわりであったが、近年の事情により全国連合会主催となってから初めての地方開催)。

とくに、理事長就任後には学生とのコラボ勉強会を開催。

その延長線上で今回開催の全国大会でのコンテストデザイン、機関紙表紙、大会パンフレットのデザインなどを京都市内のデザイン関連学校にコンテストとして応募を依頼するなど、印刷業界の次世代を担う若手育成に努め、32年間にわたって組合の振興発展に貢献している。

昭和25年2月13日生まれ、70歳。

 

旭日単光章

鈴木英明氏

鈴木英明氏

鈴木 英明氏

サヌキ印刷㈱代表取締役会長。

昭和43年3月に関西大学法学部を卒業後、サヌキ印刷㈱に入社。以来、同社に勤務し、取締役常務等を経て、平成17年11月に代表取締役社長に就任し、同29年10月に代表取締役会長に就任し、現在に至る。

鈴木氏は、明治28年に明晃社印刷所として創業以来の社是である「前向きな姿勢」や「常に新しい経営戦略を立て、実施し、その時代を切り開く」という同社の基本方針に基づき、最先端の印刷技術の導入や品質の向上に取組み、また全国展開と地域密着を推し進め、創業120年を超える同社の長期経営に多大な貢献を果たした。

この間、同社の商品は、大手製薬会社の商品をはじめ、ティッシュペーパーの箱やラベルなど「紙器」と呼ばれるパッケージが主力であり、500社を超える企業の印刷を受託している。

しかし、サービスの幅が広げにくいうえに、単価が安いという問題があった。

また、用紙の原料となる木材・パルプが値上がりする等の影響によって、経営環境は厳しさを増していた。

そうした中、代表取締役社長就任以降、最先端技術を積極的に導入し続け、経営基盤の強化に成功し、最新の光沢印刷技術を武器に県内トップクラスの印刷業者に成長させるなど、長期経営に資する同社の発展に大きく寄与した。

昭和18年6月22日生まれ、76歳。

 

藍綬褒章

細井俊男氏

細井俊男氏

細井 俊男氏

全日本印刷工業組合連合会副会長、愛知県印刷工業組合理事長、新日本印刷㈱代表取締役。

昭和55年に新日本印刷㈱に入社、平成11年代表取締役に就任し、品質方針や環境方針を新たに打ち出すなど、企業理念に基づいた会社経営を行っている。

平成16年に愛知県印刷工業組合の理事に就任以来、副理事長を経て、平成28年に理事長に就任し現在に至る。

とくに理事長として同組合で経営理念などを勉強するため年6回程度開催されていた「印刷寺子屋」を刷新し、ダイバーシティに関する勉強会や組合企業のダイバーシティへの取り組みの事例発表会とするなど、印刷業界にダイバーシティへの取り組みを普及・浸透させ企業の社会的評価を高めた。

また、平成28年から全日本印刷工業組合連合会の副会長として、働きがいのある、人々を惹きつける印刷産業の確立に向け、その中心的な事業の「働き方改革」に積極的に取り組むなど中小印刷業界の発展に貢献した。

平成27年愛知県知事表彰を受ける。

昭和32年12月19日生まれ、62歳。

 

 

 

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