2019年06月21日

Koenig&Bauer社は5月16~21日、同社最大の事業部門である枚葉オフセット印刷機事業の本拠地となるドイツ・ラデボイル工場で、商業印刷向けおよびパッケージ印刷向けのオープンハウス「Koenig&Bauer4.0-コマーシャルプリンティング/パッケージングプリンティング&コネクテッドサービス」を開催した。

会期中に40ヶ国1100人超の来場者が訪れたこのイベントでは、前半2日間は商業印刷向け、後半2日間はパッケージ印刷向けに、同社が推進するデジタルトランスフォーメーションとコネクテッドサービスを中心とした、最新鋭・最先端の印刷関連技術を提唱した。

 

サミックCEO

サミックCEO

イベントの冒頭、あいさつに立ったKoenig&Bauerシートフェッド社のラルフ・サミックCEOはまず、「我々にとってのもっとも重要な目標は、ユーザーを高収益化に導くことにある」と強調。そして続けて同社の新しいイメージキャンペーンを紹介し「当社ではオフセット印刷分野のみならず、地球上のあらゆる分野における多様な印刷製品を提供することで世界のコミュニケーションを支えていくことを目指し、“We print your world”というスローガンを掲げている。世界でもっとも長い歴史を持つ印刷機メーカーとして、インキと素材、素材と技術、技術と人を結び付けてきた。業界でもっとも幅広い製品ラインナップを取り揃え、世界中の印刷会社がそれぞれの目標を達成するための解決策を提示し続けていく」と語った。

さらに同氏はKoenig&Bauer社の近況についても触れ、売上高および受注額が増加している点、多くのパートナーシップと買収を通じて当初の主軸事業をはるかに超えて事業範囲が拡大していることを紹介。

とくに最新の案件となる、最先端のデジタル印刷技術を持つDurst社との合弁事業について説明するとともに、その合弁事業によって開発が進められているB1判インクジェット印刷機「VariJet106」の詳細についても紹介した。

 

このオープンハウスでは、同社の新しいサービスメンテナンスプログラムやユーザーに向けたデータドリブンサービスについて紹介された。

同社では、印刷機の稼働データのログファイルに含まれる豊富なデジタルデータ情報を基に、ユーザーに向けた革新的なサービスソリューションを展開している。

その1つ「PressCall」は、遠隔地での保守に関連したコミュニケーションを改善するもの。

これは、万一の緊急事態が起きた際に印刷機のコンソールのボタンを押すと必要なすべての情報が同社のサービス部門の技術者に直接ホットライン送信されるもので、サービス部門の技術者は印刷機の稼働状況のログファイルを見るので、ユーザーとの間の言葉の壁による遅延が起こらない。

また、問題解決策の発見がより早く、より効率的になり、それに応じて機械停止時間も短縮できて、実生産性を高めることができる。

 

リモートメンテナンス中のコミュニケーションをより視覚的でわかりやすくし、ユーザーとサービス部門の技術者間の連携を新たなレベルに引き上げるもう1つのツールとして、「Visual PressSupport」も紹介された。

これは、モバイルデバイスを介して、写真やビデオ、音声、コメント機能を送受信することにより、印刷機の現状をより正確に説明できるようにするもの。

モバイルデバイスの映像によってサービス部門の技術は、印刷機の現状を現地に赴いて見ているのと同様になるので、効果的な指示を直接ユーザーに出すことができるようになる。

 

さらに、リモートメンテナンス契約を結んでいるユーザーには毎月、パフォーマンスレポートが送信される。

このレポートでは、設置された印刷機の稼働状況に関する主要な評価指標をわかりやすい形式で視覚化し、すべての生産データの概要を一目で確認することができる。

このパフォーマンスレポートは、同じような用途・環境で稼働している世界中のほかの印刷機と比較することもできるので、これにより自社の技術的な改善点や最適化の可能性を抽出することができる。

また、最適なタイミングでのメンテナンス作業を推奨したりその理由を示したりするほか、印刷機のスペアパーツの交換についても知らせたり、もし緊急性があるならば優先的な措置も行われる。

これにより、計画外のダウンタイムを減らし、適切なメンテナンス作業を事前に計画することもできる。

 

グッケCRM&マーケティング部長

グッケCRM&マーケティング部長

Koenig&Bauerシートフェッド社のトーマス・グッケCRM&マーケティング部長はこれらの新サービスについて、「予測保守が現実のものとなった。世界中で稼働する印刷機のログファイルに含まれる豊富なデジタルデータ情報を基にした、人工知能による解析によって、各印刷機が計画外のダウンタイムが発生する前に、その発生を予測することを可能にした」と語った。

また現在、IoTベースのサービスプロセスを開発しており、印刷機から送られてくる稼働データに基づいて、印刷オペレーターが問題に気付く前に新たな欠陥と不規則性を自動的に検出して分析・予測をするものを目指している。

この予測によりユーザーは、計画されたサービス訪問の枠内で対応することで重大なトラブルを未然に防ぐことができ、突然の生産中断のリスクを回避することができるとともに、メンテナンス停止時間も事前にスケジュールすることができる。

 

【つづく】

 

 

 

 

 

 

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