2019年07月11日

三菱重工製の商業オフ輪および新聞オフ輪ユーザーで組織するリソピアクラブ(木下宗昭会長・佐川印刷㈱会長)は7月10日、三菱グループの迎賓館である開東閣(東京都港区)で70人超の参加者を集めて講演会を開催した。

今回の講演会では、①三菱重工機械システム㈱・印刷紙工機械事業本部技術部の三田村勇輪転機担当部長による「New!MAX+シリーズのご紹介」を演題としたセミナー、②東京大学名誉教授の養老孟子氏による特別講演「経営者のための脳の話」--の2部構成で行われた。

 

長谷川社長

長谷川社長

会の冒頭、あいさつに立った三菱重工機械システムの長谷川守社長は、「リソピアクラブは昭和54年に発足し、今年で満40年を迎えることができた。長きにわたり続けてこられたのも、みなさんからの支援の賜物であり、深く感謝している。現在はITなどの技術革新によって、社会の状況も大きく変わっている。我々三菱重工グループの役割は、社会やユーザーの課題に対して総合的な技術力でソリューションを提供するところにある。どのように時代が変わってもみなさんからの信頼に応えていき、そしてみなさんの社業の発展に少しでも貢献できるように、これからも精進していく」と述べた。

 

また、同社の仁内邦男取締役執行役員(印刷紙工機械事業本部長)は「リーマンショックや近年の電子媒体の急激な普及により印刷産業は大きな変革を強いられてきたものの、実際には紙媒体・印刷物へのニーズは底堅いものがあるとも実感している。その印刷物の生産活動を、みなさんへ機械を提供することで支えていくことが我々の務めとなる。とくに新聞オフ輪に関しては、来年にせまった東京オリンピックへの備えとして、昨年・今年と当社も多くの受注を頂いた。印刷機製造業は成熟産業と言われて久しいが、技術的にみればやるべきことはまだまだたくさんあり、業界をリードする新技術を開発すべく日夜取り組んでいる。その一端を今日のセミナーで紹介するので参考にしてもらいたい」と述べた。

 

「New!MAX+シリーズのご紹介」を演題としてセミナーでは、MAX+シリーズに追加された新機能、そしてニューラインナップなどについて紹介した。

その大要は次のとおり。

 

仁内取締役執行役員

仁内取締役執行役員

【追加された新機能】

▽メインデスクの画面と折り機パネルの画面を手元のタブレット端末に表示させられる機能。オペレーターはメインデスクまたは折り機パネルという位置の制約を受けず、どの場所からも画面の確認および機械の操作が可能になる。

 

▽これまで印刷物の色の自動制御は紙面上のカラーバーで行っていたが、断裁代のないチラシでは適用できなかった。そこで、カラーバー不要のパッチレスな良紙後濃度制御機能を追加。良紙の濃度をカメラでデータ化してそれをマスターデータとして記憶し、このマスターデータと全印刷物の紙面の濃度をリアルタイムで比較し、インキキーを制御して刷了まで全自動で色をコントロールする。この機能は品質検査装置の追加機能となる。

 

▽ユーザー工場で稼働する各オフ輪と三菱重工機械システムのサービス拠点をネットワークでつなぎ、トラブル時のエラー情報の収集を迅速化するとともに精度を向上させ、対応の迅速性を図るリモートメンテナンス機能を搭載。通信機器の追加とソフトの改造で、既設機でも対応可能。

 

▽刷了時に版交換位置で機械を停止できるようになり、全色同時に版交換を開始することで、版交換時間を約10秒短縮できるようになった「マックスサイマルチェンジャー2」を搭載。また、新版の咥えもしくは尻をギャップに挿入する時に、版押さえローラーの押さえる力を適度に弱めることで、挿入失敗があったとしても新版をつぶさない保護機能も追加している。さらに、版交換の失敗の主要因である新版のセットミスを防止するために、新版のセットをセンサーで検知して、ランプで知らせる機能も追加している。

 

▽継ぎ目出しの時間短縮のために、新たに継ぎ目出しの速度を設定できるようにして、従来は約9分かかっていたものが約2分半でできるようになった。

 

▽刷了から機械停止までの間にでる損紙をできるだけ減らすべく減速時のテンションの制御の最適化を行い、同社製機比で約10%損紙が低減できる機能を搭載。

 

【追加されたニューラインナップ】

▽省エネルギー、高い印刷品質、省スペース化が図れるLED-UVオフ輪をラインナップ。

ドライヤーがないので排出ガスがゼロになり、CO2の排出も低減される。インキの乾燥に関わる費用としては、ドライヤー乾燥では年間で電気代が約600万円とガス代が約1300万円かかるが、LED-UVでは電気代が約270万円のみという試算になる。

また印刷品質については、ドライヤー乾燥の場合は紙面に熱が加わるので火じわが発生するが、LED-UVではこれが発生せず、また網点についてもシャープになる。

機械全長についても約6㍍短くなる。既設機のドライヤーをLED-UVに改造する対応も可能。

 

▽B4-2ページのストレートカット折り機をラインナップ。

MAX+シリーズの従来型の鋸刃式B4-2ページ折り機は、高速安定性、調整レスといった点で高評価を受け、全国で多数稼働している。

しかし、まっすぐな切り口にするためには後断裁が必要になるので、「後断裁が不要なまっすぐな切り口となる機械が欲しい」という要望を受け、平成29年から新たに「B4-2ページのストレートカット折り機」をラインナップし、現在は3台が稼働している。

 

 

 

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