2019年11月20日

日本印刷技術協会(JAGAT、本社・東京都杉並区、塚田司郎会長)はこのほど、『印刷白書2019』を発行した。
 

2006年のリニューアル以来、印刷産業の動向把握に必要な公表データの網羅・掲載のみならず、トピックとなる情報、周辺業界や関連情報に加え、JAGATオリジナルデータも増やしてきた。
 

印刷白書2019は①第1部(第1章:特集 デジタル×紙×マーケティングforBusiness)②第2部(第2章:印刷産業の動向、第3章:印刷トレンド、第4章:関連産業の動向)③第3部(第5章:印刷産業の経営課題)の3部・5章で構成している。
 

第1部の特集のテーマは「デジタル×紙×マーケティングfor Business」。2月のpage2019で行われた基調講演「実践!デジタル×紙×マーケティング」と2つのカンファレンス「デジタル×紙×マーケティングを支える技術~バリアブル印刷の実際」「デジタル×紙×マーケティングを実践する印刷会社」のエッセンスを報告。さらに、「マーケティング支援への意識改革と方策」と題して、JAGATの郡司秀明専務理事がpage2019から見えてきた印刷業界の方向性について言及している。過去と今後のデジタル化の流れを、主に技術進化の視点で捉えることができるようにDTP・デジタル年表も掲載している。
 

第2部では、これまでの潮流(マクロトレンド)の中で、この1年(2018年度)を概括し、その中から本年度のトレンド、動向を把握している。
産業構造から見た印刷産業、産業連関表による印刷需要、上場企業分析などを他にない視点による情報を掲載。デザインから後工程までの印刷工程に関しては、最新の情報を整理して印刷トレンドとしてまとめた。印刷に隣接する関連産業の動向と印刷に与える影響などを把握する情報も掲載している。
 
第3部では、印刷産業を取り巻く経営環境を分析し、社内リソースを活用し、新市場を切り開くための課題について取り上げている。これからの中長期の経営、ビジネスに必要な重要課題として、地域活性化をはじめ、経営管理、クロスメディア、デジタルマーケティング、人材などを取り上げ、進むべき方向性を示唆している。さらに人工知能(AI)とソーシャルメディアの最新トレンドにも触れ、次世代のビジネスモデルを検討している。
 
 

塚田会長は巻頭あいさつの中で次のとおり刊行の趣旨を述べている。
「この10年で印刷産業の企業数は1万社減って2万2000社となった。産業のピークだった30年前の半数である。リーマンショック後の世界では企業は製品やサービスのプロモーションにROIを重視するようになり、スマートフォンの登場以降は、デジタルメディアは年々進化して、人々がそうしたメディアに接触する時間が増え、結果として紙メディアは減少してきた。現代では、DMのような紙メディアからQRコードでスマホやPCのサイトに導き、ユーザーとコミュニケーションをとる企業が増えてきた。こうしたニーズにはマーケティングに対する理解も不可欠だが、それとともにバリアブルプリントの技術で印刷物のパーソナライゼーションを可能にしなければならない。JAGATでもそれを『デジタル×紙×マーケティング』と称して、昨年に引き続き研究し、事例の紹介に努めてきた。
時代の変化、デジタル技術の変化とともに、単に紙にインクを載せていた姿からビジネスの目的や業態も変わっていく。もちろん、オフセット印刷の生産性向上についても継続し努力しなければならないが、コモディティプリントは減少しているので、デジタルメディアとつながり、紙メディアの価値を高めることにも留意する必要がある。変化する社会のニーズに対して適応できる人材の育成は重要な経営課題の一つである。今年の印刷白書が各企業にとって、変化の方向性について考える際の参考となることを願っている」
 
A4判142ページ、定価9000円(税別)。
 

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