2019年10月04日

ハイデルベルグ・ジャパン㈱(本社・東京都品川区、水野秀也社長)は今年8月、倍径圧胴を持つ菊半裁片面印刷機「スピードマスターCX75」の国内初号機を㈲樋口印刷所(本社・大阪府大阪市東住吉区桑津1の6の12、樋口裕規社長)に納入した。

それを受けて10月3日、その「スピードマスターCX75-4」の樋口印刷所での稼働状況を披露・報告する記者懇談会を開催した。

 

樋口印刷所で稼働するスピードマスターCX75の国内初号機

樋口印刷所で稼働するスピードマスターCX75の国内初号機

樋口印刷所は昭和45年に創業した、同業者からの下請け仕事に特化した印刷会社。

CTPから印刷機、断裁機をハイデルベルグ社製のもので統一しており、他社ではできない/やりたがならいような難しい仕事、特殊な紙や原反への印刷、高い印刷品質が求められる仕事、特色の使用や超短納期の仕事など、あらゆる打診を断ることなく数多くこなすうちに、商圏内屈指の高い技術力を持っていると同業者から認められる印刷会社へと成長した。

現在は、チラシやカタログ、パンフレットといった一般的な薄紙への商業印刷物はもちろん、厚紙へのパッケージ印刷、シール・ラベル印刷、ユポ紙やフォイル紙、台紙、カード、和紙、不織布といった極薄紙~厚紙までの多様な原反への印刷など、同業者が困っているような仕事もこなす幅広い間口を持っている。

 

印刷機の構成はすべてハイデルベルグ社製菊半裁の油性印刷機で、▽4色機の「スピードマスターXL75-4」、▽2色機の「スピードマスターSX74-2」、▽両面兼用2色機の「スピードマスターPM74-2P」、▽ハイパイル仕様4色機の「スピードマスターSM66-4H」が2台――の計5台。

その中の、20年以上稼働させてきた「スピードマスターSM66-4H」1台と入れ替える形で、今年8月に菊半裁片面4色機の「スピードマスターCX75-4」を導入した。

 

樋口印刷所が受ける仕事は、数年前までは薄紙の仕事が7割強、厚紙の仕事は3割弱だった。

しかし、パッケージ印刷市場の伸長、特殊紙・原反を使用するような仕事が増えるとともに受注内容も変化していき、現在は厚紙と薄紙の仕事量はおおよそ同じくらいになった。

樋口社長(左)と中谷テクニカルマネージャー

樋口社長(左)と中谷テクニカルマネージャー

そのような状況から樋口社長は、「厚紙印刷への抜群の対応力を“スピードマスターXL75-4”は持っているが、1台だけでは仕事をまかないきれなくなりつつあった。そこで、厚紙でも高い印刷品質を実現する倍径圧胴を持ち、かつ薄紙と厚紙のジョブ替えにおいて一切の作業が不要な、柔軟性を持つ印刷機をもう1台入れようと決断した」という。

単純に「スピードマスターXL75-4」をもう1台入れられれば良かったのだが、廃棄する「スピードマスターSM66-4H」は対応用紙幅が9㌢㍍も小さく、もちろん機械幅も小さい。

そのスペースには機械幅および周辺機器を勘案すると「スピードマスターXL75-4」を設置することができなかった。

そこでハイデルベルグ・ジャパンから提案されたのが、菊半裁機では最小クラスの機械幅となる省スペース設計ながら、「スピードマスターXL」のコンセプトを踏襲した倍径圧胴を持つ菊半裁片面印刷機「スピードマスターCX75」だった。

 

折り畳み式のステップを出した状態(左)と畳んだ状態

折り畳み式のステップを出した状態(左)と畳んだ状態

「スピードマスターCX75」は、ハイデルベルグ社のフラッグシップモデルとなる「スピードマスターXL」と同じフィーダー、デリバリー、エアートランスファーシステムを持ち、0.03㍉の薄紙から0.6㍉(オプションで0.8㍉まで対応)のカードボードまで対応できる汎用性の高さが特徴となるモデル。

機械幅は2.81㍍ととてもコンパクトで、「スピードマスターXL75」と比べて約50㌢、「スピードマスターSX74」と比べて約10㌢も短く設計され、しかもステップが折り畳み式なので限られたスペースでも設置が可能。

薄紙印刷から厚紙印刷まで柔軟に対応するので、その両者が混在するようなジョブ順でも高い生産性を実現できる。

 

樋口印刷所では「スピードマスターCX75-4」を導入したことで、厚紙印刷の仕事が圧倒的に効率化し、また特色を使用する仕事とセットインキで回し続けられる仕事を印刷機ごとにうまく使い分けられるようになった。

印刷機自体の生産性向上、そして各印刷機への効率的な仕事の振り分けや段取りができるようになったことで、工場全体の生産性・ジョブ処理数が約20%も向上し、工場稼働時間が1日あたり約2時間短縮している。

 

樋口印刷所の中谷和美テクニカルマネージャーは「ハイデルベルグ製の印刷機はとにかく丈夫で長持ちする。そして、印刷作業をスムーズにやっていく上で大事なポイントは、フィーダーをはじめとした紙搬送でトラブルがなくチョコ停をさせないこと。その点において、ハイデルベルグ製印刷機のフィーダーは特筆するものがある。また、厚紙と薄紙とのジョブ替えがあっても爪調整作業はまったくなにもせず、厚みを入力して紙を変えるだけなので、使い勝手もとても良い」と評価している。

 

 

 

 

 

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