2019年01月08日

独・マンローランドシートフェッド社は平成30年12月18日、アジア地区の主要な印刷専門紙・誌記者のみを対象とした懇談会を開催し、ラファエル・ペヌエラCEOが同社の近況のほか、今後の営業展開や開発の方向性などについて明らかにした。

 

 

ペヌエラCEO

ペヌエラCEO

--2018年の業績はいかがでしたか?

ペヌエラ 2018年は全般的な景気の落ち込みにより、印刷業界には厳しい年だったと言えるでしょう。そのような中、当社はかろうじて収益目標を達成しました。予想通りの結果を達成でき、満足しています。それ以上に多数のユーザー様が当社製品を信頼してくださったことから、全体として満足な年だったと言っていいでしょう。

 

--貴社が考える近未来のスマートファクトリー像についてお聞かせ下さい。また、自動化・無人化をさらに進める、貴社の技術開発の方向についてお聞かせ下さい。

ペヌエラ 自動化、無人化のトレンドは続いており、昨今は自動化のレベルがさらに高くなっています。2台の印刷機を3人で回すことはもはや特別ではなく、2人で2台の印刷機を回してもう1人が2台の補佐をしています。印刷材料や用紙をフィーダーや所定の位置に自動で運んだり、印刷されたものを後加工機へ自動で運ぶロジスティックシステムがあれば、補佐の役割すら不要となります。

スマートファクトリー化には会社の規模が関係すると思っている人もいますが、それは違います。自動化やスマートファクトリーは小規模な印刷会社にも適用できるコンセプトです。とりわけ欧州では、時間を短縮できる賢いやり方だと考えられています。

また、原材料を月間もしくは年間でどれくらい使用するのか、生産工程で要した時間はどれくらいなのか、各ジョブのランニングコストはどれくらいなのか、といった要素も重要になります。そこで、スマートファクトリー化をするための指標として新しいKPI(重要業績評価指標)が採用されてきています。

印刷業界の未来に向けて、当社がどのようにしてその発展を支えていくのか?その答えはデジタルデータです。我々は双方向データ移行による工程の統合を続けています。

 

--日本の製造業では生産コストの低い海外に生産拠点を移す傾向が進み、それにともなってパッケージ印刷需要も海外流出しています。ドイツでも同じような状況だと思いますが、ドイツのパッケージ印刷会社ではその流れに対してどのような対応をしているのでしょうか?

ペヌエラ コストが低くて済む国に拠点を移すのがつねに正しいかどうか、正直に申し上げてわかりません。逆の動きがあるからです。つまり、10年前に中国に移した印刷の仕事が、欧州の印刷会社に戻ってきています。なぜなのでしょう。

実際、中国と欧州の人件費の差は縮まりつつあります。中国の人件費は過去10年間でかなり上昇しています。印刷製品を紙やインキなどの消耗品の要素で分析しますと、同じ品質のものであれば国による価格の違いはたいしてありません。機械の減価償却費も、同等の設備では国による大きな価格差はありません。

印刷工場を日本からほかの国に移すとなると、まず人件費が25~30%低くなければならないでしょうが、それも少なくとも同じ生産効率と品質をキープできる場合にだけ意味があります。中国から欧州に戻ってきた会社から話を聞くと、人件費の格差によるメリット以上に、効率や生産性が得られるということです。

 

--枚葉オフセット印刷機メーカーの多くが、製品ラインナップにデジタル印刷機も加えています。貴社ではデジタル印刷機の提供を始める予定はありますか?

ペヌエラ 弊社では1995年、版を使わない最初のデジタル印刷機DicoWebを開発しましたし、ほかのデジタル印刷機メーカーと数年間協業したこともありました。競合他社も過去20年にわたり同様の取り組みをしています。今のところどの枚葉オフセット印刷機メーカーも、確実にビジネスとして成り立つデジタル機の開発はできていません。

当社はデジタル印刷機には注力しないと決めてその開発は行っておらず、従来のオフセット印刷機にデジタル技術を組み入れることに力を入れています。その手法が従来のオフセット印刷機に付加価値をつけることができ、可能性を広げるものになると考えています。当社ではすでにそれを手掛けており、協力会社とナンバリングシステムの開発を続けています。ナンバリング装置を使うことで、個別バーコードやそのほかの可変データをオフセット印刷工程でできるようにしています。

 

--競合メーカーと比べた、貴社の優位点・差別化ポイントについてお聞かせ下さい。

ペヌエラ 私たちは毎日のように全機種において他社と競合しています。なにが当社の最大の利点なのかを明言するのは難しいのですが、「お客様がマンローランドを購入する理由はなにか?」という視点からお答えしたいと思います。

当社のユーザー様はとてもリピートオーダー率が高いと言えます。「なぜそんなに弊社を信頼してくれるのですか?」と尋ねると、よくあるお答えは、印刷品質の高さ、安定継続性、そして信頼性の高さを挙げて頂けます。

ROLAND700EVOLUTION

ROLAND700EVOLUTION

また、我々は単に印刷機を売るだけではなく、その印刷機の寿命が尽きるまでユーザー様に寄り添おうとしています。印刷機が故障した時に修理するだけでなく、ユーザー様が投資したものを積極的に守れるよう、最高のパフォーマンスが得られるよう、そして末永く生産性が保てるよう、多様なメンテナンスプログラムで支援します。たとえば、何年も前に購入した機械の生産性が落ちている場面に遭遇します。オペレーターのトレーニング不足、生産構造の変化、不十分なメンテナンス、プロセスコントロールの不備など、いろいろな異なる理由が考えられます。そこで弊社の専門チームがKPIに基づく低パフォーマンスの原因を見つけ出し、生産性を取り戻すためそれぞれにカスタマイズされたプログラムを提供します。

 

--2019年の抱負とdrupa2020出展に向けた意気込みをお聞かせ下さい。

ペヌエラ drupa2020についてお話しするのは少し時期尚早ですが、当社の主力機であるROLAND700EVOLUTIONにフォーカスした出展をします。新たな技術革新の内容についてはまだ公開できませんが、しかしながら当社のEVOLUTION(改革)の物語をお見せできると思います。ぜひご期待下さい。

 

 

 

 

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