2019年02月07日

コダックジャパン(本社・東京都品川区、藤原浩社長)は2月7日、東京・豊島のホテルメトロポリタンで、「KODAKプリントビジネスフォーラム セミナー&懇親会」を開催した。

「KODAKプリントビジネスフォーラム」は、これまではユーザーのみを対象として活動してきた「KODAKグラフィックユーザー会」から名称と方針を一新したもので、ユーザー以外にも門戸を広げて印刷ビジネスに携わるさまざまな人に向けた活動をする会となる。

この会では今後、経営課題解決のヒントや業界動向、ユーザーの成功事例紹介、コダックの技術情報などを発信し、広く印刷ビジネスに携わる人にとって有益な情報交換が行える場として展開していく。

 

会の名称を新たにして初回となる今回のセミナーは、①ヘルスケアオンライン㈱の谷田昭吾代表取締役による「タニタに学んだ成功法則」を演題とした基調講演、②コダックジャパンUWS本部の星裕子氏による「KODAK PRINERGY Cloudを活用した最新の自動化ワークフロー」を演題としたセミナー、③㈱アトミ・システム管理部の高橋学取締役、豊国印刷㈱・印刷製造部の古郡弘マネージャー、コダックジャパンの畑信雄上席執行役員による「完全無処理CTPプレートSONORA導入の経営メリット」を演題としたパネルディスカッション--という構成で行われた。

 

会の冒頭、あいさつに立った同社の藤原社長は、「昨年11月にKODAKグラフィックユーザー会の理事会を開催し、ユーザーだけのセミナーや活動ではなく、広く印刷業界のために有益となる情報発信や活動をした方がいいのではないかという意見があり、会を衣替えすることとなった。これまでよりも広く、業界の人に有益な情報を届けられるような活動をしていこうと思っている」とKODAKプリントビジネスフォーラムへと名称を変えた経緯について説明した。

藤原社長

藤原社長

続けて同社の昨年の活動実績と今年の方針について説明し、「KODAK SONORAプロセスフリープレートの出荷量が前年比2倍と伸長し、当社のプレート出荷量の27%を占め、全47都道府県の450社超で採用されている。また商業印刷のみならず、新聞印刷向けの“SONORA NX”も発売開始し、全国紙でも採用されるなど新聞印刷でも無処理版へ移行する動きが出てきている。さらに、無処理版で自動化が進むことから、CTPを印刷機のそばに置いたり、さらにはスマートフォンやタブレット端末で刷版出力や管理もできるので、ロケーションフリーCTP化にもつながる。我々は、プリプレスの3つの大きなソリューションであるワークフロー、CTP、プレートの3分野において、すべて自前の技術で最先端の品揃えができる。今年はその各分野において、製品をそれぞれ進化させていく。プレートについては、SONORA CXのUV印刷時の耐刷性向上、SONORA NXの感度向上、CTPについてはトレンドセッターの出力速度向上、マグナスでは複数種類のプレートをパレットで充填できるマルチパレットローダーの用意、ワークフローシステムではパッケージ分野向けの製品のリリースや新しい分析機能の搭載などを予定している。そして、顔が見える形でみなさんの経営課題にコミットメントをしていく」と語った。

 

 

プログラムの1つ、「完全無処理CTPプレートSONORA導入の経営メリット」を演題としたパネルディスカッションでは、完全無処理CTPプレート「KODAK SONORA CXプロセスフリープレート」を採用している㈱アトミの高橋取締役と豊国印刷の古郡マネージャーが、導入効果や立ち上げまでの道のり、現場での感想、コストおよび作業効率、環境面などについて意見交換を行った。

その大要は次のとおり。

 

古郡 当社は講談社のグループ会社で、印刷については出版印刷の本文部分を主にしており、1/1色の枚葉印刷機が5台稼働している。

古郡氏

古郡氏

出版社では返本率が大きな問題となっており、初版部数を抑える傾向にある。また、重版では初版と同じ品質レベルのものを短納期・小ロットで求められる。デジタル印刷の活用はもちろんだが、オフセット印刷でもより早く、より安くやる必要があり、そんな当社の意図とSONORAの特性がちょうど合致した。

SONORAは平成29年8月からテストを開始して平成30年2月から本採用となったが、その間に問題もあった。1つはプレートの耐傷性で、カラー印刷ならば目立たないような細かな傷でも、墨1色でははっきりと表れてしまう。運搬時に間紙を挟んでいたが、なかなか解決には至らなかった。しかし、耐傷性が向上したバージョンがリリースされたことでその問題はクリアされた。もう1点の問題は、ポジ版からネガ版に変わって網点の再現に差が出た点。これは露光カーブの調整によってクリアした。

これまでは朝一番で版を出力にあたり、現像液が安定するまで出力できず、印刷機が待つこともあった。現在は電源を入れればすぐに出力できるようになった。また、月1回、現像液交換をする際の作業時間を捻出する必要もなくなった。コスト面では、人件費、現像液の購入費、廃液処理費、設置スペースなど、トータルで300万円以上の削減効果がある。

 

高橋 当社は、他社が嫌がる仕事を積極的にやっており、特色、本紙校正、立ち合いなども多い。元々、コダックの現像液回収プログラムに参加するなど、環境配慮にも前向きに取り組んでいた。無処理版についてはその環境配慮という面、そして現像処理をすると品質にアナログな不安定さがあるのでそれを排する目的もあった。

高橋氏

高橋氏

平成29年5月からSONORAを本採用したが、テストはその1年前からしていた。当社は省電力UV印刷機を使っており、しかも微塗工紙やラフ紙、アルミ蒸着紙といった特殊な用紙をよく使い、インキについても特色を月間100~150色やるので、SONORAにとって条件は良くないのかもしれない。ただ実際には、機上現像は2~3枚でできるし、印刷機のセッティングや手順なども変える必要もなかったので、印刷現場の抵抗感はなかった。

SONORAに変えたことによって、毎日・毎週の現像機関連の洗浄、現像液・ガム液の交換の負担がなくなった。また、当社は広くないのでさまざまなものの設置スペースに限りがあった。現像機を外したことでCTPにマルチカセットユニットを付けられ、かつPOD機まで設置できたことは大きなことだ。

問題点としては、2色物の印刷でノセ/ヌキの確認をする際、視認性に難があったが、視認性を向上させたバージョンアップモデルが出てからは問題なくなった。ただ実際に使い始めると、視認性よりも耐刷性の方が重要だと思う。

 

 

 

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