2020年01月08日

大日本印刷(DNP、北島義斉社長)は、2019年2月12日から28日まで、経済産業省、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で実施した、ICタグ(RFID)を用いた情報共有システムの実証実験で得られた結果に関する、成果報告書を公開した。同実証実験には、前年度から倍増した約60の企業・機関・大学が参加し、業界を超えたRFIDを活用したデータ連携の推進やサプライチェーンの効率化、食品ロス・廃棄ロスの削減などの社会課題の解決を目指した。
 

ミセナカ・イエナカでの新サービスにも触れる

 

報告書では、RFIDにより生活者の利便性を向上させる“ミセナカ(店内)・イエナカ(自宅内)”での新サービスの可能性についても言及している。また、「個品(商品)への電子タグ貼付に関するガイドライン」および「物流形態における電子タグ貼付に関するガイドライン」を公開した。
 
同成果報告書は10月末日からNEDOのWebサイトで公開されており、経済産業省のWebサイトでも公開される。
 

【RFIDを用いた情報共有システムに関する2019年2月の実証実験の成果】
 

①店舗でのRFID活用によるダイナミックプライシングと広告配信効果を検証
実験協力先の5店舗にて、RFIDを用いて情報共有システムと生活者のスマートフォンアプリなどを接続し、実験登録者数を可視化するとともに、リアルタイムでの販売価格の調整や広告配信による購買率の変化を検証した。

 

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○実験結果の一例:(実験登録者数:4618人、性別割合:男性31%,女性19%,不明50%)
 
▽ダイナミックプライシング=リアル店舗で在庫品の消費・賞味期限の情報を取得し、期限が間近の食品の販売価格を下げるなどのダイナミックプライシングを実施。それによって買い上げ率が上がるなど、“目的買い”をする生活者の傾向が確認できた。
 
▽来店者のふるまいに基づく広告配信=来店者が商品を手に取った際に店内サイネージでその商品に関する情報を配信し、対象商品・競合商品・上位商品を訴求した。対象商品・上位商品の訴求時には、買い上げ率が増加したが、競合商品では効果が見られなかった。
 
②RFIDを用いた家庭内サービスの体験
RFIDが貼付された商品が家庭に流通することを想定し、生活者モニターの協力を得て、冷蔵庫、洗面所、ごみ箱の3か所で、該当商品を「使った」「捨てた」という状況データを取得した。それにより、商品の購入タイミングや使用期限切れ・ストック切れなどの情報を取得し、メーカーと共有することで、メーカーと生活者双方に有益なサービスが創出できる可能性の高いことが確認できた。
例えば、家庭での商品の使用時間帯や使用頻度のデータをRFIDで取得することにより、メーカーの商品開発に活かすとともに、生活者が消費スタイルに合った商品情報を得ることが可能になる。
 

タグの貼付ガイドラインも策定

 
③RFIDの取り付け位置のガイドラインを公開
コンビニエンスストアなどで取り扱われる代表的な17の商品について、RFIDの適切な取り付け位置の指針となる「個品(商品)への電子タグ貼付に関するガイドライン」、および物流時の商品の梱包やカゴ車へのRFID取り付け位置を示す「物流形態における電子タグ貼付に関するガイドライン」を策定した。国内の消費財のサプライチェーン効率化に向けて、各企業での導入を支援する。
 

「商品取り付け推奨位置」例

「商品取り付け推奨位置」例


 
「ダンボール箱内取り付け推奨位置」例

「ダンボール箱内取り付け推奨位置」例


 
④国際標準EPCISに準拠したデータ共有モデルを策定
サプライチェーン上の異なる拠点にある複数企業のデータを当事者間で共有するためのモデルを整備した。また、情報共有時のデータフォーマットやルールなどを検討し、実証実験の結果などを踏まえ、サプライチェーンにおける情報の共有のあり方のひとつとして、「EPCISデータ連携ガイドライン」を策定した。
 

○EPCIS(Electronic Product Code Information Services) サプライチェーンの可視化を行うため、商品の移動情報などをコンピュータ・サーバー上に蓄え、共有する情報サービス。

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