2019年10月21日

新星社西川印刷㈱(本社・東京都台東区松が谷4の26の4、西川晴重社長)は10月7日~11日まで、今年4月に菱栄機械㈱(本社・千葉県柏市、高木雄二社長)から導入したリョービMHIグラフィックテクノロジー㈱(本社・広島県府中市、広川勝士社長)製の菊全判両面専用タンデムパーフェクター8色印刷機「RMGT1020 V1TP-8」を披露するオープンハウスを東京・足立の同社入谷工場で開催した。

同機には世界初となるアイグラフィックス㈱(本社・東京都墨田区、藤村博一社長)製のハイパワーUV-LED乾燥装置が両面に搭載されており、タンデムパーフェクターならではの表裏の品質差や見当精度の高さを実現するとともに、ハイパワーLED-UV乾燥装置による即乾性や厚紙への高級印刷も実現している。

10月9日に記者会見を開催し、その稼働状況を紹介した。

 

 

昭和37年に創業した同社は、当初は下請け印刷専門の会社だったが、現在は高級なパンフレットやカタログ、美術印刷をはじめとした高付加価値な仕事を多く行うほか、厚紙へのパッケージ印刷なども手掛けるまでに変貌を遂げた営業間口の広い総合印刷会社。

同社の大きな特徴1つは約20年前から始めている高精細印刷で、アグフア社製XMスクリーング「スブリマ」を採用し、300線を標準印刷としている。

 

同社が保有する印刷機は、今回披露した「RMGT1020 V1TP-8」のほか、菊全判5色機「DIAMOND V3000LS-5(ecoUV2灯付)」、菊全判2色機「NewDAIYA302」の計3台が入谷工場で稼働し、本社工場に菊半裁4色機が稼働する。

この「RMGT1020 V1TP-8」は、油性の両面専用タンデムパーフェクター8色印刷機との入れ替えとなる。

西川社長

西川社長

その狙いと動機について同社の西川社長は「これまでもタンデムパーフェクターを使ってきて、その品質や性能、表裏見当精度の高さ、使い勝手には十分に満足をしていたので、実績と信頼から迷わずその後継モデルを選択した。ただ、表裏での濃度や艶感の差、網点の形状や再現性、そしてブロッキングやパウダー残りなどのトラブルを一切排除できるUV印刷の有用性については以前から着目していたので、これを機会にLED-UV印刷仕様のものとした。また、今後の経営・営業展開を考えると、厚紙への対応力、さらには紙以外の原反に対する高付加価値印刷化をしなくてはならないと考え、それに対応するハイパワーなLED-UV乾燥装置をあわせて搭載した」と説明した。

 

実際に導入すると、そのような狙いが的中した上に、営業面でのメリットも生まれたという。

「高級印刷の仕事が多いゆえ、たとえばリッチブラックなどの重たい絵柄が多用される。このハイパワーUV-LED乾燥装置は紙面までの照射距離が離れていてもしっかりと乾燥するので、印刷ユニット直後の立ち上がり部ではなく用紙を走行させた後のチェーン搬送部で照射する。そのため、インキに平滑性が出てファンシーペーパーでも艶が出ると評価を頂いている。また、UV印刷なのでドライダウンがないため、印刷立ち会い時と納品時で色が違うという指摘を受けることもなくなった」と同社営業部第1課の渋谷昭仁課長は語っている。

 

そのアイグラフィックス製のハイパワーUV-LED乾燥装置は、高い照度と積算光量を兼ね備えたモデルで、紙面までの照射距離が約90~120㍉でもっとも強くなるような集光設計をしている。

そのため、用紙の咥え尻が跳ねやすい厚紙や重たい絵柄の印刷物にも対応し、パッケージ印刷にも適している。

 

菊全判両面専用タンデムパーフェクター8色印刷機「RMGT1020 V1TP-8」

菊全判両面専用タンデムパーフェクター8色印刷機「RMGT1020 V1TP-8」

同社で稼働する「RMGT1020 V1TP-8」の平均ロットは3000通し程で、高級印刷物の仕事が多いこともあって本機校正を推奨いることから、なおさらジョブ替えの頻度は高くなる。

「後になって色に関するトラブルが発生するよりは、きちんと手間や時間、コストをかけてでも最終成果物の出来栄えを確認できる本機校正を選ばれる発注者様が多く、また当社も本機校正をセールスポイントにしている。その本機校正を出すにあたって、ジョブ替え時間が長くかかったり、損紙をたくさん出していては仕事が回らない。そこで、ブランケット洗浄中に各種プリセットなどを並行処理できるモデルを採用したことで、従来機に比べてジョブ替え時間が3~4割短縮された。さらに、両面4色印刷でも損紙が100枚以下に抑えられるように、印刷時に印刷機のインキキーは触らず標準印刷だけをすることにして、色に問題があればプリプレス側で修正をしてまた標準印刷をするというルールを作って運用している」(西川社長)

 

同社では、高精細印刷を両面ワンパスの短納期で厚紙にも印刷できるという「RMGT1020 V1TP-8」の特徴を前面に出した営業をしていくほか、将来的には紙素材以外の原反への印刷にも挑戦する予定だ。

「これだけの高スペック機で使用範囲が広く、さらには即乾性まである。これまではお断りせざるを得なかった案件もあったが、この印刷機があればそのようなことはもうないので、営業の競争力と交渉力が高まった。そして、紙以外の原反への印刷やいっそうの高級感を求める発注者に最高級の付加価値製品を、この印刷機をもって提供していく」と西川社長は今後の展望を表した。

 

 

 

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