2020年03月10日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により『マイナスの影響がある』と見込む企業は63.4%に上ることが帝国データバンクの調べにより明らかになった。新型コロナウイルス感染症の影響が全国的な広がりをみせているなか、同社は、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査した。調査期間は2020年2月14日から29日、調査対象は全国2万3,668社、有効回答企業数は1万704社(回答率45.2%)。

 

同調査によると、新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は63.4%。内訳をみると、「既にマイナスの影響がある」が30.2%、「今後マイナスの影響がある」が33.2%となった。
「影響はない」とする企業は16.9%だった一方で、『プラスの影響がある』(「既にプラスの影響がある」と「今後プラスの影響がある」の合計)と見込む企業は1.7%にとどまった。
 

『マイナスの影響がある』と見込む企業を日別にみると、日を追うごとに、マイナスの影響を見込む割合が増加し、2月14日の55.7%から2月29日には81.7%まで増加した。新型コロナウイルス感染症の基本方針決定以降は、その傾向が顕著に表れた。
特に、「既にマイナスの影響がある」も2月14日の24.5%から2月29日には45.4%まで上昇しており、半数近くの企業でマイナスの影響を受けていた。
 
『マイナスの影響がある』と見込む企業を業種別にみると、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」と「旅館・ホテル」が89.3%で最も高い。以下、「再生資源卸売」(87.5%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(87.1%)、「飲食店」(80.9%)が8割台で続く。
 
他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は、唯一「医薬品・日用雑貨品小売」(12.0%)が1割台となり最も高かった。
 

感染症リスクに対するBCPが必要

 
同調査はまとめで次のように指摘している。

 

6割超の企業で新型コロナウイルス感染症により業績にマイナスの影響があると見込んでいた。日々感染の拡大やヒト・モノの移動が制限されるなか、日を追うごとに、マイナスの影響を見込む割合の増加がみられた。
また、中国からの輸出入が滞り、部材や製品などが不足する事態が起き、『運輸・倉庫』や『卸売』など幅広い業界に影響が及んでいる。とりわけ、「旅館・ホテル」においては、インバウンド需要や国内旅行の減少などにより、既にマイナスの影響が顕著に表れている。また、今後は小売を中心として、商品の未入荷の継続や消費マインドの低下などによる悪影響が見込まれている。
さらに「SARS、MERS」での経験がいかされていなかった。取引においてリスクシミュレーションを実施しておくべきだった」(生鮮魚介卸売、福岡県)とあるように、いまこそ、感染症リスクに
対する事業継続計画(BCP)の必要に迫られているのではないだろうか。

 

調査結果のポイントは次のとおり。

 

1. 6割超の企業でマイナスの影響を見込む、特に2月25日以降は顕著にマイナスが表れた

 

新型コロナウイルス感染症により自社の業績にどのような影響があるか尋ねたところ、『マイナスの影響がある』(「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計)と見込む企業は63.4%となった。内訳は、「既にマイナスの影響がある」が30.2%、「今後マイナスの
影響がある」が33.2%となった。

他方、「影響はない」とする企業は 16.9%だったほか、『プラスの影響がある』(「既にプラスの影響がある」と「今後プラスの影響がある」の合計)と見込む企業は1.7%にとどまった。
とりわけ、『マイナスの影響がある』と見込む企業は、日を追うごとに割合が増加した。2月25日に「新型コロナウイルス感染症の基本方針」決定以降は、その傾向が顕著に表れた。特に、「既にマイナスの影響がある」は2月14日の24.5%から 2月29日には45.4%まで上昇しており、半数近くの企業でマイナスの影響を受けていた。
『マイナスの影響がある』と見込む企業を業界別にみると、『運輸・倉庫』が72.8%と最も高く、さらに『卸売』(72.5%)が続いた。企業からも「中国への輸出入が止まっており物流が激減している」(一般貨物自動車運送、新潟県)や「生産を主に中国に依存しており、中国での生産の遅延により商品の調達遅れが生じる可能性がある。
また、小売店舗での販売減少が影響」(衣服・身の回り品卸売、東京都)といった声があがった。
以下、『小売』(66.9%)と『製造』(66.8%)が6割台で続いた。

また、マイナスの影響を最も高く見込む『運輸・倉庫』では、企業の41.7%で既にマイナスの
影響がでていた。『製造』は、今後の悪影響を見込む企業が35.9%となっており、全業界で最も先行きを懸念している様子がうかがえる。他方、『建設』では、現時点ではマイナスの影響は、1 割台だったが、今後は3割超の企業がマイナスを見込んでいる。

2. 「旅館・ホテル」では7割超の企業で既にマイナスの影響が表れる

 
『マイナスの影響がある』と見込む企業を業種別にみると、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」と「旅館・ホテル」が89.3%で最も高い。以下、「再生資源卸売」(87.5%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(87.1%)、「飲食店」(80.9%)が8割台で続く。
特に「旅館・ホテル」は、「当初は、個人旅行、中国を含め外国籍の団体のキャンセルが相次いだ。現在は、宴会などを中心に相次いでいる」(旅館、東京都)や「業界にとって、かつてないほどの大変な不況が訪れることは避けられそうになく、個々の企業で対応できるレベルではない」(旅館、北海道)とあるように71.4%の企業で既にマイナスの影響が生じていた。
また、「今後マイナスの影響がある」と見込んでいる企業は「家具類小売」(41.7%)がトップ。
次いで、「自動車・同部品小売」(41.5%)や「再生資源卸売」「パルプ・紙・紙加工品製造」(ともに40.6%)が上位となった。企業からは「生産が遅れて、納期が未定である」(家具類小売、北海道)や「中国からの部品の供給が滞ることで、新車の生産に影響を与えると考えられる」(自動車(新車)小売、青森県)という意見があがった。
他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は、「医薬品・日用雑貨品小売」(12.0%)が唯一 1割台となり最も高かった。

 

 

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