2019年08月15日

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兵田社長

オフセット印刷会社からデジタル印刷会社へ。兵庫県西宮市に本社を置く兵田印刷工芸㈱(兵田好雄社長)は、保有していたオフセット印刷機を撤廃して、デジタル機オンリーの印刷会社へと大きく変貌を遂げた。「Jet Press720S」を含む4台のデジタル印刷システムを駆使し、まさにオンデマンドで、必要なものを、必要なだけ、必要な時にといったデジタル印刷の持つ長所を生かしながら、B2サイズポスターなどの大型可変印刷と独自のマーケティング思考で、未来の印刷ビジネスを創出しようとしている。それに加えて、パートタイマーを含め総勢19人という少数精鋭で事業を行う同社は、MISと富士フイルムのワークフローシステム「XMF」「XMF REMOTE」を連携運用することで営業効率、制作効率をアップさせている。

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作業風景

同社が「XMF REMOTE」を含むワークフローシステム「XMF」を導入したのは平成28年4月、現在4年目を迎えており、初校から出力まで、すべての制作データを登録する「全ジョブ運用」を行っている。「XMF REMOTE」に関しては、現在メインの顧客10数社にて運用中であり、「XMF REMOTE」に登録しているクライアント担当者との校正指示、確認といった業務の時間短縮や効率化が図れ、クライアントと同社の働き方改革にもつながり、大きな効果が生まれているという。

少数精鋭で事業を展開している同社にとって、あらゆる業務の効率化が大きな命題である。とくにビジネスの入口、ジョブの創出を担う営業部員の効率アップは重要だ。「営業部員は営業本来の業務に時間を割いてもらいたい。仕事が来るのを待つのではなく、お客様の求める以上の効果的な企画・商品を提案する創注活動を行い、営業部員自らが付加価値を創出するべきだと考えている。そのためには、営業部員に想像力・知識力を上げるための時間を増やすための経営側の努力が必要だ」と兵田社長は話す。

JetPress (1)

オフセットを廃し、デジタル機オンリーの企業へ

その一例として、「XMF REMOTE」を活用しているクライアントとの校正のやりとりでは、初校から「XMF REMOTE」のみで校正・修正・確認を行うリモートプルーフで行なっている。そのため、入稿打ち合わせは営業部員が関わるものの、制作部の担当者が直接の窓口になって、できるだけ営業の手を煩わせないようにしているという。もちろん営業部員は、その間の進捗状況を「XMF REMOTE」や制作部などを通じてコミュニケーションができており、最終の商品の出来上がりまで手を煩わすことなく、本来の営業業務に専念できる時間が増えたということになるのだ。また、「XMF REMOTE」を活用して頂くために、クライアントには煩雑な校正作業等の改善という、業務改善の提案を積極的に行っている。その反応としては、ここ最近、クライアントの利用率が非常に上がっている。

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同社の外観

前述したように、同社はオフセット印刷会社から完全なデジタル印刷会社へと変貌している。保有するデジタル印刷システムは、富士フイルムのデジタルインクジェット印刷システム「Jet Press720S」と富士ゼロックスの「Color 1000 Press」1台、「Versamt3100 Press」2台で、とくに「Jet Press720S」は昨年9月に導入したシステムだ。導入した「Jet Press720S」は色域が広いことからオフセット印刷よりも高品質な印刷物がノンスキルでオペレーションでき、かつ大判サイズのバリアブル印刷ができることから、「デジタル印刷にしかできない」ことを積極的に展開することを目指している。さらには、保有していた両面8色オフセット印刷機を廃したことで、工場のスペースに余裕ができたため、1部からの小ロットオンデマンドの印刷物にも柔軟に対応できる自動無線機とオンデマンドトリマーの製本システムを導入、企画提案、制作から印刷、・製本までの一貫した生産ラインを構築した。

また、「Jet Press720S」であればオペレートは専任社員ではなくても行えることから、女性のパート社員二人を中心にデジタル印刷部門のオペレートを担当させたことも、デジタル印刷に舵を切った同社の経営判断の特徴の一つである。加えて、社内には大型のモニターが各所に設置されており、現在仕掛中の仕事がどういった状態にあるかの進捗状況が一目で社員一人一人が確認できるようになっていた。

このように同社は、「XMF」「XMF REMOTE」、「Jet Press720S」を含む4台のデジタル印刷・製本システムなど、デジタル印刷に対し積極的に設備投資を行っている。それに対して兵田社長は「設備投資は社員教育だと考えている。機器の操作はノンスキルでできるが、デジタル印刷を生かしたジョブ開発を行うための知識や想像力など社員の基礎レベルを上げなければならないからだ。そうすることでデジタルでしかできない部分を社員が明確に判断できると思う。現状をキープしようとしていてはだめで、生き残りのためには受注産業から創注産業にならなければと考えている」と説明し、「印刷会社の常識は、一般社会では非常識である、ということを絶えず念頭においている」と話してくれた。

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