2019年05月28日

ミューラー・マルティニ ジャパン㈱(本社・東京都板橋区)は今年1月、㈱あけぼの(本社・新潟県新潟市江南区曙町4の8の3、玄間浩之社長)に、モーションコントロール技術(各ユニットの可動部がサーボモーターで単独駆動した上で全体を同期制御する)を採り入れた無線綴じ機「アレグロ」を納入した。

これによりあけぼのでは、MIS・プリプレスからポストプレスまでの一気通貫の生産体制を完成させた。

その両社は5月24日、新潟・江南のあけぼの印刷団地事務所で記者会見を開催し、その詳細について説明するとともにあけぼのでの稼働状況も披露した。

 

あけぼのは出版印刷、商業印刷、帳票印刷などの製本・加工をメーンに行っている、㈱第一印刷所(本社・新潟県新潟市、堀一社長)グループで専業特化を目的に分社した、ポストプレス分野に特化する製本会社。

玄間社長

玄間社長

会見の冒頭、あいさつに立ったあけぼのの玄間社長は「第一印刷所では枚葉オフセット印刷機を更新して実生産性の大幅な向上が図られ、また枚葉インクジェット印刷機も新規導入するなど、印刷部門の拡充を図っている。すると、ポストプレス工程がこのままではボトルネックになる。とくに当社の無線綴じ機については昭和から使っているものなので、生産速度も遅くセット替えにも苦労していた。そこで、MISやプリプレスから統合した、ポストプレス工程も含めたスリム化、高速化を図り、大量生産にも小ロットにも対応すべく着手したのが本日紹介する件となる。いろいろな無線綴じ機、システムを比較・検討したが、その中でもっともジョブ替えのレスポンスが良く、製本品質にもすぐれていたのが“アレグロ”だった」と述べた。

 

あけぼのが導入した「アレグロ」は、無線綴じ機では世界で初めてモーションコントロール技術を搭載したモデル。

モーションコントロール技術とは、各ユニットの可動部がサーボモーターで単独駆動した上で全体を同期制御するもの。

各ユニットの駆動がダイレクトドライブになっていて個々に動かすことができるので、各ユニットの同時並行作業ができるとともに、高い位置決め精度と各プロセスの効率化が図れることによってジョブの切り替え時間が大幅に短くなり、短時間で最大の生産性を発揮される。

また、加工ユニットの選択・組み合わせもモジュラー形式で柔軟に組み合わせることができる。

 

また、「コネックス4.0」は、上位MISから受け取ったJDFデータを各製本機に送ってジョブ替えの自動セットができるようになるとともに、各製本機の稼働データをオンタイムで自動収集できるもの。

「アレグロ」のジョブ替えについては、「コネックス4・0」からジョブデータを送ることによって自動で高精度に行われる。

これにより、ジョブ替え作業のスキルレス化、省力化、短時間化ができるとともに、生産工程・稼働状況の見える化が実現する。

あけぼのでは「アレグロ」のほか、3台の中綴じ機についても、「コネックス4.0」と双方向にデータのやり取りをしている。

 

そのジョブデータは、より上流工程の第一印刷所と連携したMISから「コネックス4.0」にJDFで送られるので一気通貫の生産体制が敷けるとともに、製本機のセットを全自動化することで熟練工が感覚で行ってきたものをデジタル・数値化して技能継承を図っている。

また、生産稼働状況の分析を通して、OEE(総合設備効率)の算出やウイークポイントの洗い出しや改善策を見つけ出すこともできるようになる。

 

あけぼので稼働中のアレグロ

あけぼので稼働中のアレグロ

あけぼのではモーションコントロール技術を搭載した「アレグロ」と、ジョブ替えの自動セットができる「コネックス4.0」の活用により、ジョブの切り替え時間がこれまでの1/6~1/10程に減少(平均1.5時間が15分に)。

また、製本速度も4倍に上がった。

製本速度が上がったことで丁合機に積むための人数は増えるものの、1/4の時間で1ジョブが終わることから、トータルでは人が携わる作業量は2割減となった。

さらに、高精度な全自動セットによる高品質化が図れ、背文字の位置ズレもなくフラット形成でいい本ができあがるほか、予備紙削減についても不良率が0・6%という低さに抑えられているという。

 

そして「アレグロ」導入を機に、PUR製本も開始。

丈夫で長持ちして、かつ開口性が高いPUR製本を積極的にアピールしていく方針を打ち出している。

 

 

 

 

 

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