2019年11月09日

人材アセスメントツールとは?
目的に応じて、最適なツールを導入する

 

人と仕事のマッチング(Job Fit)が最適であると人の生産性が飛躍的に跳ね上がるといわれる。適材適所の人材配置が、個人にやりがいと満足感を与え、生産性を高める一方で、仕事関連のストレス、緊張感、職場内の対立を減らし、離職率の低減によるコスト削減効果をもたらすことが研究によりわかっている。
 
職務で成功するために必要な特性と、個人の持つ特性が一致する度合いを示すものがJob Fit(職務マッチング)である。Job Fitを査定することで、その人材が職務を実行できるか、どのように実行するか、その職務に喜びを見出すかを判断できる。Job Fitは、職務に影響のある資質を浮かび上がらせるという独自性があり、それが人材の生産性を高めることに寄与する。しかし、従来の人事ではJob Fitは経験や勘に基づく判断に頼りがちだった。多様な職種・ポストに適切な人員を配置するには従業員一人ひとりのスキル・経験・特性などを把握する必要があるため、人間の力だけでは限界が出てきている。
 
プロファイルズ㈱は、こうした課題を解決し、人材のさまざまな資質を「見える化」し、職務の特性と掛け合わせて分析することで、Job Fitを可能にするサービス「ProfileXT®」(PXT)を提供している。
 
プロファイルズ㈱ディレクター パフォーマンスコンサルタントの水谷壽芳(みずたに・ひさよし)氏に人材アセスメントツールの果たす役割を説明してもらった。
 

(「PRINT ZOOM」編集部)

 

本人の回答によって
個人の特性を導き出す

 

――人材アセスメントツールとは?
 

人材アセスメントツールとは、対象者本人が一定の設問に回答することで、個人の特性が導き出される科学的手法を指します。企業において個人の特性を客観的に理解し、採用や配置などの人事の意思決定を最適化することや、個人の強みを活かす育成のためなどに活用が進んでいます。組織と個人の可能性を最大化できる人材アセスメントツール。その正しい意味と導入における留意点を理解して運用することが重要です。
 

人材の客観的な情報をスピーディーに提供
さまざまな局面で戦略的な人事が可能に

 
――なぜ人材アセスメントツールを利用するのか?
 
アセスメントツールの活用によって、その人材についての客観的で詳細な情報がスピーディーに提供されます。適切なアセスメントツールを選ぶことで人事領域におけるさまざまな局面で活用が可能になります。
PXTでは、個人の行動特性や思考スタイル、興味領域を、自己回答形式のアセスメントにより測定し、その結果をもとに、仕事面での成長のみならず自己開発として可能です。
そして、企業に対しては、次のメリットがもたらされます。

 

▽戦略的な人事の実現:客観的アセスメント結果データに基づき採用、選抜、登用、配置等の局面における有効な人材活用を実行することが可能になります。
▽人材の発掘・登用:新規事業の立ち上げ、子会社設立における人材の発掘、またサクセッションプランニングなどにおける最適な人材の登用に役立ちます。
▽採用力の向上:自社に適した人材を見極めることができ、採用におけるコストを圧縮します。
▽効果的な人材の育成:対象者それぞれの個性に適した教育を実施することができ、強みを最大化します。
▽より良い組織の形成:チームメンバー同士が特性を知り合うことにより、お互いの強みを活かす組織つくりが実現します。
▽モチベーションの向上:企業は、個々のモチベーション要因を把握した上での、アサインメントが可能になります。
▽精度の高い配置転換:客観的な人材データを基にすることで、配置転換時などの有益な情報源として活用が可能です。
▽優秀人材の維持(キャリアプランニング):個別のキャリアプランニングを示すことができ、やりがいのある仕事に就いてもらうことが可能になり、働きがいのある職場組織で働いてもらえる環境をサポートします。

 

テスト/サーベイ形式のツールとは違う
特性を知り区別して使用しよう

 
――テスト/サーベイとアセスメントの違いは?
 
科学的なアプローチにより人材の理解を助ける人材アセスメントツール。これらに類似するツールとして、テスト形式のものやサーベイ形式のツールが存在しています。通常、これらが区別されずに使用されているケースがありますので、整理してみましょう。
 
<テスト>
正解、不正解がある設問形式です。技術や管理の方法論などの知識やスキルを測定します。例えば、PC関連スキルをどれだけ有しているか、簿記の知識や個人情報保護の法規をどれだけ理解しているか、などです。比較的簡単に観察し、評価し、測定することができる領域と言えます。
 
<サーベイ>
設問への回答を集計・集約しています。(統計処理などは含まれない)いくつかの種類のサーベイが存在します。例えば、180度/本人と直属の部下からのフィードバック、360度/本人と直属の部下に加え、上司と同僚等からのマルチフィードバックのサーベイ、そしてカスタマーロイヤリティアセスメント/顧客からのフィードバックサーベイなどが存在します。最近では、従業員エンゲージメントを調べるツールもあります。
 
<アセスメント>
対象者の回答に応じて、アルゴリズムに基づき統計処理されたデータがレポートとして出力されます。理論的な観点に基づき設計された設問により構成され、指標化された結果になります。データに解釈が加えられるために、組織への導入に際しては、信頼性と妥当性に関する論拠を確認することが重要になります。
 
-アセスメントツールの種類
ProfileXT®
Everything DiSC®
The Five Behaviors®
MBTI®
16PF®など
 

アセスメントツールはこうして選ぶ
品質の分岐点は信頼性と妥当性

 
――アセスメントツールを選ぶときの留意点は?

 

数多く存在するアセスメントの中から、企業にとってベストなものを選択するにはどうしたらよいでしょうか?
どの企業にも、独自のニーズや人事領域の課題があります。オンラインで選ぶにしろ、ベンダーとの面談で選ぶにしろ、次のような点に留意することが大切です。

 

<学術的な検証>
学術的に検証されているアセスメントなのか。裏づけとなる検証情報が開示されているか。

一人ひとりが持っている資質やポテンシャルを引き出し、人材が輝くことを後押しするアセスメントツール。プロファイルズ社では、アセスメント結果を人材の意思決定の3分の1以上の意味を持たせるべきではない、としていますが、それらツールのスコアが組織に与える影響を過小評価してはいけません。その人材のキャリアを方向付ける可能性もあります。アセスメントツール品質の分岐点は信頼性と妥当性にあると言われています。
 
――信頼性とは?
 
測定すべきものを、一貫して測定できるかを指す。安定性と言い換えることもできます。信頼性を示す一つの規準はアルファ係数といわれており、アルファ係数/0.70以上が目安とされています。
 
――妥当性とは?
 
アセスメントが意図するものを効率的に測っているかどうかを指す。そのアセスメントは、測りたいことを測っているか、ということです。アセスメントの開発元によりリリースされた、妥当性の証拠文書などを確認すると良いでしょう。
 

結果の納得度を忘れてはいけない
アセスメントの良し悪しの決め手

 

<レポートの分かりやすさ/結果に対する共感>

アセスメント結果の納得度はどうか?
表現は受け止めやすいか?
結果を理解するためのサポート資料などは整っているか?
 
アセスメントを検討する際に忘れてはいけないのが結果の納得度です。アセスメントの良し悪しの決め手は、人がその結果に納得できるかどうか、にあります。良いアセスメントに人は共感しますが、粗悪なアセスメントには「これは自分にはあてはまらない」と言うでしょう。アセスメントレポートの質や結果を理解するためのサポート資料など確認しましょう。
また、レポートの表現は適切な日本語で受け止めやすい内容でしょうか?
実際にトライアルとして回答してみる、ということも一案です。
 
<情報プラットフォーム>
アセスメント結果をスピーディーに入手し、活用できるか? アセスメント・プラットフォームを有しているか?
格納データはセキュリティーの観点において万全か?
 
オンラインで回答できるアセスメントツールのメリットは結果スコアを即時に得られるという利点があります。アセスメントの結果をすぐさま確認し、ビジネスの現場で活用できるか、という観点です。企業のマネジメントや人事部門がアセスメント結果にアクセスできる利用環境(アセスメントプラットフォームなど)が備わっているでしょうか。また、データが格納されている環境の確認も重要です。データ格納に対する十分な備えがあるか、どのようなセキュリティー方針で管理されているかをアセスメント開発元に確認してみましょう。
 
<運用サポート>
自社のニーズに沿ったサポートを受けられる体制があるか?
導入を支援するマニュアルやプロダクト認定セミナーが存在するか?

企業がアセスメントツールを導入する目的は、ビジネス上の成果に結びつけること、組織の課題を解決に導くことです。ツールを入れることが目的ではありません。アセスメント導入、その後に着目することも選定のための一つの切り口です。アセスメントツールを導入するための各種のトレーニングが備わっているのか。ユーザーを対象としたアセスメント認定セミナーがあるのか。ツールの導入を促進する各種のマニュアルやファシリテーション教材は十分でしょうか。オンラインや電話によるサポートは受けられるのか、等が確認項目です。また、開発ベンダーが国内外においてどの程度の期間ビジネスを展開しているか、アセスメントの開発に長年向き合っているかも重要な観点です。グローバルなサポート体制があるかも大切になるでしょう。
 
――ProfileXT®(PXT)の特徴は?
 
20年にわたる36万人へのキャリア追跡調査の結果、職務にフィットしている人材はそうでない人材と比較して、およそ2.5倍の生産性をもたらすという研究結果が報告されています。
優れた成果を達成する人材は学歴や仕事への経験値などではなく「その人材がどれだけその職務にフィットしているか」がもっとも重要であることが証明されています。PXTは、人と職務のフィットを測定し、適材適所の実現を支援します。
 
企業には共通する次のような人材活用の課題があります。
採用:採用におけるミスマッチを解消したい。優秀な人材の定着率を向上したい。
配置:直観や勘に頼った配置や登用を見直したい。次世代を担う人材プールが不足している。
育成:投資効果の上がらない育成施策を立て直したい。人材の能力を埋もれさせてしまっている。
 
PXTは、人と職務のフィットを測定し人材の生産性を最大化します。
採用:優秀な人材の獲得と定着率向上
配置:各ポジションに適切な人材を登用
育成:育成効果の高い人材の見極め
 
PXTには3つの特徴があります。
1、企業独自の成功「パフォーマンスモデル」の作成
自社向けにカスタマイズした職務モデルを自由に設計できる。
2、人材マネジメントの全領域に適用可能
1回のマネジメントで採用―配置―育成に対応し、人材―データを蓄積、評価
3、多言語対応と世界最高水準のクォリティ
33言語での自由なレポート出力と言語ごとに検証された妥当性と信頼性。125カ国、世界4万社で展開する世界標準の科学的ソリューションである。
 
参考:「人材アセスメントツール/信頼性・妥当性とは?」 John Wiley and Sons社 Dr. Mark Scullard氏
https://www.jobfit.jp/movie_content2.html
 
 

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