2019年11月29日

今家印刷㈱(本社・埼玉県戸田市早瀬1の5の1、今家裕久社長)は11月22日、宮城・名取の同社仙台工場で内覧会を開催した。

宮城県内のみならず東北各県および関東地方からも来場者が訪れたこの会では、今年1月に落成した同社仙台工場で稼働する印刷機をはじめとした全生産システムを披露するとともに、本社工場と一体となった効率的なワークフローシステム、高品質な印刷製品の製造を支える仕組みなどを、セミナーを交えながら紹介。

本社で受注した仕事の製造だけにとどまらず、これらの最新鋭の生産設備をもって東北地方の印刷業界のサポートも積極的にしていく姿勢を示した。

 

大型無線綴じラインやUV印刷機などの生産性が高くバラエティに富んだ設備を活かし

同業者からの仕事も積極的に受け入れて東北地方の印刷業界をサポート

 

今家会長

今家会長

同社は書籍印刷・ページ物印刷を主とする印刷会社で、本社工場では四六全判2/2色機3台、菊全判2/2色機2台、四六全判1/1色機3台の計8台の印刷機が稼働し、とくに2色物や特色印刷への対応力の高さを大きな強みとしている。

そしてこの仙台工場では、アグフア社製の四六全判CTP「アバロンN8-90」と現像レスCTPプレート「アズーラ」、菱栄機械から導入した三菱重工製の四六全判タンデム式2/2色印刷機と菊半裁UV6色印刷機、小森コーポレーション製の四六全判1/1色印刷機、ミューテック製の紙積み機、クラボウ製の調肉システム「AUCOLOR-OF10」、芝橋製の特色インキ自動計量装置「レインボー」、永井機械製作所製のA倍判対応断裁機「NCW-D9」およびリフター/紙揃え/スタッカーのシステム、ホリゾン製の菊全判折り機「AFC-762KLS」3台と菊半裁紙折り機「AF-49」1台、乱丁検査カメラ・金属検知器・重量検知装置を搭載した大型高速無線綴じ製本ライン「CABS6000」、貼り込み機、西岡製作所製の「トライオート」、富士機械製のクラフト梱包機などを導入している。

この仙台工場は現在、月産50万部の印刷製本の生産能力を有し、1年後には人員増強を図って生産能力を100万部にまで引き上げることを計画している。

 

本社工場からの遠隔無人出力やカラーマッチング

工程間のスムーズな受け渡しによって短納期対応を実現

 

今家社長

今家社長

会の冒頭、あいさつに立った今家元治会長は「当社は埼玉県戸田市に本社と工場を構えて営業してきたが、この宮城・名取の地に新たに工場を設けようと思った狙いは主に2つある。1つは、地震などの自然災害が万一起きた時のリスク分散のために、遠隔地に拠点を設けた。そしてもう1つは、これまでは書籍の本文印刷をしてきたが、プリプレスから表紙印刷、折り、製本などの全工程をワンストップ生産できる環境を構築し、会社を成長させるためだ。その狙いを実現させたこの仙台工場が、ようやく今年1月からスタートした。当社にとっての成長もそうだが、宮城県および東北地方の同業者のみなさんのお仕事の下請けでサポートもしていきたいので、当社の設備をご覧いただいて活用してもらいたい」と述べた。

続いて今家社長は、「この仙台工場は、印刷・製本の一貫工場というコンセプトで設計・設備をしている。生産効率を高められるようにワンフロアの工場レイアウトを敷き、ワンストップで高品質・短納期という時代と市場の要望に応えられる体制を整えた。とくに、短納期に応えられるようなスムーズな工程間の受け渡ができることに留意し、本社からの遠隔操作で深夜でも無人出力ができるCTPおよびカラーマッチング環境の構築、インキ乾燥待ち時間を極限まで短くできるような湿し水量を絞れるCTPプレートの選定および速乾印刷技術の習得、UV印刷の活用、そして印刷したものから順に断裁をせずに折り作業を始めることで、当該ジョブ刷了時にはその仕事の折り作業もすでに進行するようなスケジューリングなどの工夫をしている」と、仙台工場の特徴を説明した。

 

書籍製作に対応する薄紙印刷に適したシステムと技術を採用

小ロット対応や厳しい出荷検査体制も敷いた先進性を備える

 

続いて、仙台工場で稼働する機器の見学およびそれらの特徴を解説するセミナーが行われた。

 

CTPルームの見学のようす

CTPルームの見学のようす

プリプレス工程については、本社工場と仙台工場で同じプリプレスワークフローシステムの「アポジー」を使うことでCTP出力の無人遠隔操作を可能にしているほか、仙台工場にはUV6色印刷機が稼働していることからCTP出力と色校正出力を1ジョブ・マルチフローで統合的に管理して高精度なカラーマッチングを実現する「アポジーカラー」を採用。

そして四六全判CTP「アバロンN8-90」と、砂目が浅くて印刷時に湿し水量をしっかりと絞ることができて速乾印刷に適している現像レスCTPプレート「アズーラ」を採用している。

小森コーポレーション製の四六全判1/1色印刷機

小森コーポレーション製の四六全判1/1色印刷機

「アズーラ」の採用に関しては、「高品質な印刷物が作れ、かつ短納期にも対応する速乾印刷技術をするために“アズーラ”はなくてはならない。

また、現像廃液を必要としないので環境面にもすぐれ、しかも現像工程がないので現像液の温度や活性度によって網点がブレることがなく安定し、しかも露光後の版面の視認性は現像ありプレートと同じなので扱いやすい」という評価ポイントを表した。

 

印刷機については、工場竣工時に菱栄機械から導入した三菱重工製の四六全判タンデム式2/2色印刷機と菊半裁UV6色印刷機を採用、その後に小森コーポレーション製の四六全判1/1色印刷機を追加増設した。

三菱重工製の菊半裁UV6色印刷機

三菱重工製の菊半裁UV6色印刷機

2/2色機および1/1色機については、表裏見当性がすぐれていて、裏面印刷でも用紙を反転させないので用紙にかかる負荷が少ないので薄紙への印刷適性が高いことから採用を決めている。

菊半裁UV6色機については、これまでは手掛けていなかった書籍の表紙印刷用に導入したもので、ワンストップ工場を実現する上でなくてはならない設備となっている。

三菱重工製の2台はフルオーバーホール済みのリノベーション機(メーカー保証付)ながらコンディションも良く、同工場の主力機となっている。

またセミナー内で、パレットに棒積みした紙を反転する自走式の機械「ターナ/トルネード」も紹介された。

片面印刷機でドンテン両面印刷をする際などで重宝するほか、厚紙専用機の「トルネード」では同時に温風を入れて紙粉除去および紙捌きもできるので、寒い地域・季節で紙が冷えてインキの着肉が悪くなる場合、前もってこれを使うことでインキ着肉の悪化を防げるという効果もある。

 

 

無線綴じライン「CABS6000」

無線綴じライン「CABS6000」

ポストプレス工程については、人手をなるべく介さないようにパレットフィーダータイプのホリゾン製菊全判ページ折り機「AF-762KLS」3台のほか、小ロット対応を意識してコンピューターによる自動セット替えによりセット替え時間が10分程度で済む17クランプ24鞍の無線綴じライン「CABS6000」を採用。

この無線綴じラインには、乱丁防止、厚み検知、重量検知、金属検知の各種検査装置に加え、最後に製本強度を測ってから出荷する体制を採っている。

さらに、同社の仕事の特徴である薄紙にも対応するよう、丁合機は万力方式。

同社ではこの無線綴じラインを使った1000ページにのぼる冊子製作の実績もある。

 

 

 

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